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土曜ワイド工場
 
店内に県境がある店めぐり

特に誰も意識はしていない県境

三階から県境のラインを眺めてみる マウスオーバーで県境を表示します

ところで、県境の上にあるショップで、もし何らかの犯罪があった場合、駆けつけるのは奈良県警なのか京都府警なのか、気になるところだ。県境上にあるショップの店員さんに聞いてみた。

ぼく「すみません、このラインが県境だってのはご存知でした?」
店員さん「あ、はい、こっちが奈良県でこっちが京都府ですね」
ぼく「あの、例えばなんですが、もし万引きなんかが起きたら奈良県警、京都府警、どちらの警官が駆けつけるんでしょうか?」
店員さん「んー、どうなんやろなぁ……ショッピングセンターの住所は京都府になってるから、木津署に連絡するんやないですかね?」
ぼく「もし万引き犯が奈良県側にダーッと走っていったら、駅前の奈良県警の交番は見て見ぬふりしますかね?」
店員さん「いやーそれはないでしょう(笑)さすがに目の前犯人走ってたら捕まえると思いますよー」
ぼく「ですよねー(笑)」

愚問だった。警官が犯罪者をみすみす見逃すわけがない。県境の興奮でどうかしてたのだ。県境は心を惑わせる。ぼくにとって県境は煩悩かもしれない。

 

普段使いの県境

店員さんに県境についてもう少し聞いてみた。

ぼく「普段『あ、いま県境跨いでるな』とか『今日は何回県境越えしたな』みたいなことは考えたりしますか?」
店員さん「いや、無いですねー(笑)」
ぼく「無いですか(笑)」
店員さん「無いです……」

これもまた愚問だった。 我々だって「あ、きょう何回呼吸したな」とか考えないのと一緒で、この県境は、ここで働いてるひとにとって水や空気と同じ存在なのだ。普段使いの県境。カジュアルな県境。いいなあ、そういう県境。ぼくも欲しい。

誰も県境に注目してない マウスオーバーで県境を表示します
二階の県境ラインと一階の県境ライン マウスオーバーで県境を表示します

見えないけれど存在する県境

石井裕さんの著作「県境マニア!」(ランダムハウス講談社)という本によると、このショッピングセンターはやはり水道、消防、警察の管轄が違うらしい。しかし、なにか火災や事故などがあった場合は発生場所に関係なく、どちらも出動することが取り決められているとのこと。

ラインがわざわざ引いてあるのは、おそらく後で捜査や現場検証を行うとき、分りやすくするために引いてあるのだろう。

あまりにもテンションが上がりすぎて、県境ラインの引いてある駐車場の写真ばかり撮ってしまい、他の写真素材があまりない。 マウスオーバーで県境を表示します

あの車!県境上に駐車してる! マウスオーバーで県境を表示します

駐車場の案内図、紫のところが京都府、黄色のところが奈良県だ

ところで、この記事は4ページの予定なんだけど「イオン高の原ショッピングセンター」は、最初の2ページで弾が出尽くしてしまった。でも大丈夫、関東にもいい県境があるのだ。


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