道は細くなり、カーブも多くなり、徐々に高度を増していく。
ふと、窓の外を見てみると、一本の真っ直ぐな道路がこちらに向かって伸びていた。しばらく行くと、また同じような真っ直ぐな道路が、我々の行く道と交差している。
明らかに、国道168号線と並走しているこの道路。その正体は、大正から昭和初期にかけて、五新線という名の鉄道を五條から新宮まで走らせる計画があった、その名残である。
しかし、採算が取れる見込みが無い事から工事は中断され、結局鉄道が走る事は無かった。現在は、バスの専用道路として使われているそうだ(残念ながら、このバスは走らない)。 |