動物のキスラッシュ!
ペンギンもクチバシとクチバシをあわせていた。キスだ。 レッサーパンダと比べて、毛が短いためなのか、哺乳類ではないからなのか、こちらは海外の挨拶代わりのキスみたいだった。クチバシに潤いが無いのもそう感じる原因かもしれない。やはりキスはプルンとした唇とがいい。
この2匹のカワウソはカップルだと看板が出ていた。 だったらキスくらいするだろうと思う。カップルになると日本人なのにそういう文化圏の人間か! と思うくらいに2人はキッスをしだす。カワウソ界とて例外ではないのかもしれない(もちろんこの2匹にキスという概念は無いだろうけれど)。
コビトカバは控えめで奥ゆかしいキスをした。 初々しいキスのようにも見えるのが、僕の中で高感度が高い。繁殖のためにペアリングを始めた2匹らしいので、なかなか上手くいっているのではないだろうか。
コビトカバは元気に泳ぎ回っていて、ギャラリーからも「すっご〜い」などと歓声が上がっていた。やはり動き回る動物への関心は高いようだ。もっとも今の僕はキスへの関心しかない。動かなくてもキスさへしてくれればいいのだ。キスしてくれ!
マダガスカルに生息するハイイロジェントルキツネザルのキスは大胆だった。写真を見ると分かるようにザ・キスだ。名前にジェントルと付くくらいなので、紳士みたいな印象を受けるけれど大胆。
そのギャップがいい。 清楚なのに大胆みたいなギャップは人気のギャップだ。 ただこのサル自体はあまり人気がないようでギャラリーは少なく、僕だけ「キスしてる!」と盛り上がっていた。
魚類のキスも見てみたい!
動物のキスは堪能できたので、今度は魚類のキスを見てみようと、また別の日に水族館へ足を伸ばした。「しながわ水族館」という名前の通り品川区にある水族館だ。
カップルの向こう側ではマイワシが群れを成して泳いでいた。これだけ間が狭まっていたら、唇が触れ合っていても不思議ではないと期待したのだけれど、マイワシは面白いほどにお互い接触しないのだ。
みんな同じ方向に泳いでいるし、上手い具合に間隔を取ってお互いがぶつからないようになっている。教えられたわけでもないのに、みんなそうしているのだ。改めてすごいと感心させられた。
マイワシをあきらめ海に棲むナマズの仲間ゴンズイを見る。 こちらもみんな同じ方向を向いているので、なかなかキスをしない。他の魚にも言えるのだけれど魚類はなかなかキスをしないのだ。なので、キスの幅を広げる。
よく見ると髭が触れ合っているし、髭と口が触れ合っているところも見受けられる。これはもうキスと言っていいのではないだろうか。人間も髪にキッスをすることがあると思う。映画でそのようなシーンを見たことがある。そう考えるとこれもゴンズイなりのキスなのではないだろうか。
寸止めキス、ぶつかりキス
深海に棲む魚の水槽を見ていると動きが少ない。 そういう生態なのだから仕方が無いのだけれど、キスをしそうでしない魚がいるのでもどかしい。口と口のキスではなく、頬へのキスなのだけれど、あと一歩がなかなか踏み出せないでいるようだ。
深海魚のキスはあきらめ、クラゲのキスを激写することにした。ふわふわと海中を漂うクラゲは見ていて大変美しい。そんなクラゲは果たしてキスをするのかと思っていたら、髪にキスをするようなキスをした。
クラゲは傘の下面に口があるそうなので、上の写真もクラゲなりのキスなのではないだろうか。
一般的には「ぶつかっただけ」と言うのだけれど、キスと言えばロマンチックに感じる。そういうポジティブなシンキングもキスという視点から生まれるのだ。キスは素晴らしいと思う。
哺乳類はキスをする
レッサーパンダをはじめとして、哺乳類はよくキスをしていた。 一方、魚類はあまりキスをしていなくて残念だった。もっとも人間以外の哺乳類や魚類はキスをしていても、キスをしているつもりなんて無いだろう。キスという概念がないだろうから。
ただ本人達にそんなつもりはなくとも、特に哺乳類のキスは可愛かった。 そういった点から、哺乳類はもっとキスをしていくべきなのだと思った。僕も哺乳類だからキスをしなければという使命を感じた。頑張っていこうと思う。