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ロマンの木曜日
 
市街地で分水嶺を探す

微妙な起伏を眺めて歩く

まず多摩川水系の残堀川のほとりにやってきた。武蔵村山市に詳しくないので、この場所をどうやって説明すればいいか分からないけど、自動車工場の跡地にできたものすごくでかいショッピングモールの近くだ。


残堀川に架かる橋の上から
声に出すとアフリカや南米にありそうな名前

超巨大なショッピングモール
これから進む方向を見るとさっそく微妙に登ってる!

残堀川に架かる橋の上から道をまっすぐ進んで、およそ1.5キロ先の空堀川に架かる橋の上まで歩いてみる。

標高は川沿いのこのあたりがいちばん低いのは間違いないだろう。周囲を見回してもほとんど平地で山はないけど、道路の微妙な起伏を読み取りながら、それぞれの川の間でいちばん高い場所を探すのだ。

きっと、その場所が荒川と多摩川の分水嶺に違いない。



より大きな地図で 空堀川と残堀川 を表示
赤いポイントから青いポイントまで歩いてみる

起伏を読み取っていちばん高い場所を探す、とは言っても、人間の感覚なんて当てにできないので、参考までに大山さんの記事を読んで買ったGPSロガーを持ってきた。これ、緯度経度だけでなく高度も表示することができるのだ。


おおよその標高も表示される
この橋の上は海抜117m(参考値)

ただし高度の精度はあまり良くないので、絶対的な数字は当てにならない。数字の大小で、さっきのポイントより高い、低いといった判断ができる程度と思ってください。

それでは多摩川水系から、荒川水系に向かって歩き出してみよう。


緩やかだけどずっと登ってる
車道を見ると分かりやすい

残堀川に架かる橋の先は、いきなり緩やかな上り坂だった。でも、100メートルほど登ると先はほぼ平坦。車を運転していたら、意識しなければ気づかない程度の高低差だ。


このくらいの微妙な高低差(信号のところが残堀川の橋)
その先は平坦

つまりいまの登り坂は、長い年月をかけて残堀川が削ってきた谷と、このあたりの地盤の高低差の面影ということになるだろう。そう考えると、この何気ない景色にも大昔からの時間の経過が刻み込まれていて、単に近年開発された郊外なだけじゃない、地球の歴史の一端を担っている風景であるような気がしてこないだろうか。

坂道ひとつ登っただけだけど。

この平坦(に見える)部分でGPSを眺めながら歩いて、標高がいちばん高い数字を出したのは角に中古車屋がある交差点だった。


いちばん高くて129mという数字が出た
そこにあったのは中古車屋

残堀川のたもとから数えると12mも登ってきたことになるけど、そんなに高低差があるようには感じなかったので、実際はおそらく10m弱といったところだろう。

そして、ふたたびその中古車屋に沿って歩き出したとき、地面の角度が微妙に変わる場所を見つけてしまった。


中古車屋の脇の道路を見ると
矢印のところから角度変わってない!?

ブロックのラインと比べると道が下ってる!

中古車屋の先にあるブロック塀の水平ラインと比べると、明らかに道が下っている。人間の感覚では気づくかどうかの微妙な角度だけど、これを見つけたとき心臓が大きく脈打つのが分かった。

空堀川まではまだだいぶ距離があるけど、もう分水嶺を過ぎてしまったのだろうか。

その先に進むと道が直線になって、かなり先の方まで見通すことができた。どうやらこの先でいったん窪んで、さらに先でまた登りになっているようだ。あの窪みはなんだろう。


ずっとゆるやかに下って矢印のあたりがいちばん低い?

さらに進んで、なだらかな窪みの底と思われるところにたどり着くと、そこには予期しないものがあった。


暗渠?
ものすごく小さな川

窪地の底には小さな川が流れていた。地形のセオリーを考えてみれば当たり前だけど、地図を見ているときに残堀川と空堀川の間にもう1本川が流れていることに気がつかなかったのでびっくりした。



より大きな地図で もうひとつの川 を表示
2つの川の間にあった黄色いポイントのとこの線、これも川かよ!

ここで大きな問題は、この川の流れて行く先が残堀川と空堀川のどっちなのか、ということだ。残堀川なら分水嶺はまだ先だけど、もし空堀川に流れ込んでいる川ならここは既に荒川水系。さっきの中古車屋の交差点が(たぶん)分水嶺ということになる。

しかし周りを見回してもこの川の名前を表示しているような看板は見当たらず、地図を拡大してみてもこの先で暗渠になってしまうようで、その先がどっちに流れて行くか分からなかった。


ちなみに高度は少し下がって122m

ここにいてもよく分からないので、とりあえずこの先の空堀川まで行ってみよう。


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