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ちしきの金曜日
 
天草のNo.1人気スポット・おっぱい岩


 

熊本県は天草にある「おっぱい岩」というのを見に行ってきた。

そこは予想以上に人気のスポットだった。

T・斎藤



フェリーを予約。その時・・・

おっぱい岩は、熊本県は天草にある。
長崎在住の私はフェリーに車を乗せて向かうことにした。

フェリーを使わず陸路だけでも行けるが、それだと有明海をぐるっと回るため、片道5時間くらいかかる。


おっぱい岩の場所 (より大きな地図

フェリーには6台しか車が乗らないため事前に予約した方がいい。そう聞いてフェリー乗り場に電話した。すると、
「何かあって欠航の時は携帯に電話します。
まぁ、たぶん無いとは思いますが。 」
と言われた。

長崎で欠航するような「何か」と言えば、それは台風のことを差す。なので私もこの時期だったらまず間違いなく船は出るだろうと思った。

ところが、私が乗る予定だった日の前日、東北関東大震災が起きた。


長崎=天草間を結ぶフェリー

まさかこんなことが起こるとは…と、フェリー乗り場のおじさんが言った「まぁ、たぶん無いとは思いますが」という言葉が何度も頭の中でリフレインした。

九州では大地震による揺れはなかったものの、津波警報が発令され、絶対に海岸に近づかないでくださいとテレビで何度も言っていた。

翌朝もまだ津波警報は解除されてなかった。なのでフェリーも当然欠航だろうと思いつつ、念のため電話をかけてみたら、意外にも通常通り運行してるとのこと。

が、たとえフェリーは運行していても警報が解除されていない状況の中、海岸にある「おっぱい岩」を見に行くのはそれはどうなのか?と思い、とりあえず一日予定を延期することにした。

その後、津波警報は津波注意報へと変わり、その日の午後にはそれも解除された。


茂木のフェリー乗り場。先日行った久賀島のフェリー乗り場があまりにも何もなかったので
それと比較するとかなり立派に感じた。


で、翌日。
被災地の悲惨な様子が次々と報道される中、正直「おっぱい岩」を見に行くという気分ではなかった。

うちは親父が仙台出身で、今も親戚がたくさん住んでいる。が、電話が通じず、その安否も確認できてない。(後日、いとこは職場で津波にあい、車を流されていたことがわかった)


フェリーに車を載せ天草へ

一方、東京のかみさんの実家では、地震があった当日〜電車が止まって大混乱になった時でも、いつも通りパン屋を営業し(パン屋をしてる)、義父は米の配達(米屋もしてる)のついでに家に帰れなくなった従業員を送ったりしていた。

東京が(文字通り)揺れていた中、米の配達をしてたのだ。
それを聞いて、私も当初の予定通り出かけることにした。

記事を書くことは私の仕事なのだ。
行ってこなければ私は記事が書けない。


出る時はあそこからジャンプするんだ。と子供に教えたがすぐウソだとバレた。

というわけで私は、“パンを焼くような気持ち”でおっぱい岩へと向かった。

家を出る時、
「おっぱい岩に行ってくる。」
そう家族に告げると、
「ずるい。」
「行きたい。」
と子供たちはおろか、かみさんからも言われ、
急遽、家族全員でおっぱい岩を見に行くことになった。


船内ではテレビも見られ、快適だった。

茂木から富岡港までは1時間10分。

天草は富岡港に到着。

おっぱい岩の看板

おっぱい岩は、富岡港から車で10分ほどのところの海岸にある。


高速道路の標識と同じカラーリングの看板が立っていて非常にわかりやすい。

おっぱい岩とは、おっぱいのカタチをした岩だ。

てっきり誰かが勝手にそう呼んでるだけかと思ったら、
こうして看板が立てられるほどのものだった。



おっぱい岩

 この岩は大昔、雲仙岳の噴火の時に飛んできた岩が、長い年月をかけて、海水の力によって形取られたと思われる変形岩で、女性の乳房にそっくりな形をしています。直径は約1.5m。見事な乳首まで付いています。
 直に触れれば「胸が大きくなる」とか、「母乳がたくさん出るようになる」などの後利益もうわさされています。
 また、干潮時にしか姿を現さないので、見学の時には潮汐表の確認が必要です。

平成12年3月
苓北町観光協会


干潮時にのみ姿を現すという神々しさ

おっぱい岩は普段は海の中に隠れていて、干潮時にのみ姿を現すという。

この日の干潮は朝7時と夜20時、満潮が夜中の1時半と昼の13時。私が訪れたのは午前11時30分だったから、ほぼ満潮の時だった。


満潮時のおっぱい岩周辺。

これがおっぱい岩。

最も知名度の高いおっぱい岩は、案の定水に浸かっていて、これがおっぱい岩だと言われてもよくわからない状態だった。

説明看板にはまた、おっぱい岩は複数あると書かれていた。


おっぱい岩位置図。(てっきりひとつかと思っていた)

で、他のおっぱい岩はどうかというと・・・


…おっぱい?
おっ………ぱ?
岩だな。

おっぱい岩っぽいテイストではあるものの、いずれもいまひとつ説得力に欠ける岩たちだった。

というわけで、引き潮の時間に近い帰りのフェリーの前にもう一度見に来ようと思う。


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