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フェティッシュの火曜日
 
よく飛ぶクラッカーほどおめでたい

No.7 ソフトクリームクラッカー


新しい尺度「音がまろやか」

音、しかも「まろやか」ときた

音がまろやかなクラッカーが欲しいんだけどな‥‥そんな悩みを今までもったことがない。

しかし世の中は広い。「音がまろやかなクラッカーがあるなら、僕だって手術を受けるよ!」という病床の子供だっているかもしれない。


クラッカーは3タイプ

クラッカーには「(具が)散らかる」「散らからない」「音だけ」の3種類があって、それぞれちゃんと明記されている。

「散らかるんだよな」とか「これ音だけにならないかな」とか今まで一回も思ったことがない。

どうなれば素晴らしいのかどうかもわからない。クラッカーは本当の意味で想像が及ばない領域にある。


「音だけ」ジャンルの異端「音がまろやか」

ポン。玉が出た。

結果


No.7 ソフトクリームクラッカー 3m50cm 第5位

テープは出ないが玉が出る。線でなく点なので、起動の美しさというよりは、どれだけ飛んだか純粋に飛距離だけを味わえる。

これが純粋な飛距離の楽しみ。

おめでたさが飛距離であるとするなら、これが純粋なおめでたさか。「‥‥おめでとうございます」と呟いてみて感じる何かちがう感よ。

まさかこれがクラッカーのあとだとは誰も思うまいよ

No.8 ステージスパイダー


ここから大きいものになる

拡がり系代表

ここからクラッカーが大きくなる。筒が大きくなるということは、テープも多く入ってるのだ。

値段も上がり本当に「派手」なクラッカーがここからだ。

「4mの超ロングテープがクモの巣状に拡がる」うえに「散らからない」と夢のようなクラッカーである。


初の4m超え。おめでたいはずなのに、この硬そうなゴミを持ってる感じの写真はなんだろう。

結果


No.8 ステージスパイダー 4m15cm 第2位

さすがによく飛び、よく拡がる。これはなかなかおめでたい。

結婚式の二次会でおめでとう!という気持ちで引き金引いたが、もしかしたらこれ結婚したことよりおめでたくないか?と悩んでしまうくらいのおめでたさだ。

周囲の友人も「ステージスパイダーおめでとう!」「末永くクモの巣状にね!」と私たちを祝福してくれることだろう。

これだけボリュームあると、散らからないタイプなのがありがたいな

No.9 スーパークラッカー 一番凄い


「一番凄い」って「一番搾り」のパロディ?

ビールかけ?

おめでたいパーティーといえばビールかけ。だがビールかけは費用もかかるし用意も大変。

そこで「ビールかけっておめでたいよな」というぼんやりしたおめでたさを借りてきて、クラッカーに移植したのがこちら。

何だかアルコール風の見た目で祝祭感はたしかに高まった。

いや、本家ビールかけもアルコールのおめでたさを借りてるのだ。ジュースかけではだめなのだ。

おめでたさの実体がまた少し明るみに出た。


しょっぺえ結果

結果


No.9 スーパークラッカー 一番凄い 2m15cm 第10位

具の軽さと向かい風のせいか、この大きさでこれか、という飛距離だった。おめでたさは戸棚にケーキ入ってた記念くらいか。

お母さん今度原付の免許とろうと思ってんのよ記念くらいかもしれない。まあ小さいお祝いにとどめておきたい。

「型やぶり」も自分で言います

No.10 祝樽クラッカー


概念としての「おめでたい」をそのまま形状化した

クラッカーで鏡割りができる

ビールかけにつづき、鏡割りもおめでたい。

これも「おめでたい」の借り物だが今回は実際に鏡割りの形でクラッカーを鳴らせるのだ。

頂点を叩くと火薬が爆発しポンと発射するそうだ。

ただそれはもう鏡割りというよりは、地雷の方が近いものではある。


せーの

えっ?

あれっ?

結果


No.10 祝樽クラッカー -2m35cm 第11位

四方八方に飛び散ると思っていたが、真上に上がり、その後は風に流され後方に飛んでしまった。今の何かおめでたかったな‥‥そんな概念だけが茫洋と残る。

この瘴気のようなおめでたさ、おめでたい「何か」がここにある。

クラッカーともかけ離れたギミックはかなり楽しかったが、これは結局何だったのだろうか。

楽しさはかなり

No.11 凄い奴


適当なのか力入ってるのかわからない商品

巨大クラッカー

スナック「いつものところ」みたいなそのまんま適当な名付け方、クラッカー「凄い奴」。

だが名前に違わずこのでかさ。凄い奴はやっぱり凄そうだ。売り場にあったもので一番大きかった。

「隣りの学校に凄い奴がいるらしいぜ」とうわさになって、これもった番長が出てきたら「なるほどな」と思うだろう。

たしかに「凄い奴」って書いてるしな、って。


でかいクラッカーはかなりでかい

在庫はなかったが、カタログによるとバズーカタイプ、ギタータイプ、そしてただばかでかいクラッカーなどがあるようだ。

値段も一つ2千円を超えてくる。その辺の結婚式くらいでは鳴らしたくない値段だ。

「菅さん総理大臣就任おめでとう!」とかはこういうので祝ってるのだと思う。


「世界一のクラッカーメーカー カネコ」実はグローバルな企業だったのだ

凄い奴はたしかに凄い。けど白色で思ったより地味。
見やすいようにしたらなんだこの立体感は。これが「菅さん総理大臣就任おめでとう!」なのだろうか。

結果


No.11 凄い奴 5m15cm 第1位

凄い奴はけっこう凄かった。大きさに違わぬ飛距離で満足度も高い。飛んだなあという実感が腕に残る。

クラッカー鳴らしたいなあなんて思ったことなかったけれど、ここまで鳴らしてきて最後にいいのに当たるとさすがにちょっとした感動がある。

今度晴れた日にレンタカーでも借りてクラッカーでも鳴らしに行こうかと思う。音がよく反響しそうだから人気のない洞窟あたりがいいだろう。

「洞窟までクラッカー鳴らしに行こうよ」という新手のナンパも生まれるかもしれない。

筒が3つ。友情、努力、勝利ですな(適当)。

はぁ〜、帰ろ帰ろ

飛距離があると、たしかにおめでたかった

飛距離のある方がおめでたい感じがした。バシュッと飛べば、ちょっと気が晴れて、わーっと大声でも出してみようかという気分になる。これはちょっとおめでたいのではないか。

おめでたいのではないか?「コレガ‥オメデタイ‥‥?」人類の温かい心を前にしたロボットみたいになってきた。

高架下で黙々とクラッカーを鳴らしていると、おめでたいが何なのかよくわからなくなってくる。おめでたさとは独りで成立しえないものなのだろう。誰か祝う対象がいないことには決定的なおめでたさは味わえない。

よく飛ぶクラッカーは、速く遠くまでおめでたさが届くから他よりちょっとだけ多くの人を祝えるだろう。大陸弾道間クラッカーというものがあったならと空想すると、やっぱりそれはちょっとおめでたいよなあと思う。


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