初めて見るタイプの無人直売所
無事、目的のものを見られた私は、タクシーで元来たフェリー乗り場に向かった。その途中、こんなものを見かけた。
聞いたことのない無人販売所があった。
慌ててタクシーを止めてもらい、 私が急に言ったので行き過ぎてしまい、少しバックして戻ってもらって見に行った。
それがこれ↓
日本を訪れた外国人が、野菜の無人販売を見て驚くという話を聞いたことがあるが、これは日本人が見ても驚くレベルだ。 抱えて持ってく人がいたらどうする!
ま、せっかくなので話のネタに椿油でも買っていこう。 が、千円札をどこに置いたらいいかがわからない。しかたがないので100円玉を入れる透明なケースの中に入れたが、 「これでいいの?ここに千円置いたけどこれでいいの?」 と、そのまま置いていくことに一抹の不安を覚える販売システムだった。
島で一番大きい教会、浜脇教会にも立ち寄った。 さきほどの旧五輪教会堂は元々ここの聖堂だったものを、改築の際に移築したものである。
そして内部がやはりものすごく立派。 コンビニやファミレスどころか店自体どこにあるのかわからないこの島に、教会だけこんなすごいのがある。
人口はおよそ500人。 「全員知り合いって感じですか?」 とタクシーの運転手さんに聞いてみると 「ん〜、だいたいそうかなぁ…?」 という返事だった。
島で唯一の店
帰りの船の時間まではまだ1時間ほどあったが、早めに船着き場に行って待つことにした。たしか自販機はあったし…と思ったら 「自販機はあっても中にジュースが入ってないこともあるんで…」 と言って(?!)、島で唯一の(と言ってたような気がする)お店に寄ってくれた。
店と言っても、限りなく普通の家に近い外観だった。
店内も、写真を撮るのもはばかられる程(だから撮ってない)、人ん家っぽい感じで、商品棚があるスペースの隣では店のおばちゃんがこたつに入ってくつろいでいた。
コーラとドーナツを買った。 (なぜかアメリカ人みたいなチョイスをした私)
1ページ目で、フェリー乗り場の前には山しかないみたいな書き方をしてしまったが、正確には写真のような待合所がひとつある。(これが完全に唯一の建物)
たしかにホット等、欲しいと思うドリンクはことごとく売り切れで、冷たいコーヒーとかリアルゴールドくらいしか残ってなかった。 (写真ではホットも少し残ってるように見えるが、これは光の加減でたまたまランプがうまく写らなかったのだろう)
ここで約1時間ほど帰りの船が来るのを待つ。
iPhoneの電波は、もちろん余裕で圏外。 ドーナツとコーラを飲んだらいきなりやることがなくなった。
そして寒い。 この日は雪がちらちらと舞うほど寒かったが、部屋に暖房などはない。キューリー夫人が椅子を担いで寒さを凌いだというエピソードについて考えながらスクワットして時間が来るのを待った。
長崎の教会巡りの旅の難所・旧五輪教会堂をついに見てきた。それは簡単には見に行けない場所にあるだけあって、なんというかもう、存在そのものが神秘に思えた。
残る難関は、「旧野首教会」。 ここは同じ五島列島にあるので、今回の取材で一緒に巡れないかと検討したが、調べれば調べるほど無理だということがわかった。しかし、そういう不便で大変なところほど見に行った時の感動も大きい。ということを今回実感した。