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はっけんの水曜日
 
ローズポークのバラ肉でバラを作りたい
赤いバラの花言葉は「あなたを愛します」。僕は豚肉を愛します。

ローズポークとは、茨城県が長年を掛けて編み出した銘柄豚の事。ローズポーク規格に従って厳格な管理の下に育てられた安全で美味しい豚肉である。ローズの名は茨城県の花がバラである事にちなむ。

ローズポークかぁ、それは美味しそう。特にバラ肉が美味しそう。ローズポークでバラ肉かぁ、クックックッ、ダジャレだね。

で、そのバラ肉でバラとか作っちゃったりして。

そのダジャレを実現させるために茨城県牛久市に行って来ました。

松本 圭司



なぜ駅にグリーン車のシートが展示されているのか。

ひたち野うしく駅まで2時間

僕が住む東京都江戸川区から茨城県牛久市までは電車で2時間。結構遠い。電車を4回乗り換えて着いたのは「ひたち野うしく駅」。駅の構内にいきなりグリーン車のシートがあったりしてちょっと変わった駅だった。

駅を降りると酒を飲む昔の人がいた。昔の人の銅像は3体。とっくりから酒を注いで飲んでいる。混じってみたが、僕だけ浮いているのは人間だからか。

ローズポークが売られている「ポケットファームどきどき」はここから直線距離でおよそ1.5kmである。

同行の妻には「1.5kmだから歩いて20分くらいで着くよ。着いたらローズポークのトンカツ食べよう」と伝えてある。妻の好物はトンカツなのだ。


シートに座ってる人結構いた。
混じる。混じれてない。

 

まさかのうっそうとした道。ウッソー。

近道をしようとしたら山に入ってしまった

さて、毎度のことだが僕は目的地の下調べをあまりしない。ライターとしてどうか、いや、大人としてどうかという気もするがこれは10年以上気をつけても一向に改善されないので、そういうものと思って諦めている。

さっき直線距離で1.5kmと書いたが、それはGoogleマップを見た感じの距離だし、もちろん直線で行けるわけがない。実際は3倍くらいの距離があるだろう。

4.5kmを歩くのはさすがに僕も嫌なので、電話のGoogleマップを見ながら近道っぽい道を探した。

すると、なんか山登りっぽい道になってしまった。ローズポークを探す旅から一転、ちょっとしたハイキングである。


ホントにここか、という未舗装路。

未舗装の道出現

地図を見ると道はあるが実際のそこは未舗装で、いよいよ登山道だろうという道が出てきた。なんということでしょう。ローズポークは山奥で売られていたのだ。

いや、そんな事はない。

登山道を抜けると、今度はあぜ道になった。

 

道が途切れた


見た目はずっと先まで続いているように見える。

山道を抜けるとそこは田んぼだった。あぜ道が高速道をくぐってずっと先まで続いているように見える。だいたいこのまっすぐ先が「ポケットファームどきどき」である。

だがしかし、この先には思いも寄らぬ驚愕の展開が待ち受けていた!


まさかの川。

なんと!あぜ道の先は川で道が途切れていた。これじゃ渡れない。Googleマップを見ていたのだから知っていただろうって?ああ、知ってた。知ってたさ。

でも、2枚上の写真を見てほしい。どう見たってずっと先まで続いているように見えるだろう。僕はアメリカの会社が作った地図よりも自分の目を信じたのだ。その結果がどうだ。近道しようとして逆に遠回りさせられている。

つまりだ、自分の目で見たからって真実でないこともあるのだ。目というのは簡単にだまされてしまう物なのだ。そう、見た目が似てるからってそうめんのつゆと麦茶を間違えてつゆを一気飲みしてしまうようにね。

 

同行の妻が不機嫌で気まずい


オオイヌノフグリが満開でしたよ。花見したいくらいだ。

その後あぜ道の悲劇から復帰し、正しく繋がっている道に戻れたのだが、ここで一つ問題が出てきた。妻の機嫌が悪いのだ。明らかに僕に不信の目を向けている。

思えば、「すぐ近くだから」という言葉で何度も騙してきた。僕が説明する距離は1/3くらいであることが多く、1kmと言えば3km歩くことになる。今回は1.5kmと説明して4.5kmなので大体いつも通りだ。そしていつも通り不機嫌である(そりゃそうだ)。

目は口ほどに物を言うと言うけど、僕にはその意味がよくわかる。


絵に描いたようなうんざり顔。

「はぁ、またか」という言葉が聞こえてくるようだ。

 

ドキドキが止まらない


懲りずに近道をする。

会話も途切れ、妻が訳のわからない「毛玉の挽歌」を口ずさみ始めた。

「けだま〜けだま〜けだま〜♪けだま〜♪(軍歌みたいに勇ましいメロディ)」

これは早く着いてトンカツを食べさせなければならない。僕は先を急ぐために、また電話のGoogleマップで近道を探した。今度は川などで途切れていないちゃんとした近道だ。

余談だけど、最初に進んだ近道は結果として遠回りだった。近道しようとしないでまっすぐ行った方が近かったのだ。これが世に言う「急がば回れ」である。昔の人は本当に良いことを言う。

それでも懲りずに、いや、多少懲りたのでちゃんと詳しく調べて近道を進んだ。ちゃんとしてる人はこういうの家でやっておくんだと思う。っていうか、多分4.5kmは歩かない。

今度は順調に進み、ようやく「どきどき」の看板があった。

もうすぐ着くのだ。


なんか情報過多な立て看板。

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