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ロマンの木曜日
 
高いものの値段しらべ


お金持ちなら電車も買えるぞ

ぼくは気がついてしまった。目に見えるほとんどすべてのものは、じつは買えるってことに。

何をいまさらそんなことを気がついているんだ、と言われるかもしれないが、先日エレベーターに乗っていてそのことに気がついたときの衝撃はなかなかのものがあったのだ。

共感を得られるかどうかは微妙かもしれないが、まずはそこから紹介したいと思います。

三土たつお



エレベーターにのっていてふと気がついた

その日ぼくは、新しく発売されたノートパソコンのことが気になっていた。

アップル社製の新しいやつ。軽くてコンパクトでいいのだが、10万円くらいするのだ。いま持ってる重くて大きいやつでもとくに不便はないんだけどなあなどと思いながら、駅の改札からホームに降りるエレベーターに乗っていた。


JR駒込駅のエレベーター

そのときふいに、今乗ってるこのエレベーターだって同じなんだってことに気がついた。今まで考えもしなかったけど、このエレベーターだって、値段がついてて、お金をだせば買えるんだ。


これ・・買えるんだ

現にJRは誰かからこれを買った。おそらく相当な高額で。

なのにぼくは切符さえ買えば、この高価な機械を、近くでみたり触ったり、実際に乗ったりすることさえできる。言ってみれば、100円でフェラーリに乗れるようなもんだ。

フェラーリならうれしい。でもエレベーターだって同じなんだってことに、ぼくはまったく気がついていなかった。

でも値段が分からない

じゃあこのエレベーター、いったいいくらなんだろう。

困ったことに、まったく想像すらできない。ただ、庶民に買えるような値段じゃないだろうなということだけは分かる。洋服や、新しいノートパソコンを買うような気分で、新しいエレベーターを買うことはできない。価格比較サイトにレビューが載ってたりすることもないだろう。


身の回りのもの、たとえばこういうイスなら、値段の見当はつく

しかしエレベーターはいくらだか分からない

 

値段の分からなさを克服するポイントは2つある

なんで値段の見当がつかないんだろう。そこには2つの理由があるように思った。

1つめは、ふだん買うようなものじゃないからだ。当たり前だ。マクドナルドの新しいハンバーガーならせいぜい数百円だろうと予想がつくけど、新しいエレベーターはいくらだか分からない。買ったことないもんな。

2つめは、その額が日常品とくらべてべらぼうに大きい(と思われる)ことだ。ぼくにとって値段の大きさが実感できるのはせいぜい10万円くらいまで。イチローの年俸が10億円とか言われても、違う世界のことのようで感覚がつかめない。

そこで、この2つをなんとか克服しようとおもった。ふだん買わないものの値段を調べて、しらないものでも相場感が分かるようになりたい。そして、大きな値段のものを調べて、その感覚が分かるようになりたい。


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