鬼に金棒、グラフィックデザイナーにカラーチャート
1ページ目でいきなりヤットコやらピペットやら聞き慣れないアイテムが出てきました。面食らった人、すいません。
このページではみんな知ってる、「この仕事といえばこれだよね!」という商売道具をご紹介していきますよ。
看護師の商売道具(看護師U さん)
聴診器
用途:血圧測定、呼吸音、お腹の音を聴くのに使います。
価格:1万2千円前後
両面にヘッド(聴診する面)があるのをダブルヘッドというそうです
−−聴診器にも種類があるんですか?
はい、まず、シングル・ダブルに大別されるかと思います。写真は両面あるからダブル。呼吸音と心音を聞き分けるタイプです。
その分類とは別に、例えばヘッドの小さな小児用だとか、心音を聴取するのに優れたもの、などといった種類があります。安い物で2000円前後の物もありますが、血圧測定や肺音聴取くらいなら、それでも充分です。
−−使い方にうまいとか下手とかあるんでしょうか?
胸の聴診は左上→右上→左下→右下の順で聴診するように学生の時に習いました。聴診器に上手い下手はないと思いますが、チョイチョイと当てるより、いろいろな部位に当てることで聞こえる音があると思います。
−−買い換えたりします?
壊れない限りは一生ものと言っていいと思います。 イヤーチップ(耳あて)は交換部品の販売がありますね。
ドクターがつけてるイメージのある聴診器ですが、看護師にとっても必需品。そう言われてみれば血圧計るときなんかに使ってますよね。
ハードウェア開発者(通信機器)の商売道具(wako さん)
はんだごて
用途:基板 (電子機器の中身) に部品を取り付けるのに使います。
価格:今ほしい奴をみたら7万くらいでした。たけえ。
−−どういうものがいいんですか?
こて先の温度管理がきちんとできること。 いい道具は、使っているときと、こて台に置いているときで温度を変えてくれたりもします。
−−はんだ(ハンダゴテで溶かす金属のほう)にもこだわりがあるんですか?
こだわりによるものではないですが、ここ10年、鉛は環境に悪い! とはんだの鉛フリー化が進みました。 鉛フリーはんだは鉛入りはんだに比べ「まじで?」と思うくらい はんだ付けしにくいアイテムになっています。 (ちょっとの熱じゃ溶けない、かといって熱しすぎると錆びる)
世界の生き物が鉛を栄養源にできるくらい進化したら、こんな苦労せんでいいのに…と泣いています。
ハンダゴテは僕も趣味で使うので少しわかります。千円のを五千円のに変えたらめちゃくちゃ使いやすくなりました。安物ははんだ付け中、部品に熱を取られて温度が下がったりするんですよ。でもプロレベルになるとさらにワンランク上のこだわりがありますよね。値段も7万ですよ。
グラフィックデザイナの商売道具(ナツ さん)
DIC色見本帳(カラーチャート)
用途:色をみるためにつかいます。
価格:5000〜7000円くらいだとおもいます
デザイナーといえば!というイメージありますよね。
−−色を見る、というのは?
色をCMYKの数字に変換できます。例えばキンアカといわれれば、M100, Y100という風にかいたりします。
−−作業がコンピュータ化されても、こういったものを使うのでしょうか。
いまや必要ない道具のひとつかもしれません。ソフトウェア上でどんな色でもみられるので。 でもやはりモニタはモニタ。最終的にはこれに頼るのが一番正しいと今でもおもっています。
とはいえ、すごく半端な色でなければ、長くやってると、どんな色で仕上がるか想像はつくのですが…そこは経験ですね。
印刷する紙によっても発色が違うので難しいとのこと。やはり最後には経験がものを言うようです。このカラーチャート自体はアート紙という紙に印刷されてます。
同様にプロセスカラーノートというのも必需品だそうで、こちらは「DIC(社名)の特色をCMYKに変換した(推奨される)掛け合わせガイドです」とのこと。
塾講師の商売道具(にびたし好き さん)
テキスト
用途:問題を出したり、宿題を出したり、講義中の必須アイテム。
価格:教師用はタダ。失くすと自費購入(1000-2500円程度)
−−どんなテキストが使いやすいんですか?
1位は、先輩講師が使っていたもの。答えが全部書き込んであったり、教えなければならないポイントが書き込んであるなど、これさえあれば予習いらずです! 2位は、自分専用に書き込みをしまくったテキスト。やめるときに、これを塾においていくと後任者にとっては1位のテキストとなりますね。
逆によくないのは、新年度新たにテキスト業者を変えたりしたときのテキスト。一からカスタマイズし直しは辛いです…。
−−そうやって使い込んでいくとボロボロになりませんか?
人それぞれメンテナンスしてます。ビニルカバー派、ガムテ派、可愛いセロテープ派などなど。しかしボロい方が威厳があるのも確かなので、新しくて真っ白なうちはわざと「汚し」をする場合も多いです。
テキストは育てるものだ、というなるほどの回答。そうやってじっくり育てたテキストも、何年かすると刷新されてしまうというのは寂しいものですね。