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土曜ワイド工場
 
外国人にあだ名をつけてもらう


インスピレーションをユーズしたニックネームをプリーズギブミー

思えば私が今までつけられてきたあだ名は小魚やおこづかいといった非公認も含めると10個余りある。
そのうち公認で、一番多くの人に長いこと呼ばれているものは「カズキ」だ。(名字が小堺だから)

そんなに支持されているのなら、それは日本のあだ名として認めようじゃないか。では他の国だったら?果たして私はどんな風に呼ばれていたのだろうか。

という訳で今回は、色んな国の人にあだ名をつけて貰いに行ってきました。

小堺 丸子



スズキとかは無し

友人の彼氏のカナダ人に「スズキおしん」という名前をつけられた事がある。(彼曰く:スズキ→カズキより覚えやすいから。おしん→ドラマのおしんに似てるから)しかし今回はそういった日本ぽい名ではなく現地の、その国の名前をつけて貰いたいと思う。

ちなみにその彼の事を私はオナラと呼んでいる。オナラをよくするから。はい、非常にどうでもいい情報でしたね。


早くも正月モードの観光スポット、浅草にやってきました

ところで皆さんは見ず知らずの外国人に、英語もできないのに非日常的なお願いごとをした事があるだろうか。
私はある。

デイリー道場への投稿時代、外国人を捕まえて「有名な作曲家3人の絵を描いてください」とお願いして回ったのだ。(こちら)この時の緊張と怪しまれ具合は中々なもので汗かき苦労した。


その時イタリア人に書いて貰った絵

この当時の教訓から学び、今回は無謀な事はしない。英語のできる知人に付き合ってもらい、さらに、怪しまれ防止の為あらかじめ英語の質問を書いたスケッチブックを持つ事にした。


今回は完璧だ(通訳でお世話になった亀山さん)
間違えてハテナを書いてしまった所はハートにして誤魔化した

訳すと「あなたの国のあだ名を私につけてください。直感で」みたいな感じだ。ちょっと意味が伝わらない書き方をしてしまったかもしれないが、そこは会話でフォロー予定(亀山さんが)。

 

インタビュー開始

先に書いてしまうが、今回は亀山さんとスケッチブックのお陰でもの凄くスムーズに事が進んだ。「同じ失敗は二度としない女」というあだ名をつけてもらってもいいかもしれない。

ではまずはイタリアと背中に書いてアピールする彼女から。


イタリア人は優しいイメージだからきっと大丈夫
アイルランド人でした(ペンを渡してるところ)

結ばれたおみくじをボンヤリと眺めていた彼女はイタリア人ではなくアイルランド人だった。

意味はすぐに通じたようで、あだ名をイメージする為か私の顔をサングラス越しに見つめてきた。私は良く見られようと満面の作り笑顔で見返す。

そして、私が差し出したメモ帳に書いたあだ名第一号は・・


バニーですってよ!

可愛いから。ウサギみたいに可愛いから。
そんな事を言っていました。
アイルランド人も優しいんだな。

ちなみに私の高校時代のあだ名はウルフだったんですが、ずいぶん可愛くなりましたよね。

お気に入り度 ★★

名前自体は恥ずかしいが、快く書いてくれたし来年は兎年だし縁起の良い出だしと言えるかもしれない。
こんな感じで一気に紹介していきたいと思います。


お次は東南アジア系の風貌の3人組


マイケルジャクソン似の人を含むマレーシア人グループ
マイケルに負けじと異常に白く写る私

3人で楽しげにああだこうだ話していたがよく聞き取れなかった。「マルヤマ」「カンボジア」「ボロボロ」と聞こえたが気のせいだったようで、「マラティ」という可愛い響きの名前をつけてくれた。


マラティ

意味は花の名前だと言う。家に帰って画像検索をしたところ、まっ白いジャスミンの花だった。やはり太陽に当たった顔が真っ白だったからだろうか。でも何だか綺麗な名前で素敵じゃないか。とても気に入った。

お気に入り度 ★★★★★

 

お次は金髪が鮮やかなカップル


オーストラリア人のカップルだった
あれでええんちゃう?

最初は彼氏の方がちょっと離れて様子を伺っていたのだが、う〜んと真剣に考え込んでしまった彼女を助けるように、若干投げやり気味に彼氏が「ベッキー」と答えた。


ベッキー

理由は「ラブリー&スイートな友達に似てるから」と言っていた。
本当だろうか。

中学時代は「トオルさん」という男らしいあだ名をつけられていた私だがずいぶん変わりましたよね。

お気に入り度 ★

 

お次は落ち着いた知的な感じのカップル


またオーストラリア人だった
これでええやろ

これまた女性が考えあぐねていたが、結局彼氏の方が筆をとった。書いたのはルーシー。理由を聞くと、これまたそういう名前の友達に雰囲気が似ているという。


ルーシー

オーストラリアには私に雰囲気の似たベッキーとルーシーという女性がいる事が判明した。今頃ニヤニヤしながら外国人に声をかけているだろうか。2人とも幸せであってほしい。

お気に入り度 ★
(ベッキーもルーシーも、英語の教科書に出てきそうないかにも外国人の名前。The日本顔の私にとっては違和感大なので評価が低めとなってます)

 

お次はニコニコ笑顔で歩いていたカップル


アルジェリア人カップル。凄く好意的だった
えーとアナタはねぇ〜え

ミステリアス

体をクネクネしながら、私の全身を見つつ3分くらい悩んで彼氏がつけてくれたのは「ミステリアス」。神秘的でつかみどころがない、何かを隠しているように見えると言っていた。

たった数分なのに私の事をよく分かっているじゃないか!いや、分かってないのか。

お気に入り度 ★★★★


ここから一緒に記念撮影することにしました

次はお寺から出てきた凸凹カップル


メキシコ人と日本人のカップルだった
なんだろね〜 (本当に言ってます)

優しげなメキシコ人の彼はノンビリ調子の日本語で「何にするかな〜」と迷っていた。すると判断が早そうな彼女の方が「チキータ!」と決めてしまった。ああそうだねえと彼氏。


チキータ
友人達も入るように言われて皆で撮った

チキータとは小さいという意味だ。見たまんまであるが、思わず口に出したくなる発音でまあまあ気に入った。ABBAの歌にもチキータってありましたね。

ちなみに友達はフラッカ(細いという意味)、マルガリータ(マーガレットの花)と名づけられていた。

お気に入り度 ★★★

 

東アジアの人いないかなーと探して声をかけた4人組


中国系カナダ人でした(手前の人)
彼女には中国語で書いてもらう

中国人ぽいなと思って話しかけたら4人中2人が中国系カナダ人。せっかくなのでカナダと中国の両方のあだ名を書いて貰う


英語だとキティ 中国語は小猫と書いてシャオマオ
こう見ると自分て本当に小さいなあ・・

あまり悩まれる事なくキティとつけられた。

まさか自分がキティちゃんと呼ばれる日が来るなんてね。とりあえず皆、私を小さいと思うわけですね。

お気に入り度 ★★

 

お次は、一見怖そうだが立派なカメラを持っているのでそういう人に怖い人はいないと踏んで声をかけた彼


話しかけたら可愛いスマイルを見せてくれた。フランス人
英語と日本語交えて詳しく説明してくれた

ちょっとだけ日本語が分かるフランス人の彼が最初につけてくれたのは「Blacky」だった。コートと髪の色から連想したらしい。しかしちょっと会話をしているうちにイメージが変わったか、「ヴァーヴ ノアハッ」に変更。(発音難しかった)


ヴァーヴ ノアハッ
自然と肩に手を乗せるあたりが西洋人だなと思う

意味を聞いたら蜘蛛の種類らしい。英語名はBlack widow(黒い未亡人)。なんでかフランス人が言うとかっこよく感じるが、家に帰って調べてみたら「小型の毒蜘蛛の一種」と出た。

初めて会う人に毒蜘蛛と呼ばれるのは複雑な気持ちだ。

お気に入り度 ★★★ (発音がかっこいいから)

 

最後は仏像にきちんとお祈りをしていたファミリー

インド人かなと予想して近づいてみる。


スリランカ人ファミリーだった
うわ〜全く読めません

なんとも不思議な字。ハンシカとシャキラと書かれている
お母さんも子供達も凄く可愛かった。お父さんは・・・表情が読めない。

お母さんが筆をとってくれた。あまり迷うことなく象形文字のような全く読めない文字を描き「ハンシカ」と読んだ。白鳥という意味で、長女と同じ名前をくれたのだった。妹のシャキラは「美」という意味なのと言ってそちらも書いてくれた。

家族の名前をつけてくれるってけっこう嬉しい。お母さんと呼んでも良かっただろうか。

お気に入り度 ★★★★

 

(番外編)日本人にも聞いてみた

スムーズにこなしていたインタビューの途中でふと、私の事を知らない日本人は私に何とあだ名をつけるだろうかと思った。後ろを振り向くと、暇そうに足を屈伸しているおじさんがいたので声をかけてみることに。


100%暇ですよね?
「暇じゃないよ」

デジャブが起きた。

以前浅草で外国人に声をかけた時も、途中で日本人の暇そうなおじさんに声をかけたのだが「暇じゃない」と断られたのだ。

そうか、また同じ反応か、江戸っ子の癖に(たぶん)心が狭いなと思ったものだが今回の場合は「暇じゃない。・・・時間はあるけど」という答えであった。

屈伸で忙しいところ申し訳ないが中断してもらい、あだ名をつけてもらった。


「文字書き間違えたらごめんね」
あけみ・・・夜の女!

好きな人の名前ですか?と聞いてみると「俺が日本で一番好きなのはユウコちゃん」と言ってきた。奥さんですか?と聞くと「違う、名取裕子。2番は高島礼子、3番は吉永小百合」と止まらなくなった。

じゃあ「あけみ」は何番目なのか、なんでこの名前つけたのかと聞くと「5番目。昔行ったキャバクラの女の子」

・・・正直私も「あけみ」という名前を聞くと夜の女のイメージが浮かんでしまうのだが、本当にキャバクラの人から取ったとは・・・そういう訳でお気に入り度はゼロだ。


<まとめ>

今までのをまとめると以下のようになった。



自分が一番気に入ったのは響きから「マラティ」だった。そういえば丸子という自分の名前にもちょっと似ている。

総合的に言うと「小さい、白い」が私の印象だというのが分かった。しかし毒蜘蛛やらキャバクラの女の子やらと影の要素もある。
ということでうまくまとまらないので「ミステリアス」っていう事でいいかなと思う。

街で見かけたらそう呼んでください。
反応しなかったらごめんなさい。

実は外国人絡みの企画やりたかっただけ

喋る事さえクリアできれば外国人に声をかけるのはとても楽しい。それに、勝手な思い込みかもしれないが、日本に遊びに来ている外国人もきっと日本人との交流を楽しみにしていると思うのだ。

今回は通訳のお陰で怪しまれる事なく、声をかけたほとんどの外国人が楽しそうに相手をしてくれ、逆に記念にと一緒に写真を撮られる事もあった。

日本にいながらにして外国気分が味わえる今回みたいな企画をまた是非やりたいと思う。その時は勿論「プリーズコールミーミステリアス!」と言おうじゃないか。
いや、怪し過ぎるからやっぱ言わない。

声かけた人達にあげた人形焼。皆喜んでくれました。どこの国の人でもみんな甘いもの好きだよね。

 
 

 

 
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