化粧品のCMを見ていると、「冬も美白」などというフレーズを聞く。 紫外線を防ぐUVケアは夏だけではなく冬も、ということのようだ。 しかし、日焼けというと圧倒的に夏のイメージがある。 本当に冬でも日焼けするのだろうか。
(工藤 考浩)
晴れが多い冬は要注意か
僕は北海道で育ち、子供の頃は毎冬スキーをしていた。 なので体感的に「雪焼け」というものは知っている。 天気のいい日にスキーをしていると、ゴーグルのあとが顔に残るほど日に焼けてしまう。 同様に冬の登山家も、真っ黒な顔をしている。 しかしこれはあくまで雪山の話で、雪のない場所の場合はどうだろう。 特に東京は、冬の間は晴れの日が多い。 屋外にいると日焼けするのだろうか。
テープを貼って実験
僕はインターネットの会社に勤務している。 いわゆるIT関連に分類されるのではないかとおもうが、取材など、外で仕事をすることが多い。 なので、夏は日に焼ける。 その日焼けも冬に入ってだいぶひいてきた。 ということは、やはり冬は日焼けしないことになるが、それは程度の問題かもしれない。 腕にテープを貼って屋外で過ごし、貼っていない部分との差で、日焼けしたかどうかを比べよう。
快晴の公園
というわけで、快晴に恵まれたこの日、近所の公園で実験開始だ。 時刻は午前10時をまわったところで、紫外線量がぐっと増えるといわれている時間帯だ。 午前中が締め切りの仕事があったため、ノートパソコンを持ち出してベンチで仕事をしながらの日焼けとなった。
1時間が限界
1時間強パソコンに向かってキーを打っていたのだが、手がかじかんでまともにタイピングできなくなってきた。
一時撤収
どうしても午前中に仕上げなければいけない仕事(のメルマガ「週刊ニフティ」の原稿だ)だったので、ここは一旦会社に戻って、ちゃんとキーが打てる環境で作業し、改めて外に出よう。
ビーチへ
日焼けといえばビーチだ。 夏の快晴の日なら、1時間もいれば真っ赤に日焼けしてしまう。 日焼け調査をするには絶好のコンディションだ。 そのビーチが、会社のそばにある。 埋め立て地に作られた人工海岸があるのだ。
おでんで暖をとる
夏の海水浴場ではおでんが売られているが、あれは冬の海にふさわしいのではないだろうか。 先ほどの公園では体が冷えて実験に支障をきたしたので、おでんを食べながら日焼けすることにした。
素肌は熱をうばわれる
今日はセーターを着て、そのうえからダウンジャケットを着込んでマフラーをし、手袋まではめている。 けれども、腕まくりした部分から体温がどんどん奪われて行く。 北国の女子高生は、気温がマイナスで吹雪の日でもミニスカートに生足で、寒くないんだろうかと思っていたが、腕をちょっと出しただけでこんなに寒いのだから、あれは相当なものだろう。 尊敬する。
じっと太陽を受け止める
寒いのは寒いんだけれども、風が止んだ瞬間は太陽の暖かさを感じることができる。 「ぽかぽか」の「ぽ」一文字分くらいだけだが、ほんのつかの間、心地いい瞬間がやってくる。
もういいだろう
先ほどの公園とあわせると4時間ほど屋外にいる。 夏であれば、日焼けするのに充分すぎる時間だ。 たぶんヒリヒリしてお風呂に入れないレベルだろう。 きっと肌は真っ赤になっているはずだ。 では、冬の場合はどうだろうか。
赤いのは日焼けかしもやけか
腕の日に当たった部分は、明らかに赤い。 でもこれは、ただ単に寒くて赤くなっているのかもしれない。 テープを貼った部分はどうなっているだろうか。
あ、白い
テープを貼った部分とそうでない部分、はっきりと色が異なっていた。 貼っていない部分に比べて白い。 これは日焼けしたということだろうか。
翌朝
ただ、半日以上腕にガムテープを貼っていたのだから、血流や湿度など何らかの理由で、その部分だけ皮膚が白くなってしまっていたのかもしれない。 であれば日焼けとはいえないので、翌朝また同じ部分を撮影してみた。
冬はそんなに日焼けしない
今回の実験に関しての結論は、「冬は日焼けしない」というものだ。 冬の紫外線量は夏の1/5などと聞くので、当初はすこしくらい日焼けするんじゃないかと思っていたが、僕の腕に変化は見られなかった。 それでも、まったく紫外線が当たらないわけではないと思うので、気になる人は気をつければいい、という何の答えにもなっていない意見をのべて、筆を置こう。