デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
デパートといえば観覧車、じゃなかった?


 

この絵を見てほしい。絵の上手下手はおいといて、子供のころのデパートのイメージってこんなのではなかったろうか。デパートいえば「ビル」はもちろん、「アドバルーン」そして「観覧車」。実際デパートの観覧車は乗った覚えはないけれど、ちょっと古めのマンガのイメージが刷り込まれてるのか、なぜかコレだ。実際こういうデパートは今現在あるのか?特に見たいのは「観覧車」!なのだけど。

大坪ケムタ



窓の色が昭和っぽさをアップさせる

デパートといえば観覧車、までいかなくてもちょっとした「屋上遊園地」は自分が住んでいた田舎のデパートにもあった。ゲームセンターらしいゲームセンターがない地方では、そういった所は重要なのだ。しかし、観覧車は見たことがない。アニメ「サザエさん」あたりでも数年前までこんなだったような気がするんだけどなあ。

ということで関東近辺の観覧車のあるデパート及びそれっぽい商業施設を探してみると、3件がみつかった。デイリーポータルZイベントでおなじみの「東京カルチャーカルチャー」周辺も観覧車付きだが、下はデパートではないので今回は除外。

まずは東京唯一の観覧車付きデパート「蒲田東急プラザ」に行ってみた。やっぱ屋上からニョキッと観覧車が出てるあのマンガっぽい光景が見たいもんですが‥。


駅正面からは‥観覧車もアドバルーンもない。

ぐるっと裏側の居酒屋通りとか回ってみると‥あっ!

昭和っぽい観覧車発見!

周りが結構狭い路地が多く、なかなか上を見通せる道が少ないんですが、ギリギリで視認。さっそくエレベーターで屋上まで上がると、家族連れがいっぱいのプチ遊園地が。あらためて「都内唯一」が重要アピールポイントなんですねえ。

遊園地入り口の奥に花のような観覧車が。
ポスターでもアピール!

乗り物越しの観覧車。あらためて彩りが賑やかですなあ。

そして目の前まで来ました!チューリップというかつぼみ型というか。

屋上に花開く「FLOWER WHEEL」、カルカルの上とか葛西臨海公園とか日本最大クラスの観覧車を見慣れてると大きさ的には比べものにならないけれど、デパートの屋上の光景としてどこかノスタルジーを匂わせて絵になる。色合いもギラギラしてないし。

行列ができるほどではないけど乗車率も悪くない。せっかくなので男ひとりだけど乗ってみよう。観覧車から見る蒲田の光景は?ちなみに乗る時に「黄色(のゴンドラ)でいいですか?」と聞かれた。親切!


インザ黄色ゴンドラ。
徐々に上がっていきますよ。

まもなくてっぺん近く!

おー、高い高い!

ユザワヤとか線路とか延びてる延びてる。

一周わずか3分強、しかしゆっくりとゴンドラが上がっていくのは気分アガるなあ!あと最初の写真と比べてもらえばわかるけれど、観覧車に乗ってからの写真が風合いが変わってる。それは窓が茶色がかってるのもあって光景がちょっと懐かし系映像のように見えるのですよ。視覚レトロ化装置。

降りると居酒屋並ぶ蒲田の街。ちょっとばかし時間の流れがユルいような雰囲気で、ほどよい昭和感を満喫できますな。


非チェーン系の良さそうな居酒屋多いです。

看板と観覧車のマッチ具合はベスト!

さて次の観覧車は埼玉県は川越市にある「丸広百貨店」。埼玉県内オンリーに展開する百貨店です。ショーウインドーとか受付とかに地方百貨店らしい上品さを感じますな。しかし肝心の観覧車は下からでは見あたらない。いちおう報告しておけばもちろんアドバルーンもナシ。


残念ながらこの日は雨。
見上げても観覧車は見あたらず。

エスカレーターから遊園地である「わんぱくランド」へ。平日しかも雨だけに子供も大人もいないなあ。当然のことながら遊具も全部止まっている。観覧車ってひとり載せるだけでも全体を回さなきゃいけないから効率は悪いですよね、よく考えると。

そんな雨の遊園地に迷彩パーカーでやってきた俺って、刑事ドラマに出てくる悪い取引の人みたいだ。


蒲田もだけどナムコ押しが多いのか、屋上って。
雨の人気のない屋上と怪しい男は似合う。その後ろに‥。

わんぱくホィール!曇天バックだとまた雰囲気が違う。

どこか鉄むき出し感がかっこいい。

雨だしお客さんもいないし、で稼働はしてなかったんですが、存在感はやはりピカイチ!さっきの蒲田の観覧車が「昭和」だったのに対し、金網とか鉄カゴ感がどこかもひとつ昔のメリケンな匂いを感じます。白人の子供とか遊んでそうな。

わんぱくあつまれ誕生日。
雨の遊園地はその静けさがまたいい雰囲気。

とりあえず写真は撮れたし、と雨の中帰る途中で振り向いたら屋上がギリギリ見えた!この看板とも時代感が妙にマッチ。これはアドバルーン欲しいなあ‥。

これは結構イメージに近い「昭和のデパート」感!

これぞ現代の観覧車&デパートか

そして3つ目の観覧車は神奈川県。これまでのが昔ながらの屋上遊園地が今も「残ってる」といった感じだったけども、今度は2000年に開業と新しめ。「モザイクモール港北」です。


これまでふたつに比べると観覧車がでかい!

もはや「屋上遊園地」とは違う感が‥。

モールの目の前は芝生で親子がキャッチボールしてるし、なんか入ってる店とか見ると全体的にオシャレファミリー感高い!ここまでの2つが昭和なら平成‥いやいや漢字を当てるのも違うよ、トウェニーファーストセンチュリー的な、と思っちゃうくらいだ。

百貨店、というよりショッピングモールですな。
プロアクティブの自販機なんて初めて見た。

そしてモール内の入り口から観覧車へ。いわゆるこれまでの遊園地形態とはぜんぜん違って、ゲームコーナーなどはあるけど、観覧車とはまた別個施設。モールの中では別物の目玉、なのだな。目玉というか王様。

さて乗りますか。鉄柱の細かい感とか今までとぜんぜん違う。

天気よいと富士山も見えるとか。
でも見えませんでした、この日は。

さすが前のふたつと大きさが違うだけに、一周は14、5分。もともとのビルも高いけれど、さらに観覧車は上へ上へとゴンドラを運ぶ。強めの風でちょっと揺れるのにビビらされながら。

中心を見ると駆けめぐる鉄骨鉄柱。つい見ちゃう。

窓でボケたらミニチュアぽく見える撮り方みたいに。

ずんずん上がっていくと屋上から見える遠くの横浜中心部と、身近な街の風景。自分はここの出身ではないけれど、地元だったら一年に一度とか乗って街の変化とか見るのは楽しいだろうなあ。それはもちろん他の2つの観覧車だって。

乗るたびに光景が違うと盛り上がるだろうなあ。

あ、となりのビルが何か植えてる。そんなのも見れる。

遊園地や観光地の観覧車も楽しいけれど、街中にある観覧車はふだんいる街、いない街を俯瞰させて見せてくれる。まさしく「鳥の視点」。地元にある日突然出来るもんではないですが、知らない街で乗ったらちょっと昔のノスタルジー的なものを、地元で乗れば知らない街の光景を楽しませてくれるはずですよ!

こういう隙間がちょっと怖い。

ひさびさに観覧車乗りました

別に自分は高所恐怖症とかではないつもりでしたが、ひさびさに観覧車乗ったら風でブラブラゴンドラが揺れる感じとか味わうと、股下がヒュ〜と風が流れる気分に。ちょいスリルあります。


 
 

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.