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ひらめきの月曜日
 
食らえ!いわきパワフルフード

でかさに加えてかわいさでも切り込んでくる

続いて紹介するのはおなじみの揚げ物料理、とんかつ……とは微妙に違う食べ物。


声に出して言いたくなる日本語
こんがりしている看板

看板に書いてあるのは「やきかつ太郎」。なんて響きのいい言葉なのだろう。

そういう名前の人が住んでいる家のでかい表札、というわけではない。とんかつのように揚げるのではなく、少量の油で焼いて作るカツを出すお店のようだ。


落ち着く店内
店に床の間があるとまじまじ見てしまう

11時の開店と同時に訪れたので、他にはまだお客さんがいない店内。テーブル席もあるが、座敷の方を選んで座る。なんだか落ち着く。

奥には床の間があるタイプの店。木彫りの大黒様、鳥の剥製、掛軸、そして壺。床の間に並んでいて欲しいものたちがフルラインナップで揃えられてうれしい。


全体的にパワフル
やはりカツ系が充実してる

いろいろなメニューが壁に並ぶ中、やはりメインなのは店名にもある「やきかつ」。ライス・お新香にもう一品のちょっとしたおかずがついて、並だと700円からという手頃な価格。この値段でも、ライス・キャベツ・味噌汁のおかわりは自由。とんかつ屋定番のサービスもしっかり押さえてくれているからうれしい。

並でも結構なボリュームがあるとは聞いていたが、今回のテーマはパワフル。そういうわけで、ここは1400円のジャンボやきかつを注文しよう。やってきたのはこれだ。


再びグゴゴゴゴゴ…

名前に違わず、かなり大ぶりのやきかつがやってきた。少々控え目に見ても、20cmはあると思う。

左後ろにチラッと見える赤はスイカ。私のとって今年の初物だ。味噌汁も豚汁レベルの具だくさんで、ごはんも大盛り。実に隙がない。


冷静になって見比べるとじわじわおかしい
独特の衣が特徴的

やきかつ単品だと大きさを伝えづらいが、私の顔と一緒に撮った写真だとわかりやすいだろうか。顔とやきかつ、交互に視線を移すとおかしなことになっているのがわかる。

肩幅を意識するとわかる顔のでかさ。そしてその顔と対峙することでわかるやきかつのでかさ。カツの大きさが伝わるならば、噛ませ犬になるのは本望だ。

このやきかつ、衣に特徴があって、食べようと顔に近づけるとバターの香りがするのが意外。「あ、なんかフランス風?」と思ったのは、フレンチトーストを想起したからではないかと思う。


テーブルにあるニンニク醤油
全力で立ち向かった男の姿

もともとやきかつの上にはケチャップが乗っているのも特徴だろう。それとも合うが、店員さんに勧められたのはテーブルに置いてあるニンニク醤油をつける食べ方。

普通のソースもあるが、ケチャップの甘さと対比があるニンニク醤油は、食べ進める展開としても変化があっておいしい。

手ごわかったが無事完食。大盛り系メニューを食べると、つい何を成し遂げたような表情になる。

 

ここまでの話だと、いわきは「食べ物がやたらとでかい街」というイメージを持たれてしまうかもしれないが、決してそういうわけではない。続いては別角度で魅力的なものを紹介しよう。


住宅街にぽっとあるシチュエーションもいい
かわいいものを見るとなぜか「負けたくない」と思う

やってきたのは小名浜にある「ゼリーの家」というお店。ちんまりとした佇まいと、童話に出てきそうな店名の看板。かわいらしさというエネルギーがにじみ出ていて、おっさんである私にはまぶしくも見える。

店内にはお母さんと一緒に買いに来たらしい地元の子供たちが。男の子の元気な声で聞こえてきた「あっ、ミルクゼリーまだあるっ!俺、これ大好きなんだー!」という台詞は、今でも一字一句間違いなく思い出せる。

店も状況もかわいすぎるぞ。このムードに飲まれていいのか。


でかくない!
君にはどうしても負けたくない

店内のガラスケースにはきれいなゼリーが並ぶ。そう、この店のゼリーは決してでかくないのだ。

目移りしてしまうラインナップ。カラフルなゼリーが多い中、男の子が声を上げていたミルクゼリーはシンプルな白色。あいつ、見た目じゃなくてちゃんと味で選んでるな、と思う。

私は食べたことがないから味では決められない。一番キラキラしてるやつ、という基準で選んでみた。


これはグゴゴゴゴゴ…とは言ってない

中にいろいろなゼリーが入ってトータルのゼリーとなっている「トロピカルゼリー」。これなら一つでたくさんの味が楽しめることにもなる。キラキラ具合に味のバリエーションも加わったゼリーだ。


またお前か!
真上から見たところもきれい

実際に食べてみようとしているところを写真に撮った。顔に近づけて写すと、ゼリーが小さく見えることに驚いた。決して小振りというわけではなく、普通の大きさのこのゼリー。

いや、もう大きさに囚われるのはやめにしよう。人が自らを傷つけるのは、不用意に何かと自分を比べるからだ。

ここは純粋に味わいたい。…うん、ゼリーだ。飛び抜けた特徴があるわけではないかもしれない。ただ、それがひとくち食べていきなりわかりやすい味がするゼリーとは違うところだとも思う。自然なさわやかさが、そのまま喉を滑り落ちていく。

さて、かわいらしさという変化球も投げてきたいわきのパワフルフード。次はまたグイグイ来るのを紹介したい。


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