ホットアップルジュース（果汁100％）

ハチミツを舐めているかのような甘みだった。
子育てならばこの甘さは相当なワガママな子供になりそうだけれど、この場合はむしろ嬉しい。

飲んだ瞬間に優しさに包まれた感じがした。
「優しさに包まれた」という感想が飲んだ時に自然と出てきた。これは、この飲み物がかなりの美味しさなのか、僕がよっぽどポエミーなのかのどちらかだ。ハチミツのような甘みを考えれば前者だと思う。

東京に出てきて4年。仕事が終わらず今日も徹夜。
一緒に入社した由美は結婚して今ではお母さん。私は彼氏もいないくて、今日も仕事。あ〜空が明るくなってきてる、という感じで頑張っている女性もいるんだろうな〜というような妄想に勤しむ午前4時に飲みたい味だった。

ホットプルーンジュース（果汁100％）

今までは同じメーカーのものを使っていたが、単体で果汁100％（ミックスはあるけれど）のものが無くなったので、他のメーカーの100％ジュースを使うことにした。

といっても、どのメーカーも似たようなラインナップ。何か無いかと探していたら、プルーンになった。100％プルーンである。匂いからしてプルーン。匂いだけで目がよくなりそうだ。

ザ・体にいい！　みたいな味がした。
酸味を通り越してもはや違うものになっている。一般に言う酸味のさらに上を行く酸味なのだ。今までのジュースにはあったフルーツ感が消え、単純に酸っぱい何かを飲んでいる感じだった。

ちなみに温めずに飲んでみても酸っぱかった。それを温めたのだから尚のこと酸っぱい。この酸っぱさの前では梅干もかすむ。もはや梅ではないかもしれない。

仕事を終わらせようと徹夜でパソコンに向かっているけれど、一向にはかどらない。空は明るくなるし、眠いしもうダメ。そんな味だ。救いの無い味なのだ。これは素直に温めずに飲んだほうがいい。

ホット野菜ジュース（野菜汁100％）

いろいろなフルーツがミックスされたフルーツジュースは組み合わせが無限にあるので、今回は見送った。そのくせ、いろいろな野菜がミックスされた野菜ジュースはホットにしてみたくてやってしまった。

飲んでビックリ！
むしろ温めた方が美味しいとすら思った。まろやかで舌触りもいい。冬の朝に宮崎あおいさんが飲んでいそうな味だ。温めることで、スープとジュースの中間のような飲み物になっている。

眠たい目をこすりながら起きてリビングに行くと「ハイ」と渡されるのが、この飲み物だったら、それが本当の幸せだと思う。朝の幸せの味なのだ。オシャレな朝を送りたいならこれを飲まなければいけないのではと思う。

ホット桃メインのミックスジュース（果汁100％）

ミックスジュースは今回は見送ると書いたばかりだけれど、一つくらいやってみようと思う（心境の変化）。ついでに、河川敷から家に場所を移した。寒くはないし、電子レンジもある。最初から家でやるべきだった。ものすごく便利。

もちろん電子レンジで温める。河川敷のコンロより圧倒的に早く温まる。徒歩からリニアモーターカーくらいの差を感じた。今までなんとも思わなかった電子レンジを未来の道具のように感じる。コンロより断然電子レンジだ。

早速飲んでみる。とっても美味しい。
先に飲んだ単体での100％ジュースは、強弱はあるけれど酸味があった。しかし、ミックスされたこの100％ジュースは酸味が皆無。

「無くていいの？」と聞きたくなるほどにない。果物のいいところだけがピックアップされている。ただ酸味もないが、パンチ力もない。無難な味なのだ。しかしこの不景気の世にはマッチしているのかもしれない。

評価は雨の休日11時。
雨音に耳をすましながら、まだ布団の中にいる。休日だけれど予定は無い。予定が無い休日の雨は素晴らしい。予定がある人たちの予定がこの雨で狂うんだろうと思うと、予定が無かった自分に優越感を感じるのだ。そんな味だった。