2004年のホワイトバランス問題
つぎに紹介する『smartインテリアBOOK』(宝島社)は、男子向けファッション誌SMARTによるインテリアMOOKなのだが、女子向けインテリア誌がナチュラル志向一辺倒だった時代においても個性あふれまくる男子の自己主張部屋をたくさん紹介しているよい本だ。これもわたしは長年の読者である。
そして今回BOOK OFFで手に入ったいちばん古い号が2004年。
間接照明を多用した、まさにぬくもりあふれる空間であるが、これはこのひとの部屋がというより、写真のホワイトバランスのせいによるところも多分にあるのではないか。
まさに神経衰弱。 右は『インテリアJack』(ベストセラーズ)という、やはり男性向けインテリア雑誌だが、今度はそれの2004年と2011年を比べるとこうなる。
謎の2004年ホワイトバランス問題だ。 しかしこのころ「間接照明テク」がさかんにもてはやされ、照明器具をやたらとたくさん置いてしまいがちであったことはたしかである。自分がやっていたんで間違いない。
2002年、ヨーロッパが未分化の時代
2004年のオシャレ男子部屋から2年だけさかのぼった2002年には、たまたま偶然かもしれないが、なぜかけっこうな迷走がみられる。
ちなみに2011年現在のインテリアトレンドをド素人の私がざっくり分析すると、オシャレ女子は俄然、北欧テイスト優勢、オシャレ男子は王道のミッドセンチュリーアメリカンだ。 英国スタイル。はじめてきいたぞそんなのあったか。
なんというか、昼ドラとかにでてくる大富豪の家のセットをおもわせる。2002年、こういう部屋に住んでるひとってそんなにいたっけ。この本は、じつはそういうタイプのある偏ったひとたちに向けられた本なのだろうか。デヴィ夫人とか。 と思って、『インテリアを磨く80のレッスン』が強力におすすめする「今一番人気!インテリア実例10」特集をぱらぱらとめくってみると。
このあたりで私は「はっ」と気づくのだ。「和食」と「洋食」の区別しかなかったあの頃とおなじように、「和室」(アジアン含む和テイスト)と「洋室」(ざっくり海外テイスト)の区別しか、このころはまだ、なかったんじゃないか。もしかして。2002年だけど。
いやたまたま、デヴィ夫人がいらなくなったインテリア雑誌をまとめて売りにきたのかもしれないよな。うん。