4月から新年度が始まり、多くの人が新しい生活をスタートする。期待や不安を胸に募らせて、また一段成長のステップを踏むのだろう。
一方、僕には新しい扉が開く気配が訪れない。僕だって成長のステップを踏みたい。今までやったことのないことに挑戦してみたいのだ。
そう考えて、なめこに好かれようと思った。確かにやったことない。
(藤原 浩一)
なめこの缶詰
先日、よくあることだが、夜中にお腹が空いたので何か食べようかなと思った。
家のレトルト食品や缶詰が詰められた引き出し(保存食BAR)を漁っていると、奥のほうからなめこの缶詰が発掘された。
なめこの缶詰というのはどれだけメジャーなのだろうか。ふつうだと思っていたが、よく考えると珍しい気もする。缶詰にしなくても普通に売ってるし。なんなんだろう、これ。
見れば見るほど気になってくる。それぞれがアピールするような立ち位置、「NAMEKO」の文字、もう春なのに「秋」。
別の缶詰もあった
僕の父の実家は秋田なのだが、秋田では缶詰をセルフで作ったりするそうだ。テレビで見て、「まさかぁ」と思ったら、家にあった。
商品ではないセルフの缶詰なので、缶のラベルがぼんやりとしている。比べると上のなめこの缶詰はかっちりしている。フォントとかラインとか。
気づいたのだが、どの缶にもなめこが描いてある。思ったより身近にあったなめこ。
缶詰がこのように埋蔵されているのを見る限り、我が家であまり出番のない素材だが、そう、時代はなめこだったのだ。
今日は、このなめこに好かれたい。
なめこ免許証
まずはなめこに好かれるにはどうしたらいいだろうか。僕は今、なめこのために何ができるのだろうか。
とりあえず、なめこグッズとか作ってみるのはどうだろう。
できた。なめこ免許証だ。
もちろんこれは、かつて一世を風靡したなめねこのグッズ「なめ猫免許証」をインスパイアしたものである。ブーム時に海賊版としてこういうのがあったかは定かではない。
ただの画像データだとなめこに尽くしてる感が足りないので、綺麗にプリントしてみよう。
近所のヨーカドーの写真コーナーに設置されていたプリント機に、データを読み込ませる。僕がこの機械にでプリントするときは、だいたいふざけたデータを実物化する目的である。
ふざけたデータがつやつやに印刷されるとおもしろい。
でかすぎた
つやつやなだけでなく、でかかった。面積にすると2倍くらいだろうか。でも、こっちの方がむしろ愛らしい気もする。
なめこは僕を好いてくれただろうか? 「ねぇ…」と尋ねてもなめこは黙ったままだが、好感度は少し上がった気がする。今の好感度は30%くらいだろうか。