会話も途切れ、妻が訳のわからない「毛玉の挽歌」を口ずさみ始めた。
「けだま〜けだま〜けだま〜♪けだま〜♪(軍歌みたいに勇ましいメロディ)」
これは早く着いてトンカツを食べさせなければならない。僕は先を急ぐために、また電話のGoogleマップで近道を探した。今度は川などで途切れていないちゃんとした近道だ。
余談だけど、最初に進んだ近道は結果として遠回りだった。近道しようとしないでまっすぐ行った方が近かったのだ。これが世に言う「急がば回れ」である。昔の人は本当に良いことを言う。
それでも懲りずに、いや、多少懲りたのでちゃんと詳しく調べて近道を進んだ。ちゃんとしてる人はこういうの家でやっておくんだと思う。っていうか、多分4.5kmは歩かない。
今度は順調に進み、ようやく「どきどき」の看板があった。
もうすぐ着くのだ。 |