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ひらめきの月曜日
 
銭湯ランのススメ
荷物を持って風呂まで走ろう!

春ですね!走っていますかー!

えっ、走ってない。それは残念。楽しいのに。今日はそんな楽しいランニングの中でも特に楽しい走り方。「銭湯ラン」をご紹介したいと思います。

走るのはちょっと・・・と言う人も大丈夫!走りたくなるから!

馬場 吉成



「銭湯ラン」とは

通常、「ちょっとランニングしてくる」と言った場合、家を出て近所を走り、また家に帰ってくる事が多いでしょう。皇居周辺など有名ランニングスポットならば、ランニングステーションと呼ばれる施設でロッカーとシャワーが使えるので、そこまで行って走る事もあります。


皇居の周りは渋滞するほどランナーがいっぱいいることがあります。走りやすいのか、走りづらいのかよく分からない。

どちらの場合も「今日は○○周走ろう」など、距離や時間を設定してひたすら走るのが普通です。

しかし、走るだけではあまりにも面白くない。そうでなくても地味で辛い運動。それをただ繰り返すなんて修行僧のようです。


走り終わった後に飲むビールは世界で一番うまいビールです。

そこで、銭湯ラン。何周とか、何kmとか、何時間とか漠然とした目標ではなく、銭湯をゴールにして走るのです。

走った後に飲むビールは世界一うまい。ある程度走った事のある酒飲みの方ならよく知っているはずです。この世界一うまいビールと、ビール前にスッキリ出来る風呂をセットにしてゴールに置いておくのです。遠くの目標より近くのご褒美というわけですね。


「それなら家に戻ればいいじゃん」とか「結局辛いのは変わらないし」という声が聞こえて来ましたが一切気にしない。走ったあとのビールはうまい。

 

ランニング用のザックが必要

ということで、皆さんにオススメの楽しい銭湯ラン。是非やって頂きたいのですが、ただ走るのと違ってそれなりに装備が必要です。


ランニング用ザック。こちらは超長距離向けで容量22リットル。着替えやタオル程度なら10リットルもあれば十分。

近所の銭湯まで歩いて行く程度ならば必要ないですが、ランニングとなるとある程度汗をかきます。着替えが必要です。タオルなどの風呂道具も必要。これらの荷物を入れて走る為のザックが必要になります。


ランニング向けのザックは汗をかくので背中の部分がメッシュになっているものが多い。
背中にピッタリと合った軽いものがいいです。こちらは12リットルタイプ。短い距離用。

隣町程度の短い距離ならばザックはなんでも構いません。それなりの距離を走る場合は背中にフィットするラン用の物を選びましょう。スポーツ用品店のランニングコーナーなどで売っています。

私は走る距離が結構長いので、着替え、タオル、石鹸、財布以外に、カメラ、音楽プレーヤー、予備バッテリー、水、食料なども入れて走っています。


摩擦防止クリーム。長い距離を走ると脇とか、又とか、尻とか思いもよらぬところが大変なことになるのです。
点滅灯はお互いの安全の為にも夜間走行には必須アイテム。

ちなみに、50km越えるような遠くの銭湯まで走りたいなんて方は上の二つの品もおススメです。1つがスポーツ用摩擦防止クリーム。特別長い距離を走ると服やザックと肌が擦れて切れることがあります。これを塗ればそんな問題も無し。

もう1つが自転車などにつける小型点滅灯です。長距離に限らず、夜間走る場合には接近する車や自転車に追突されないように、ザックに装着した方がいいです。

 

銭湯ランのお楽しみ その1 「買い食い」

ではここからは銭湯ランの楽しさについて挙げていきます。まず始めは、ゆるいランニングには欠かせないお楽しみ。「買い食い」です。


マチのほっとステーション。コンビニはトイレも使えて、補給も出来るのでとてもいいエイドステーション。

ザックを背負ってある程度の距離を走っていくと、小腹が空いたり、トイレに行きたくなったりします。そんな時に立ち寄るのがコンビニ。コンビニエンスの名の通り、とても便利です。


カレーパンうまい。ちなみに後ろは、ほっとステーションのLではなく、あなたとコンビにのFの方。

そして、コンビニに入ると飲み物以外にアイスや菓子パンなど買って食べてしまいます。走るのだけが目的だと、こんなことやってないでちゃんと走れ!となるのですが、銭湯ランは走って、風呂入って、ビールを美味しく飲むのが目的みたいなものなので、これもアリ。


桜の季節は縁日が出ていたりする。
フランクフルトとラムネで走るのをしばし忘れる。

コンビニでなくても、商店街を走り抜けている最中に肉屋でうまそうなコロッケが並んでいたらそれを買ってもいい。縁日が出ていたらそれに立ち寄ってもよし。ゴールの銭湯目指して旅気分です。


この誘惑にだけは負けてはいけない。

ただし、ゆるい走りと言ってもランニング中の飲酒は避けましょう。それはゴール後のお楽しみ。

 

銭湯ランのお楽しみ その2 「出会い」

銭湯ランのお楽しみ。次は「出会い」です。同じところをグルグルと走るランニングと違い、銭湯ランでは様々な街を走り抜けることになるので色々な出会いがあります。


犬とか。

共食い看板とか。

薬の神様の描かれた看板とか。

おしなり君とか。「よしなり」が「おしなり」と遭遇。スカイツリーの下。おしなり君の家にて。

こんな感じで色々な出会いが有るのが銭湯ランの面白さ。

 

銭湯ランのお楽しみ その3 「景色」

そして、「出会い」と同じく、様々な街を走り抜ける銭湯ランでは季節毎の景色が楽しめます。


桜とか。

スカイツリーとか。

夕焼けの空とか。

レインボーブリッジからの夜景とか。

同じところを回るのと違って、離れたところへ向かって走るので、景色の変化を存分に楽しめます。退屈せずに走れます。

 

途中でいつでも止められる

このように色々楽しい銭湯ラン。もちろん最大のお楽しみはゴールした銭湯での風呂とビール。


ゴールに設定した銭湯まで行けると達成感とともに、ビール欲が一気に爆発する。

しかし、設定したゴールの銭湯までが意外に遠かったり、途中で寄り道し過ぎて遅くなってしまったり。なかなかゴール後のビールにありつけない場合があります。


見つけた適当な銭湯をゴールにしてしまえ。

そんな時、銭湯ランでは途中で見つけた銭湯をゴールにしてしまえばOK。欲望に流されるがまま走れるのが銭湯ランのいいところです。きままな旅気分のランニングです。


大江戸温泉物語では浴衣に着替えられるので旅気分増加。走ったあとのビールは、やはり世界一うまい。

晴れたら何処かの銭湯へ

こういう銭湯ランのような、荷物を背負ってどこかまで走るマラソンのことをランナー界ではマラニックと呼んでいます。マラソンとピクニックを合わせた造語です。

走るだけでは辛いが、疲れたら歩き、買い食いもする。ピクニック的要素を入れることでランニングは旅気分となり、飛躍的に楽しくなります。そして、ゴールにご褒美を用意することでモチベーションも上がる。

今まで走ったことの無い人も、隣駅の銭湯ぐらいからで構わないので一度やってみてはどうでしょう。楽しいですよ。

走った後は電車で帰ろう。飲んだら走るな!

 
 

 

 
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