2店目は、夜は居酒屋
岩手町の居酒屋には一度きてみたいのだが、なにしろ移動が車なので叶えられずにいる。
西田食堂と同じ通りにある「らく丸」さんは、夜は居酒屋だがランチ営業もしている。
おお、わが町にはない開放的な(つまり小さくない)居酒屋。西田食堂につづいて嫉妬がつのる。さて、メニューは?
と、
このお店も嬉しいことに450円でハーフサイズがあった。いやほんと、チラシにも大々的にうたったほうがいいと思うよ、ハーフサイズ。
まずは長いも長いき焼きうどんから味わう。
はっきりわかる黒麺。クコの実が乗っちゃうあたりにチャレンジ精神を感じる。 ところで長芋はドコに?
啜ってみてわかったのだが、卵の白身と長芋が、ほぼ一体を成している。ちなみに長芋は町内産を使っていた。 その他、木耳や(たぶん)松の実の食感もあり、焼きうどんというよりある種のパスタを食べているような気分。一見「こってり?」と思ったのだが、食べてみると野菜が多いためか重くなく、2店目にしてどんどん箸がすすむ。
チラシで他の店のメニューを見ると、トマトソースでからめてみたりカルボナーラ風にしてみたりといったアレンジで提供する店もあった。平麺が、パスタのそれを連想させるのだろう。
これはもう、美味しくない理由はない。夜だったらハーフのキムチうどんでビール、最高だよね。にしても今日は卵食べすぎかしら。
会計時に「焼きうどんの評判はどうですか?」と訊いたら、「まずまず数は出ています」とのこと。それなりに町民にも根づいてきているということか。だったら良いんだけどなあ。
3店目は「じゃじゃ麺」風
このお店「美庵(びあん)」だが、1店目の西田食堂のすぐ近くにある。しかしながら、ぼくは勝手に「軽食をだす喫茶店風のお店」と思い込み、「3店目くらいにちょっとゆっくりする感じで」立ち寄ろうと思って後回しにしていた。のだが、
小さいテーブルと椅子があったので、「ここで食べてもいいか」訊いたところ、大丈夫との返事。幸い他のお客さんはいないので、腰掛けてゆっくり待つことに。
外は吹雪だけど、ぼくは水が好きなのでなんの問題も無いのです。
待つこと10分ほど、出てきた焼きうどんがこれだ!
これまた他の店とはちがった面持ち。上に乗っているのはなんと「山椒味噌」とのことで、盛岡名物の『じゃじゃ麺』にヒントを得たメニュー。 同じようによく混ぜて食べる。
どの店もそうなのだが、キャベツ(岩手町特産!)が美味しくて存在感がある。これはイベントで食べていたパック売りの焼きうどんでは感じられないことだった。
この山椒味噌、なかなか面白い。爽やかな香りと味噌のペースト感が相まって、これまたなんとなくイタリアン(ジェノベーゼとは言いすぎか?)な雰囲気を醸しだしているのだ。
ところで岩手の県北というと「にんにく味噌(これ絶品ね)」が定番と思っていたので、この山椒味噌は意外だった。訊けば昭和45年までは豆腐屋をしていて、田楽味噌に使っていたのだとか。
ちなみにこのお店、夜は2階で居酒屋さんをやっているとのこと。 「岩手町で飲みたいと思ってるんですけど、車なんでなかなか叶わないんですよ〜」と言ったら、
通路にはいろいろな人の色紙や、焼きうどんに関する新聞の切り抜きなどがたくさん貼られており、どうやらとても面倒見の良い人であることがわかった。 新しいことをはじめるには、フットワークの軽い人が不可欠なのだ。