黒曜石を手に入れた。 あの有名な、石器を作るのに使われていた石である。 これは興味をそそる。 さっそく僕は黒曜石で、狩りと料理に挑戦した。
(加藤まさゆき)
これが黒曜石だ
黒曜石の産地に知り合いがいて、その人から大量にもらった。
古代、黒曜石は非常に価値が高い資源だったという。 黒曜石が手に入る知り合い、というのは現代において「石油王の友達がいる」ぐらいの存在だったらしいのだが、残念ながら今は古代ではないので、そんなにゴージャスな話にはならない。
それでも、このつやつや光る黒曜石が非常に興味をそそる物体なのは確かだ。 さっそく槍でも作ってみよう。
槍を作るのすら難しい
箱の中に、槍を作るのに手ごろな形をした破片があった。
これをひもで棒にくくりつければ槍の完成だ。
石槍は人類が初めて作った武器だろう。 完成を想像するだけで、なにかこう、心の底に奮い立つものがある。20万年くらい前の先祖の記憶が、僕の中によみがえってくるような気さえする。
想像はしていたが、そんなに簡単に先端に付くものではなかった。ちょっと触るとボロっと転げ落ちてしまう。 これは思った以上に難しい。 先端に、ひもだけで石を安定して固定させる。 難しい。
無理だ。 それは僕の技術では無理だ。 きっと古代の人も、難しかったんで、得意な人に任せていたりしたんだろう。そうして工業が生まれたんだろう……。 などと、しみじみしてしまったが、さっそく槍を持って狩りに出たいと思う。