正月の風物詩としておなじみの羽根つき。 負けた方が顔に墨を落書きされるでも有名だ。
その落書き、大抵テレビや漫画では○や×を2、3描いて終了するが、 もし勝負をそのまま続けたら、しまいには描くスペースのない顔面真っ黒状態になるのではないか。
だとすれば何回負ければそうなるのだろう。 正月気分も一切ない1月半ばの平日に羽根つきをして調べてみた。
(小柳 健次郎)
人生初の羽根突き
正月もだいぶ過ぎてる上に羽根突きしてる人なんて全然見ないので、 羽子板が売ってるのかどうかまず心配してたら普通に東急ハンズに売ってた。
道具はあっさり揃ったが、羽根突きの詳しいルールはよく分かっていない。 どうも色々調べてみたら元々は神事だったらしく、競技ではないのでルールみたいなものは定まってないらしい。
なのでここは勝手に2つほどルールを定めてみた。
要はバドミントンでキャッチボールするみたいな感じだ。相手を負かそうとムキになる感じではない。
また墨で描く落書きは以下のものに限定する。
これは自由に描けるようにすると、さじ加減一つですぐ真っ黒になってしまいそうだから である。
後はバドミントン形式で、相手のコートに入ったらOK。入らないとアウトということにして、 それ以外の細かいルールはやりながら適時決めていくことにする。
検証という名の試合開始
相手は編集部から安藤さんにお願いした。 編集部の中では圧倒的に運動神経が良い方なのでこちらの負けが予想されるが、 今回は勝ち負けでなく真面目な検証なので構わない。
塗られるときもっと屈辱的なのかと思ってたけど、自分からは見えないので特にそういうことはない。
その分あとから写真を見たときの屈辱感が凄い。
こんな感じで勝負を続けていき、顔が真っ黒になるのは何敗目かを調べていく。
心に平穏が訪れる羽根突き
ここで実際に羽根突きをすることで分かった、羽根突きコネタを紹介します。
顔に墨を塗られた状態だと、なにをやってもバカにしか見えない利点がある。 野球なんかでもヒットを打たれるたびにピッチャーが落書きされると良いと思う。
実際どんなに白熱したりボコボコに負けてても、相手がひどい顔してるので 全然くやしくない。心が穏やかだ。正月と言わず年中やれば世界が平和になるのではないか。
でも自分もひどい顔になってると思うと穏やかじゃない。やっぱり正月限定にすべきだ。
なぜならこうだからである。
こちらが10敗目となったところで○×だけ描くのに飽きたのか、 「マクドナルド」と笑いながら額にM字を描き始めた。 その後13敗目は思いっきり塗りつぶしにきてる。
ここからもう最初に決めたルールは意味をなくし、 とにかく落とした方が適当に塗りたくるという状況になっていった。
気がつけばお互いにかなり真っ黒。 というより僕の方はもう塗り場がないほど完全に黒いらしい(自分では分からない)。
20敗すると真っ黒になる
ということでここで試合終了。この時点での顔の状況と負け数を確認しよう。
負けた回数は3つしか違わないのに、僕は隙間もないほど真っ黒である。 随分容赦なく塗ったなと思う。こっちももっと塗ってやれば良かった。
1敗目からの推移を順に並べて、黒くなる経過を分かりやすくしてみた。
陽気な人たちですね。
そういう感想しか出ないような写真群だが、あえてなにかを見いだすとすれば 10敗目以降から墨の塗り方が互いに雑になっているところか。
ここらへんになるともう塗る面積もなくなり、○や×だけ描くのも飽きてくる。 その結果、ハイペースで真っ黒になっていった。
ハゲ頭は何敗目で真っ黒になるか
本来の検証は終えたが、ハゲカツラを持ってきていたのでついでにハゲ頭が真っ黒になるにはさらに何敗すればいいかも検証したい。
塗ってみて気づいたが、このハゲづらはゴムで出来ているため墨を はじいてしまいうまく塗ることが出来ない。
とはいえ○だけ描いてやめるというのもなんなので、 前面だけでの検証とすることにした。
そしてハゲづらの前面まで黒くなったのは25敗目であった。
やる前から分かっていたが、これを調べる必要性はまったくなかったと思う。
いろいろ除けられる
羽根突きにおいて墨を塗るという行為は、本来厄除け等の意味があるらしい。
今回の企画をやる前は○×のイメージしかなかったので、そう言われても正直ピンとこなかった。
だが真っ黒になった自分の顔を見て確信した。これは除ける・・と。