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はっけんの水曜日
 
帰省の東京みやげは何がいいのか


観光施設は開いているんだろうか

愛媛県松山市に元日に滞在することになった(→この企画で)。
松山ははじめて行く町で、なかなかよいところだという評判を聞く。
せっかくなので観光したいと思ったのだが、一般的にお店や施設など、1月1日は休業しているイメージがある。
もし開いていなかったら、観光地を回っても、玄関先から建物を眺めるだけの残念な観光旅行になってしまいそうだ。

はたして、元日に観光は可能なのだろうか。

工藤 考浩



ガイドブックを参考に

観光地といっても、松山の名所をよく知らないのでガイドブックを買った。
いつも出かける時はネット検索で済ませてしまうので、旅行のガイドブックは久しぶりに買ったが、あたりまえだけど情報がまとまっていて便利だ。
検索にかける時間を数百円で買うと思うと、高い物ではない。


観光情報がぎっしり


寝坊する

いざ観光!と早起きするつもりだったのだが、前日の生ラジオでけっこう体力を消耗していたらしく、チェックアウト時間のギリギリまで寝てしまった。


ビジネスホテルの朝食。元旦なのでお雑煮くらい出るかと思っていたらかなり質素だった
さすが愛媛、お飾りのミカンまでうまそう

松山城ロープウエイへ

最初にやってきたのは松山城だ。
ここにはロープウエイがある。
元日で営業していなかったら城を見ずに別のスポットへ移動しよう。


あ、営業している

大賑わいでした

ところが、ロープウエイは営業していた。
しかもかなりの人出だ。
このとなりに神社があり、初詣帰りに松山城を見物する人が多いようだ。
周りの人の話を聞いていると、どうやら地元の人が多いらしく、帰省している親戚を連れてやって来た、という感じの人も見られた。


チケットを買うのにも行列ができていた
ゴンドラは満員
ポスターで見たアングルで写真を撮ってみた
やっぱり登っちゃう人がいるんだろうな

普通に観光してしまった

もしかして日本には正月に城を見るという風習があるのだろうか、と思ってしまうほど、松山城は賑わっていた。
それにつられて僕も普通に城見物をしてしまった。


消火ホースがちょっとかっこいい
帰りはリフトに乗ってみた。下りのリフトって楽しい

繁華街は

城は賑わっていたが、市街地はどうだろうと向かってみた。
三越デパートや商店などは閉まっていたが、ファーストフードチェーンは営業していて、それほど閑散としているわけではなかった。
最近は元日に初売りをする店も多いようで、静かな正月という感じではないのか。


そこそこ人が歩いている
から揚げと生ビールの店は閉まっていて残念無念

これが食べたい

ガイドブックの魅力といえば、おいしそうなグルメ記事だろう。
パラパラとめくっていたら、道後温泉においしそうな海鮮丼を見つけた。
大晦日の夜は、番組中に食べたぬるい年越しそばと、ホテルへ戻る途中にコンビニで買ったおでんだったので、ちょっと贅沢だけどごちそうが食べたい。
でも、ガイドブックに載っているこのお店、元日は営業しているだろうか。


はたしてこれが食えるのか

ビバ! 路面電車

松山には路面電車が走っている。
路面電車のある町は楽しい。
特に松山の路面電車は車両が古くて味わいがあるらしい。
有名な「坊ちゃん列車」も運行されているが、あれはレプリカなので普通の車両に乗ることにした。


偶然伊予鉄道で一番古い1951年製の車両に乗れた
内装はほんものの木

道後温泉も大賑わい

海鮮丼を食べるべく、道後温泉にやってきた。
そしてここも人出が多く、盆と正月がいっしょに来たみたいなにぎわいだ。


予想以上の賑わい

温泉は入れず

道後温泉といえば「道後温泉本館」が有名だ。
僕も東武ワールドスクエアでミニチュアを見たことがある。
本当は初風呂を浴びたいところだが、今朝寝坊をしてしまったのと、松山城をうっかりじっくり見学してしまったので、時間がない。
非常に残念だ。


人がとぎれることなく
こういうのはできればやめてほしい

海鮮丼

ガイドブックの地図をたよりにお店を探したところ、元日にもかかわらず営業していた。
開いていなくてがっかりすることを覚悟していたので、がっかりできなくてがっかりだ。


なんかガイドブックの写真よりも豪華じゃないか

とろろかけ海鮮丼

店内のメニューが「お正月メニュー」になっていたので、もしかしたら海鮮丼はないのでは、と心配したが、きちんとメニューに載っていた。
ガイドブックの写真では普通の海鮮丼だったが、お店で出てきたのは、卵ととろろをかけて食べるという、豪華な物だった。
とろろかけの海鮮丼は初めて食べたが、とてもおいしかった。
これはまた食べたいので、都内でこれを出している店がないか知りたい。
と思ったら昔ガストで出していたのか。


いくらととろろはよくあうことが判明
メニューはお正月モード

子規記念博物館

ここまで順調に観光を進めてしまっている。
それはそれで楽しくていいのだが、普通に観光できちゃうと記事としては問題がある。
というわけで、元日にやっていなさそうなところを攻めてみよう。


市立の博物館は休んでいるだろう

そこで「子規記念博物館」という俳人正岡子規の博物館へ向かった。
ここは市立の博物館なので、正月は休んでいるんじゃないだろうか。

子規記念博物館
あ、開いてる

ここも開館

ショックだ。
子規博物館もまさかの開館。
思わず「カ・イ・カン」と薬師丸ひろ子のようにつぶやいてしまった。
いやそれはうそだが、企画趣旨を揺るがす状況にあせってしまった。
さらにショックなことに、開館しているにもかかわらず、僕には見学する時間がないのだ。
帰りの飛行機を予約済みで、それまでにひととおり観光を済ませなればいけない。
当初は閉まっている施設ばかりだと思っていたので、じっくり観光をする時間を見こんでいなかったのだ。


カ・イ・カン

こんどこそ閉館してそうなところへ

困ったことになったなと、もう一度ガイドブックを開いたら、この近くに「湯築城資料館」なる施設があることがわかった。
こういうところなら閉館しているだろう。


湯築城の城址公園にある
閉まっててよかった

やっと閉館

よかった。
湯築城資料館は閉館していた。
これでやっとがっかりできる。


やったー、がっかりだ!
※湯築城資料館は人気がなかったので閉まっているのかと思ったら開館していたようです。

野球歴史資料館

なんだか当初と企画意図が変わってきている気がするが、まあよい。
湯築城資料館が休館で気をよくして向かったのは野球場「坊っちゃんスタジアム」に併設された野球歴史資料館だ。


立派な球場

ここも閉館

新春というとスポーツイベントが盛んだというイメージがあるので、ひょっとすると坊ちゃんスタジアムでも試合が開催されていたりはしないものかと思っていたが、ここは閑散としていた。
考えてみれば正月に野球はしないか。
そして当然のように併設の野球資料館も閉館していた。


顔ハメみたいな絵が飾られた野球歴史資料館
閉館中

いちばん行きたかった伊丹十三記念館

そして最後に向かったのは伊丹十三記念館だ。
僕は伊丹十三の映画が好きで、監督した作品は全部見ている。
その記念館だから、とても楽しみにしていた。
最近ではそうでもないが、「お正月といえば映画」という時代もあったので、もしかしたら開館しているのではないか、と今回は本気で期待している。


やっててほしい伊丹十三記念館

が、閉館

やってませんでした

しかし伊丹十三記念館も閉館していた。
率直に言うと、僕にとっては城などどうでもよく、この伊丹十三記念館を見学したかったので悲しい。
こんどはプライベートで来よう。


超メジャー観光施設なら観光できる

松山を例に元日観光をしてみたが、結論としては有名な観光スポットではそれなりに観光できるが、すこし毛色の変わったところは休みのところが多い、ということになった。
要するに、開けておいてお金が儲かるところは元日でもなんでも営業している、ということだろう。
あと、事前にやっているかどうか調べておくというのも大切だ。

松山空港のレストラン街は通常営業


 
 

 

 
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