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ロマンの木曜日
 
ゲゲゲブームのゲゲゲの町


ゲゲゲの境港駅前のゲゲゲの看板。

2010年、「ゲゲゲの〜」というのが新語・流行語大賞に選ばれたらしい。

ゲゲゲの・・・?? ってゲゲゲの何だ。

ゲゲゲの『町』なら私の出身地である山陰地方に2箇所ある。

ゲゲゲの『女房』の出身地である島根県安来市。
ゲゲゲの『原作者』水木先生の出身地であり、鬼太郎で町おこしをしている鳥取県境港市だ。

このブームの渦中にある町は今、どう盛り上がっているんだろう。帰省したついでにちょっと見てこよう。

さくらいみか



ブーム前と特に変わらず・・・?

年の瀬も押し迫った2010年12月30日。境港へ行ってみた。
境港が妖怪の町になる事になった十数年前は、「え・・・??鬼太郎で町興し・・・・?」というイメージだった記憶があるが、
商店街の手作り感や町並みが気に入っていて何度か足を運んでいる。

久々の境港だが、新語・流行語大賞に選ばれても、以前とそんなに変わらない印象だ。
(町の様子はライター上杉さんの記事『妖怪が住む町、境港に行ってきた』でも紹介されています。)

前に来た時と変わったところと言えば、新年を迎える装いになっている点だろうか。
水木しげるロードに並んでいる139体のブロンズ像全てに正月用のしめ飾りが掛かっていた。

この3日前に水木ロード振興会の方々や妖怪の着ぐるみ達によって取り付けられたらしい。


「2011年はゲゲゲのウサギ年」という看板。
以前、2008年5月に来たときにも干支看板(その時は「ねずみ男のねずみ年」)がこの場所にあったので、もしかすると1年中このままなのかもしれない。

駅を出てすぐ居る3体。

しめ飾りの首飾り
とにかくどの妖怪にも掛かってる

丁度この日、境港の商店街のアーケードで『ありがとう ゲゲゲの年 2010 〜水木しげるロード大感謝祭〜』が行われ、妖怪達がパレードする、という行事があったらしい。

・・・・と知った時にはもう終わっていた。

餅まきもカニ汁のふるまいも終わった後、
妖怪そっくりコンテストの歴代受賞者たちも帰った後だった。

しまった・・・・。無計画にフラッと来すぎたか。



このイベントの人たちが来てたのか
受賞者は全国各地から参加してるようだ

せっかく来たのに(実家からの所要時間は車で40分ぐらいです)、イベントを見逃して悔しいので、もし近々また別のイベントがあるのならもう一度来よう。

次のイベントは何だろう、と調べてみたら『妖怪初詣』という毎年正月三が日の恒例行事があるらしい。
よし、その行事こそ見に行こう!

 

そして新年、妖怪初詣を見に行く

明けて2011年1月3日。妖怪初詣の時間をサイトで調べ、再び境港へ降り立った。
だが、到着した途端に雨が降り出し、だんだん雨脚も強まってきた。積もっていた雪が溶けかけている中、土砂降りの雨で足場は最悪。

これ・・・・妖怪達無理なんじゃないか・・・・と不安になる。


雨脚がどんどん強まる中、参拝するはずの妖怪神社には誰も居ない・・・

あまりに人が居ない上に、初詣の気配すらないので、上の写真の撮影を頼んだ通りすがりの町内の方に尋ねてみたところ、

「無理無理!」
「元旦の来客数なんて33人だったよ」 というこたえが即座に返ってきた。

大晦日から元旦にかけて山陰地方では例年の積雪量を大幅に上回る量の雪が積もり、観光客の客足にもかなり影響が及んだようだ。

あー、またもやイベント逃したか・・・!! とガッカリしていると
「寒いでしょ。お茶入れてあげるよ。」と
偶然近くに居た奈良からの観光客という二人連れと一緒に商店に案内された。

「家業を継続しつつ傍らで鬼太郎」


ここで暖まりなさい、ということに。えっ、お茶ですか!?いいんですか!?

店内に入ると、「この人たちにお茶入れてあげてよ」と店の人に告げて出て行ってしまった。

あぁ、ここの人じゃなかったんですね。

そしてせっかくなので遠慮なくお茶を頂く。


あぁ・・・・ 茶が美味い・・・・・ (テレビでやってるのは箱根駅伝)

ところでこのお店、独自で手作りグッズを作って販売されているようだ。
お茶を頂いているのはその作業机で、その横の作業スペースにも作りかけの妖怪が置いてある。


ドンと置かれているサラリーマンの顔(左上)と作りかけの妖怪たち(右下)

目玉おやじも生産中

作業机にはいっぱいメッセージが残っていた
感謝のメッセージとイラスト

このお店、元々は電気屋さんだったそうで、水木しげるロードが出来た初期の頃、妖怪にあやかった商売をしている店がまだごくごく少数だった頃にグッズ販売を始めたのだそうだ。

その後、妖怪グッズ販売を行う店舗が徐々に増加し、他店舗との差を出すためにグッズの製造をおこなうようになった、と話してくれたのはお店の奥さん。

店長であるご主人はこの時電気修理に出掛けていて不在だった。


ずらっと並ぶ手作り作品。奥(写真左)へ入っていくと市販グッズも販売してた。

90年代末期のプリクラ機とようかいポスト。このポストに投函すると鬼太郎の消印が押してもらえるのだそう。

店内に置いてあった冊子が気になった。漁港も妖怪もアピール出来ていいなぁ境港。
あー、刺身とかてんぷらとか

写真撮影をお願いした流れで偶然お邪魔することになった『手作りグッズの店 妖怪ショップゲゲゲ』(野々村電機工業)さん、どうも有難うございました。また伺います。

それはそうと、このように「元々の家業を継続しつつ傍らで鬼太郎」というパターンは、今回お邪魔したお店以外にもこの町内には多いようだ。


「LPガス・灯油・ガス器具・流し台・風呂・鬼太郎グッズ」って絶対ここ以外にないと思う

次はこの近辺をぶらりと歩いてみる >
 

 
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