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ちしきの金曜日
 
桜島のフェリーがすごい
 

鹿児島のシンボル、桜島。

その桜島と市中心部とを結ぶフェリーがすごい。

T・斎藤



すごさその1: 24時間営業

長崎に移住してから時々フェリーに乗るようになった。
フェリーというものはえてして便数が少なく、一日3便くらいしか無いなんてのも珍しくない。そういう場合、フェリーの時間に合わせて一日のスケジュールを立てることになる。

今回私はゴールデンウィークに桜島に旅行に行くことにした。
そこで桜島フェリーの最終は何時かな…と思ったら、なんと24時間営業だった。


桜島フェリーは24時間営業。

山手線ですら夜中は走ってないというのに、一体どんな需要があるんだろう?と不思議に思うほどの便利さだ。(しかも桜島って、ほぼ火山ばっかりな感じのところなのに)

もっとも、24時間営業のフェリーは桜島だけではない。全国を見渡せば、青森=函館を結ぶ青函フェリー津軽海峡フェリー、高松=宇高を結ぶ宇高国道フェリー、和歌山=徳島を結ぶ南海フェリーなど、調べてみると意外とたくさんある。

が、24時間といってもたいていは2〜3時間に1本。つまり、夜遅い便と朝早い便の間に1本あるような感じだが(宇高国道フェリーを除く)、桜島フェリーは便数がムチャクチャ多いところがまたすごい。


チェリークィーン号

すごさその2: 便数の多さ

昼は10分〜15分間隔。
夜中でも1時間に1本。

私が訪れた時はゴールデンウィークによる増便で、7分間隔で運航していた。次々にやって来て、着いたと思ったらあっという間に出港していく。その様子を見たかみさんが「地下鉄かよ」と言ったくらいだ。


ただいまの待ち時間0分。今回計3回乗ったが、いずれも待ち時間ゼロだった。
画面に見えてるだけでも3隻。どうなってるんだ?!

すごさその3: 船内にうどん屋がある

船内に「うどん・そば」の看板があった。
これは、てっきり街中にあるお店のPRかと思ったら
船内にある店だった。


てっきり街にあるお店の宣伝かと思ったら

船内に店があった。

これが「うまい」と評判とのことなので、さっそくひとつ食べてみた。


桜島フェリーのうどん。400円

たしかに、超うまい。
他の乗客も次々に買って食べていた。

…が!
フェリーの乗船時間って、たった15分しかないのだ。

鉄道の食堂車が、高速化で乗車時間が短縮されていったのに伴い廃止されたのに対し、このたった15分の間に食べるうどんの意味は何なのか?食事なのかおやつなのか?!
(もちろんこういうのは嬉しい!なんでJRは食堂車なくしたんだ)


子供らがものすごく気に入ってしまった。
「少し頂戴」と言っても、片手でガードして渡さない。

小さい子供にとって15分とは、わりと一生懸命食べないと間に合わない時間だ。


客室から見たところ。
他にそばやおにぎりなどもあった。

船内の雰囲気

すごさその4: 洗練されたシステム

フェリーの乗り方というのはわりと各社まちまちだが、この桜島フェリーは中でもとても洗練されている印象を受けた。


切符を買わずに、ただ乗ればいい。

料金の支払いは桜島側にて行われる。
なので鹿児島から乗る場合は切符を買う必要がなく、いきなり船に乗るだけでいい。手軽!


車の場合もいきなり乗ればいい。

車の場合もやはり料金の支払いは桜島にて行われ、鹿児島から乗る時は切符を買う場面がない。切符を買わずいきなり船の中に入っていくのは斬新な感覚だった。


有料道路の料金感覚。

出る時は、船から出て少し走ると料金所があり、そこで料金を支払う。有料道路の料金を支払うのと同じ感覚。


カードリーダーも使える。

料金は人だけなら大人150円、子供80円と、船とは思えないような安さ。

車は大きさによって異なり、プリウスで1,480円だった。



すごさその5: 船がデカくてかっこいい

そして船がデカいのがすごかった。


これデカ過ぎると思うんだけど・・・
豪華客船っぽいルックス。

船は何種類もあった。
「サクラエンジェルス」という今年3月に就航したばかりの船にも今回たまたま乗ることができた。


サクラエンジェルスの船内。
新しいだけあって、明るい雰囲気。

新しい船にもやっぱりうどんコーナーが。
売店もある。

桜島はもくもく噴火してた。

というように桜島のフェリーは、私のこれまでの九州の島々を行き来する船のイメージを大きく覆すものだった。

桜島フェリー

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