見るからにアヤシイ外観をした気になるお店を発見したのですが、中に入ってみたらお店の外観以上に超・個性的なマスターが経営する、衝撃的なスナックでした。
(絵と文:北村ヂン)
とてつもなく入りづらいスナックがあるのです
ちょと前の記事で「八百長」という名前の八百屋さんを探しに行ったとき、すごく気になるお店を見かけました。
京急蒲田駅からほど近い場所にある「スナック・サンゴ」。
「スナック・珊瑚」ならよくありそうなスナックの名前ですが、カタカナにすることによって、なんともへんてこな雰囲気をかもし出しています。
「サンゴ」って名前だからなのか、海をイメージしたと思われるシールがベタベタ貼られていて、店内の様子がまったく見えないという非常に入りづらい入口。
とはいえ、スナック業界においてはコレくらいアヤシイ外観のお店もそんなに珍しくはありませんが。
「店内は死んでも見せないぞ!」という気合いなのかなんなのか、シールを貼りまくった上、さらにスプレーでガラスが塗りつぶされているんですよ。
アート……なのかな?
見かけたときから気になっていて、店に入るためにわざわざ再度やって来たにもかかわらず、この扉を開けるのはホントーに勇気がいります。
「やっぱり帰っちゃおうか……」とすら思ったのですが、ちょっと前にライターの先輩から
という、非常に偏ったお説教を受けていたのを思い出して「そうだ、ボクも立派なスナック野郎にならなくちゃ!」と意を決し、店内に潜入。
予想をはるかに上回るとんでもないスナック!
あっ……若干ゴチャゴチャっとした印象はあるものの、外観の威圧感と比べたら全然フツーのカラオケ・スナックっていう感じ。
……じゃ、ない!
手作りと思われる珍妙なオブジェたちが至るところに置かれており、なんというか……あまり工夫をしない言い方をするならば、クレイジーな雰囲気あふれまくりな店内!
いきなり目に飛び込んできたあまりに衝撃的な光景に、走って逃げたい気持ちをおさえつつも、変なモノ好きのアンテナはビンビンになっています。
店内にお客さんはひとりもおらず、店のマスターと思われるおっちゃんは客席にどっかと座り込んで、なにやら作業中の様子。
「ん、どうしたの?」
--あ、あのうー……そのうー……。
「なんか用なの!?」
--いや、の……飲みに来ただけなんですけど……。
「ビールでいい?」と、勝手に瓶ビールを持ってきたのはいいんですが、ごく自然にグラスもふたつ持ってきました。おっちゃん、自分も飲む気か!?
お客さんのいない店内で、いきなりおっちゃんとマンツーマンで飲むことに……。
色んな心の準備がまだ出来ていないのに……なにを話せばいいのやら。
とりあえず、さっきからこっちをジーッと見つめているアイツがなんなのか解明されるまで、気になって酒なんか飲んでられませんよ!