静かに自由を満喫できる真夜中の空港
このお店、平日は深夜2時まで営業とのことで頼もしい。いわゆるファストフード的なハンバーガーではなく、こだわりのある個性的なメニューを出す店のようだ。
あとから調べたところ、この「R BURGER」は他の場所にも店舗があるようだが、値段は特に空港価格というわけではなく、他の店と同じ。空港の食事というとどうしても高くつくイメージがあるが、そうした点でなんとなくうれしい。
変わったハンバーガーがいろいろある中、店名にもなっている「アールバーガー(320円)」を注文してみた。
注文してから調理を始めるようで、しばらくして出てきたほかほかのアールバーガー。パンの部分の色が白く、緑色に見えるのは大葉だろうか。ぱっと見からしてちょっと違う。
中身を見てみても、大葉の上にあるのは甘酢大根とハンバーガーにしては意外なもの。パティの上に塗られている茶色のソースは八丁味噌をベースにしたものらしい。
いざかじってみても、まずやってきたのは不思議感。普通に使われるパンとは明らかに食感が違う。これまで食べた中で一番近いものは何かと考えて、肉まんの皮だと思いついた。
肉まん系サンドイッチと言えばよいだろうか。真夜中の空港という異空間で、毛色の違う物を食べられるのはなかなか楽しい。さて、おなかも満たされたところで一つ下の階に降りてみよう。
4階は「江戸小路」と名付けられたフロアで、今回の新オープンの目玉的な存在であるようだ。テレビのニュースで見たとき、特に混雑していたのはこのゾーンだったと思う。
空港という独特な雰囲気の場の中に、さらなる異彩を放つ空間がそこにある。
特有の空気が漂う空港にこうした町並みが再現されている様子を前にして、さらに深まる混乱。人がいないことも相まって、ますます自分の置かれている状況がわからなくなる。一体ここはどこなんだ。
ここには人気の飲食店も軒を連ねていて、食事時にはかなりの行列になっているようだ。この時間ではそんな店も閉まっていて、どこにも入れないけれど、閉園後のテーマパークを歩いているようで楽しい。
そして、ずっと違和感が離れないのは、夜中なのに空間全体が明るいことに原因があるような気がする。今何時なのか、という感覚が狂うのだ。
ちなみに、このフロアには江戸っぽい通りから少し離れたところに24時間営業のカフェやレストランもある。特にカフェの方は真夜中にも関わらずかなりの席が埋まっていた。
みんなここで夜を明かして次の行動に備えるのだろうか。あまりにも人がいなくてさみしい、という場合にはここに来れば他の人たちの息づかいを感じることができそうだ。
商業施設が充実していて特に凝ったつくりになっているのは、展望デッキのある5階とこの4階。ひとつ下の3階は出発ロビーなのでこれと言った呼び物はなさそうだが、下りてよく観察してみよう。