最近電子書籍がブームらしい。 この「最近ブームらしい」という状態がずいぶん長らく続いているような気もするが、すくなくともブームだといわれているのは間違いない。 紙の本や書類が電子データになるのはたしかに便利なので、僕もスキャナーを買ってみた。 これで電子書籍を作れないだろうか。
(工藤 考浩)
スキャナーを買った
ハンディタイプのスキャナーが欲しかった。 雑誌や新聞なんかの上をスーッとなぞるとスキャンができるやつである。 なんだかおもしろそうではないか。 買ってみたら案の定、なんでもスキャンができてとってもおもしろい。 書類の電子化というのは後からつけた理由で、本当はただこれが欲しかっただけかもしれない。
自分で電子書籍を作ることを「自炊」というらしい
以前当サイトのライター北村ヂンさんが、“『タッチ』全一巻を作ろう” という記事で、自分の家の本棚にある本をスキャナーで読み込んで電子書籍にしていたが、このことを「自炊」というらしい。 せっかくスキャナーを手に入れたので僕も「自炊」で電子書籍を作ろうかと思ったが、とくに電子化したい本もなかった。 なので、とりあえずそのへんにあるものをスキャンしてみよう。
「自炊」の電子書籍
そう、僕の日々の自炊を電子書籍にしようかと思ったのだが、たぶんそれは「レシピ集」であるべきであり、シチューのパッケージやもやしをスキャンしたものであってはならないはずだ。
スキャンはおもしろい
自炊の電子書籍化をあきらめる過程で、ひとつ大きな発見をした。 スキャナーは何をスキャンしてもおもしろいのである。
どうでもいいものをスキャン
そして、会社の資料とか、昔の手紙とかをスキャンしても楽しいのだが、どういうわけか、そういう役に立つものよりも、どうでもいいものをスキャンしている方が楽しいのである。
気がつくと、どうでもいいものばかりをスキャンしていた。 このどうでもいいものたちで電子書籍を作ったら、どうでもいい電子書籍ができるに違いない。
スキャン日記
けっこうなんでもスキャンできちゃうので、もしかしたらスキャナーだけで日記がつけられるんじゃないかと思い、とある日のお昼休みにスキャナーを持って外へ出てみた。
外食を自炊
外でお昼ご飯を食べた経緯を電子化したら自炊したことになるのだろうか。 ならないな。 ならないけど記録としては成立するような気がする。
どうでもいいものはそれほどない
スキャナー片手にそのままそのへんを歩き回ってみた。 どうでもいいものを積極的に集めようと思ったのだが、いざスキャンしてみると、何かしらの意味が発生してしまう。 世の中にどうでもいいものはそうはないのかもしれない。
スキャンですか?
町を歩きながらスキャナーをすべらせていると、知らない人から声をかけられた。 すっと近づいてきて僕の様子を確認すると「ああ、スキャンですか」と言った。 しかも、別のひとから二度もである。 世の中ではスキャンがもう当たり前の行為なのだろうか。
たまにかっこよくなるものも
これはどうでもいいな、と思ってスキャンしたものが、まちがえてかっこよくなってしまうということもあった。 例えばこのマンホールは、スキャンしたら陰影がはっきりしてかっこよくなってしまった。
電子書籍完成
というわけで、どうでもいいものを集めた電子書籍が完成した。 せっかくなのでみなさんにも読んでいただくべく、公開しようと思う。 しかし、読んでもなんの得にもならないので、注意して欲しい。