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土曜ワイド工場
 
干潟に作った巨大迷路で魚を捕まえる遊び
こんな立派な魚を網ですくえるのが簀立遊び。

初夏のこの時期になると、いたるところで毎年話題に上るのが、干潟レジャーのロールスロイスともいわれている簀立遊びである。いわれていない。

簀立とは、大潮の干潮時(潮位が一番下がる時)に水深数十センチとなる場所に仕掛けられた巨大迷路(小型定置網かな)のようなもので、そこの奥へ迷い込んだ魚達を網ですくうのが簀立遊びだ。

そんなの絶対たのしいに決まっている。

玉置 豊



個人向けの簀立遊びがあった

以前からずっと憧れていた簀立遊びだが、なかなか実現しなかったのは、30人くらいで貸し切っておこなう遊びだから。地引網ならともかく、そんなにたくさん簀立好きの友達はいない。

簀立遊びは自分がまだやったことのない遊びなので、本当に楽しいのかどうかわからない状態。参加費も昼食代込みとはいえ、ディズニーランドの1デーパスポートくらいはする。それに30人以上も集めるなんていう勇気はない。

まずはどこかの団体に潜り込んで一度経験できないかなと思って調べてみたら、貸し切りではなく乗り合い方式の簀立遊びをネットで発見。それだ。


富津にあるホテル静養園にやってきた。変な角度からの写真ですみません。

簀立遊びは千葉の富津や木更津で、漁師や民宿などが観光としておこなているようだが、今回訪れたのは、富津にあるホテル静養園。

このホテル静養園は富津岬から6キロも離れた場所にあるのだが、直営の地引網や簀立遊びができる力強いホテル。乗り合い簀立は日曜開催の上に二人からOKということなので、妻を誘ってやってきた。家族サービスだと言い張って。


建物の外観やロビーの雰囲気が、見事なまでに昭和だ。でも全室無線LAN対応。

参加費の前金が現金書留での受付だったり、味わいたっぷりのホームページの感じからして、昭和っぽい雰囲気のところかなと思ったら、想像以上に昭和だった。

夏の海がサザンでもチューブでもなく、加山雄三のものだった頃。自分が子供の頃よりも、さらにちょっとだけ昔にタイムスリップした気分。

埼玉育ちなので、子供の頃に海へいくという経験がなかったので、なんだかすでに簀立遊びとは別のベクトルで楽しくなってきた。

ガラス瓶のスプライトが飲みたい。

 

団体でバスに乗って干潟へいく

今回の簀立遊びは乗り合い形式なのだが、こんなマニアックな遊びに対してどれくらい参加者がいるのかなと思ったら、驚きの定員いっぱい。簀立遊び、大人気である。

参加メンバーはやはり家族連れが多いのだが、大学生っぽい男女のグループや、私と同年代の男性だけのチームなども。

行き先はイチゴ狩りや寿司食べ放題でもなく、簀立遊び。みんながどういう流れで簀立遊びというものを知って、参加に至ったのかが気になるところだ。


ホテルが海から離れた場所にあるので、マイクロバスに乗って移動する。
こういう「ザ・団体行動」っていう感じが久しぶりでよい。

駐車場で青い網を受け取る。あおいあみって子役のフルネームみたいですね。
貝殻でできた白い道をしばらくあるくと、海の上になにかが見えてきた。

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