びっくりしてしまった。とてもわざとらしい表情だが、本当にこんな顔になる。
イチゴだ。すごくイチゴなのだ。むちゃくちゃいい匂い。
「すごくイチゴ」という表現がどういうことかというと、先んじて確認した生のイチゴよりもイチゴらしい香りがするのだ。イチゴよりイチゴ味。
似顔絵師が被写体の個性的な顔のパーツをことさらに強調して描写するように、イチゴの香りを構成する成分に含まれる「イチゴらしさ」をすごく大げさに表現したような香りなのだ。まあ、わかりやすく言うと「イチゴ味のお菓子」みたいな匂いである。
さらに驚くべきは匂いの強さである。一匹だけでもぷうんと強く香った。やたらいい匂いのカメムシ。といった感じのインパクトだ。
これがたくさん集まったらどうなってしまうのか。 |