熊に出会ったら死んだフリをするといい。という説と死んだフリなんてしちゃダメだ!って説がある。どちらかが正しい!ってなるけど、しばらくしたら形勢逆転してるこの両説。
一体どっちが正しいのか。もし今熊と出会ったら、どういう行動を取ればいいのか分からない。半信半疑では命を預けられない。
これは一つ、自分で確かめてみるしかないな。って思ったけれど、もし失敗したら死んじゃうかもしれない。それは困る。じゃあ、熊じゃなくて、草食動物とかで試してみよう。
(尾張 由晃)
まずは犬だ
死んだフリは熊に通じるか、熊じゃなくて犬とかでも死んだフリへの反応は同じようなもんじゃないだろうか。なら、まずは確実に安全な犬に対して死んだフリを試してみよう。
と、言う事で、犬とふれあえる所にやってきた。大阪ビジネスパークにあるお店は500円で色んな種類の沢山の犬とふれあい放題だ。楽園だ。
ここの犬たちはきちんとしつけられているので、死んだフリをしても実際に死んじゃうような事は無かろう。熊と違って犬は話が分かる。
死んだフリ、意味無い
早速死んだフリをやってみる。犬たちは一体どんな反応をするだろうか。犬が活発に行き交う所で死んだフリ!あ、何か、全く反応が無いかも。
死んだフリって、特に何の反応も無いんだな。と、思い始めたらずっと死んだフリみたいな格好で休んでいた死んだフリ上級者の一匹の犬の目が光った。
ええっ、どうしたらいい!?と戸惑ったが、死んだフリをするしかない。きっと熊も同じ行動をするだろう。これは良い体験だ。反応するな、俺!死んだフリ、死んだフリ!
うおー、舐め始めたー!すっごい、すっごいベッロベロ来てる、濃厚ベロベロ。くすぐったい、犬くさい。いやっ、やめて。「これでも死んだフリを続けられるかな?」という犬からの攻撃。
これはたまらんっ、と、我慢しきれず顔を背けてしまった。
が、それでも来る!で更に勢いを増して舐められる。もう舐めるの域を超えている。舐めが攻撃の域に入ってきている。
だが、だがしかし、死んだフリを続ければ、このままいればやり過ごせるかも知れない。もう少し、もう少しの我慢だ。
無理だ!無理!これは無理、我慢しきれない!
と、いうかこの状況、完全に襲われてるじゃん。コイツが熊だったとしたらすでにやられている。良かった、犬で良かった、顔周り全部犬臭くなる程度で、この後ご飯食べても犬の匂いしか感じなくなる程度で良かった。
死んだフリ、かなりハードル高いぞ
いきなり襲われた事で、死んだフリ意味無いんじゃないかという思いが強くなった。そして死んだフリをする事の難しさを知った。
犬に舐められただけでも「うっ…」ってなったのに、熊が寄ってきても動いちゃいけないのだ。死ぬかも知れないけれど、動かず我慢するってもの凄い度胸と演技力が必要だ。これ、一般人に出来るんだろうか。
犬に効果が無かった事、死んだフリ自体がかなり難しい事からして熊に出会った時に死んだフリをする事はダメという意見に傾いている。他の動物でも試してみよう。