人面魚を3Dで撮ってみたのだ。
さぞかし恐ろしいことになっているのかと思ったのだが、あまり迫力がない。
どうやら人面魚は3D向きではないらしいのだ。
人面魚などの「よく見ると人の顔に見える」はおもしろ写真の定番テーマだが3Dだとその条件も変わってくると思うのだ。
(デイリーポータルZ編集部/林 雄司)
これが3D人面魚
問題の写真はこれである。
かつて一世を風靡した人面魚は大田区の洗足池には2匹ぐらいいる。金色の派手なボディながらも他の地味な鯉と一緒にエサを食べている。 (林雄司)
2Dで見るとけっこう人の顔に似ているのだが、3Dで見てもそれ以上の驚きはない。原因としては
・水のなかのものは奥行きが出ない ・人面といっても実際に凹凸があるのではなく、だたの模様だ
があげられるだろう。
下みたいな顔の鯉がいたら3D向きなのだが、そんなのがいたら本当に恐い。顔の部分を拡大したのがこの写真だ。
いや、それよりも鯉の顔がどーんと拡大されているのが恐い(こちらの3Dのページ)。写真もがさがさだし、心霊写真みたいなページを作ってしまって申し訳ない。
3Dで面白い顔・面白くない顔
人面魚の例からもわかるように凹凸がなく、ただ平面に描いただけの顔は3Dではおもしろくないのだ。
タヌキの顔を3Dで見ても別にどうということはない。目が平面的だからだろう。むしろ腹にでっかく穴が開いていることがよく分かってショックだ。
顔に見える、というのは街角写真の定番テーマだが3Dではその顔にも凹凸があったほうがベターである。
もともと面白い顔だが、3Dにすることで口がにゅーんと飛び出しているのがよく分かって面白い。
理屈っぽく書いているが結局「口がにゅーんと飛び出して」面白いのだ。
派手と地味が逆転
2Dでは華があったのに3Dでいまひとつになってしまう例はライター尾張さんも見つけている。大阪の雄、スーパー玉出も派手さを失っている。
それに対して23日のピックアップでは編集部安藤さんが、地味だったものが3Dで派手になった例をとりあげている(「3Dで逆転する派手と地味」)。
それが、ちょうちんだ。
派手かと言われたら、まあまあ派手かも…ぐらいの感想なのだが、これを派手というのは安藤さんがちょうちん好きだからというのもあると思う。 見たいわに「ちょうちん」というテーマを自分で設定して、16件のうち15件が本人からの投稿である。3Dちょうちんサイトにする気か。
最後は2Dでも派手だし、3Dにしてもやっぱり派手という写真で締めたい。
金色のライオン像だ。色もモチーフも派手どうしの組み合わせ。3Dで見てもすばらしいとびだし感である。
募金箱をくわえさせられて困ったみたいな顔をしてるけど。
3Dデビュー
それまで地味だったものが急に華々しくなるのはまるでいわゆる大学デビューや高校デビューのようだ(大学や高校に入ったとたん明るくなること)。3Dデビューと名付けたい。
その一方、人面魚が華を失った。人面犬も3Dだとどう写るかが知りたいので人面犬の居場所を知っている人がいたらぜひ編集部までご連絡ください。