最近、最寄り駅のとなりに新しい駅が開業した。 JR横須賀線の武蔵小杉駅で、JR南武線や東急東横線などと乗り換えができて、便利になった。 確かに便利にはなったのだが、ホーム同士が離れていて、ものすごく遠いのだ。 どれくらい遠いかというと、それやもう、乗り換えの間に漬け物が漬かっちゃうんじゃないかというほどの遠さなのだ。 なので、漬けてみた。
(工藤 考浩)
便利になったのか、ならないのか
新しくできた横須賀線の「武蔵小杉駅」は、川崎市中原区にあるエリアで、これまでJR南武線や東急東横線・目黒線の武蔵小杉駅があった。 そしてその近くを通る横須賀線が、遅れて駅をつくって仲間入りした形だ。 いきなり関東の鉄道路線の話をされても困ると思うのだが、ああそういうものかという程度に聞いていただければいい。
極端に乗り換えが遠い
横須賀線はあとからやってきて「ボクも混ぜてよ」と駅を作ったものだから、いままであった武蔵小杉駅とちょっと離れている。 いや、ちょっとじゃない。 横須賀線のホームに降りてから東横線のホームに行くまでに、かなり急いでも8分以上かかってしまう。 街中だったらタクシーに乗りたい距離である。 ちなみにWEBの乗換案内検索だと、乗り換え時間に10分と表示される。
漬け物ぐらい漬かるのでは
山手線に乗ると新宿・渋谷間が7分くらいだから、乗り換えに必用な時間が10分というのがどれほどのものかわかるだろう。 ちなみにスペースシャトルなら東京からマーシャル諸島まで移動するらしい。 それくらい10分の価値は尊くて遠い。 だから10分あれば、漬け物くらい漬かっちゃうのではないかと思うのだ。
武蔵小杉で浅漬けを
ということで、乗り換えのあいだに漬け物を漬けてみることにした。 家で野菜を切り、ジップロックに入れて持ってきた。 これにエバラ浅漬けの素を入れて、乗り換えの間に漬けてみたいと思う。
漬け開始
浅漬けの素には「30分で、おいしく漬かる!」と書いてある。 さすがに乗り換えに30分はかからないので時間短縮のために、移動中もみ続けることにした。 漬けるのは、白菜、きゅうり、なすだ。 浅漬けの黄金三兄弟である。
スタートしたのは東急東横線のホームだ。 ここから横須賀線のホームへと乗り換える。
もみ歩き
東急の駅舎とJRの駅舎は少し離れていて、連絡通路で結ばれている。 そこを浅漬けをもみながら歩く。
ふだんあまり浅漬けをもみながら歩いたことはないので、もしかすると勝手がわからずに苦労するかなと思ったが、とくに困難にもあたらず、順調にもみ歩くことができている。
JRへ
JR南武線側の改札を通過した。 ここまででも全体の1/3すらクリアしていない。
南武線のホームへ
めざす横須賀線のホームは、南武線のホームのほぼ端から端までを歩いたさらに先にある。
ホームを通過
南武線のホームを通過する。 ふつうホームを通過するのは特急や通勤快速だが、ここでは人が通過せねばならない。
中間地点
乗り換えの、ほぼ中間地点にさしかかった。 この時点での漬かり具合はどうだろうか。
仮設通路へ
南武線のホームの端っこに、横須賀線への仮設通路がある。 横須賀線の武蔵小杉駅ができたのは2010年3月で、その時からこの仮設通路を通って乗り換えている。 ちゃんとした連絡通路が完成するのは今春(2011年春)とのことなので、もうじきだ。 そうしたら、連絡通路に動く歩道が設置され、通路の長さも100mほど短くなるそうだ。
横須賀線へ
仮設通路を抜けると、横須賀線ホームへの階段が見えてくる。 まもなくゴールだ。
ホーム到着
長い道のりを歩き、ついに横須賀線のホームに到着した。 感動のゴールインである。 サライが流れてもいいくらいだが、これは乗り換えだ。 でも、それほど遠い。
浅漬けは漬かったか
さて、肝心の浅漬けはどうなったろう。 乗り換えの間にちゃんと漬かっただろうか。 味見してみよう。
浅漬けは漬かる
というわけで、白菜、きゅうり、なす共に浅漬けになった。 なすなんかは漬かりすぎるほどであった。 このぶんだとセロリなどの漬かりにくいものでもいけるのではないだろうか。 もうすぐ乗り換えの通路が完成して100mほど短くなるが、それでも遠い。 毎日通勤で乗り換えている方は大変だと思うが、浅漬けが漬かるくらいの距離を歩いているんだということを誇りに思い、日々を過ごしてもらいたいと思う。