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ひらめきの月曜日
 
個性いろいろ亀頭コレクション
 

いくつか辞書を調べてみたが、「亀頭」という言葉に「亀の頭」という意味はない。本末転倒だ。

形が似ているからという理由で、全く別のモノを指し示す言葉となってしまっている。本当にそれでいいのだろうか。

この疑問がよくわからない場合は、亀の立場に立ってみるといい。自分の頭が人間たちからそういう扱いをされていることに対して、釈然としない気持ちを 抱いているに違いない。

この現状に対して私たちができることは、本来の意味としての亀頭としっかり向き合うことではないか。そういうわけで、頭部に特化して亀を見つめてきた。

小野法師丸



今こそ自分の原点を見つめたい

文字の表す意味から乖離してしまった言葉、亀頭。試しに英語で「亀頭」に当たる語を調べてみたが、「タートルヘッド」という言葉があるわけではなく、ちゃんと専用の単語が存在していた。もしかしたら日本人だけか、このノリは。

昔、中二くらいの誰かが例えて言ったのが起源なのかもしれない。だからと言って、現在に至るまで定着しちゃうってどういうことなんだろう。「そりゃ まずいだろ」って、誰か止めなかったのか。

今からではもう遅いかもしれない。けれども、ここで一度原点に立ち返ってみたい。


あぐらかいてるのが新鮮
施設名からはわからない亀度

本来の亀頭を見つめ直すためにやってきたのは、静岡県河津町にある「伊豆アンディランド」。ここにいるのは99%亀。まさに看板に偽りなし、亀専門の水族館だ。

そうとは知らずに入ったらしい家族連れが「ほんと、亀ばっかだなー」と言ってたくらいの亀密度。まず、ゲートの脇で亀のオブジェが出迎えてくれる。


いきなり来ました
頭頂部の質感もたまらない

今回注目したいのは、亀の全体像ではなく頭部。亀をトータルでぼんやりと見るのではなく、確固とした視点を持って臨みたい。これらのオブジェも頭部をしっかりと見つめてみる。

首がニュッと伸びたゾウガメのなまめかしさ。いや、下手に言葉を費やすよりも、沈黙とともに胸に去来する思いと向き合った方がいいのかもしれない。じっと視線を注げば、自然とそれぞれが「亀頭とは何か」を考え直すはずだろう。


世界でも珍しい亀専門の展示施設
亀族館という愛称も

「伊豆アンディランド」という正式名からはどんな施設なのかがわかりにくいためか、建物には「カメの水族館」や「亀族館」といった表示もされている。

「亀族館」は「きぞく館」とも読ませるらしい。きっと貴族とかけているのだろう。そう言われると、ますます亀頭という言葉の意味とのギャップに引きちぎられそうな気持ちになってくる。心に矛盾を抱えながら、いよいよ館内に入ろう。


まずは記念写真コーナー
やばいって

絶対やばいって
自然と湧き出る微笑

入ってすぐのところにあるのは記念写真コーナー。亀と鶴のオブジェがあっておめでたいが、そのめでたさを吹き飛ばすような亀の写真がバックに掲げてある。

長寿のシンボルとしての亀を超えた存在感。元気が出るのか引っ込むのか、じっと見つめるとわからなくなってくる。

座って撮影するためのベンチもあるが、今回は亀にまたがって撮ってみた。実際にやってみるとわかるが、自然と手を載せたくなるところに亀頭がある。


お前が自慢することじゃないだろ

テカりや堅さにも、いろいろな物語を見出すことができる。まだ現物の亀を目にする前からこのテンション。大丈夫だろうか。ついつい気持ちがハイペースになってしまう。

さあ、ここから先はいよいよ亀の展示ゾーン。さまざまな種類の亀が飼育されている様子をじっくり見ることができる。


かわいい
かわいいなー

そして視線は
徐々に頭部へと

ご覧のように、まず基本的に亀は愛らしい。よちよちとした歩き方や、じたばたと動く様子は普通に「かわいい」と言っていい特徴だと思う。ただ、それだけでは済まされないのもまた亀だ。

今回は頭部にフォーカスを当てた亀鑑賞がテーマ。心の敷居を下げるという意味で、まずはかわいい系のものから見ていってみよう。


いいね
いいねいいね

うん、まだ大丈夫だと思う。愛らしさとメタファーを両立させつつ、とりあえずは愛らしさの方が優勢、といった亀たちだ。視線を頭部に当てて、心に浮かぶ風景と合わせて楽しむのが今回の亀鑑賞。

右の亀、表情のかわいらしさと、肌色というなまめかしさが絶妙なバランス。さあ、気持ちの襞をかき分けながら亀を見つめていこう。


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