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ひらめきの月曜日
 
お米以外をおにぎり化する


 

商品の入れ替えが激しいとされるコンビニでも、不動の人気を誇る食べ物、おにぎり。

片手で持って食べやすいという機能性に加え、中に入れる具やご飯の種類を変えることで、さまざまなバリエーションが作れるというのが特徴だろう。コロンとした形がかわいらしく、ビジュアル面での魅力もある。改めて考えると、かなり完成度が高い食べ物だ。 手軽なお米の食べ方であるおにぎり。そのよさを、お米以外にも拡張できないものだろうか。というわけで、身近な食べ物をおにぎり化してみたいと思う。

小野法師丸



主食系からデザートまでおにぎり化

お米以外をおにぎり化する今回の試み、まず実践してみるのはうどんだ。それそのものには強い味がなく、色も白いということで、お米に近い要素がある。


君には新しい人生を歩んでもらいたい

基本的には汁気と組み合わせて食べるうどん。そのため、持ち運びやすく手に持って食べられるおにぎりほど、気軽にどこでも食べられるわけではない。そんなうどんに、おにぎりとして生まれ変わってもらおう。


高密度に入れた方がうまくいく感じ
普通のおにぎりよりも長時間圧力をかける

とは言っても、おにぎりのよさのひとつは簡単に作れることでもあるので、うどんをおにぎり化するのも難しい話ではない。型に入れて、しばらく重しを乗せておくだけだ。

そして生まれたのが、こんな感じの転生うどんだ。


コンビニでも見たことないおにぎり

あ、おにぎり…と思ったあとに、なんか違うという感じがやってくる、うどんおにぎり。白と黒という色の構成は普通のおにぎりと同じだが、なんだかウネウネしている。


手に持つとおにぎり感アップ
頭が軽く混乱

予想外だったが、手にしてみるとおにぎり感がさらに増す。片手で持って手軽に食べられるというおにぎりの特長を体感したからだろうか。

口にしてみても、思っていた以上のおにぎり感。ツルツルとした麺類の食感がまるでないことで、うどんは気配を消す。そして海苔の香りがおにぎりっぽさを盛り上げる。

でも目で確かめるとやっぱり違う。そういう不思議感はあるのだが、トータルとしてはアリ、と感じるのも意外だった。ウケ狙い、かつそれなりにいけるというサプライズ弁当としても面白いかもしれない。


別バージョンも作ってみる
茶色い部分がめんつゆ成分

うどんおにぎりはもう一つ、片栗粉を溶いためんつゆを絡めて成型したバージョンも作ってみた。こちらは食べてみると、プレーンタイプよりもずっとうどん寄り。

めんつゆの味が絡むことで、いつものうどんを固形物として食べている感覚に陥った。こちらもまた人間の知覚を試すような食べ物だ。


他の麺類もエントリー

麺系として、日本そばと中華麺でも同様に作ってみよう。うどんより麺が細い分、少し違った印象のおにぎりになるのではないだろうか。


手に持ったときの変な感覚はうどんと共通
麺類はここまでかわいくなれる

それぞれやはり、見た目的には不思議な感じのものが生まれた。ウネウネ度がうどんよりアグレッシブだ。

そばおにぎりは、食べてみて「そば寿司」を思い出した。言われてみれば構成としてもほぼ同様。形こそ違うけれども、すでに似たような料理は存在したのだ。

一方、中華麺おにぎりは似た食べ物の心当たりがない。インスタント麺をふやかす前がこういう感じと言えばまあそうだが、こちらはすでに麺がやわらかくなっていて、このままかじることができる。変だ。

両方ともうどん同様、麺の食感は消えて、その分おにぎりに歩み寄っている食感だ。料理としてあり得なくはない、くらいの感じか。


サラダ系も攻めてみたい
おにぎり界のおしゃれさん


主食系はクリアしたとして、サラダ類も試してみたい。普通のグリーンサラダ的なものはなかなか難しそうなので、成型のしやすさを考慮してポテトサラダでやってみた。

もさもさとしたポテサラが、かわいくおすまししたようでもある。海苔は合わないと思って、さっとゆがいたほうれん草で代用した。見た目はまずまずのおにぎり感。

ただ、うどんの時と異なるのは、食べると全くおにぎり感がないということ。固まりになったポテサラをただかじっているだけという感じ。素材によって印象の変化の度合いは違うらしい。


ここからおにぎりへと昇華します
色合いはクリームソーダをイメージ

続いてはデザート編だ。見た目にもきれいなものをと思い、メロンソーダの粉末をゼラチンと溶いて固めてみた。メロンソーダおにぎりというわけだ。

キラキラした質感は期待通り。海苔の代わりはバニラエッセンスを混ぜて溶いた小麦粉を薄く焼いたもの。メロンソーダに浮かべるバニラアイスをまねてみた。


自分で作っても湧いてくるはてな感
しばらくプルプルさせて遊んだ

ゼラチンを多めに混ぜて固めにしたこともあって、持ちやすく仕上がった。ものすごくプルプルした物体が手の中にあるという状況に、なぜだか笑いがこみ上げてくる。

しばらく揺すって遊んだあとかじってみる。…これはおいしい。メロンソーダゼリーとしての味が基本的においしい。そこにプルプル遊べる楽しさが加わる。子供の弁当にでも入れたら、かなり喜ばれるんじゃないだろうか。


かわいいプリンおにぎり
でも手に持つと違和感

デザートとしてはもう一つ、プリンおにぎりも作ってみた。海苔代わりはココアを混ぜて焼いた小麦粉。

フォルムも色合いもかわいらしいのだが、それを口にしようと手にすると違和感が湧いてくる。口に入れる直前までは見た目からの印象でおにぎり感があるのに、実際に口に入れると完全にプリンで、その落差におかしな気持ちになる。

基本はおいしい。でもなんだか変な気分に。自分で作っておきながら、ちょっと騙されたようになるのが新鮮だ。

 

食べやすさとかわいらしさを他の食べ物でも応用しようと思って試した、お米以外のおにぎり化。確かにそれらも感じられたのだが、最も印象に残ったのは頭の中に浮かんでくるクエスチョンマークだった。

ゼリーおにぎりは一口かじってもやはりおにぎり然としている。それでいて食べると思いっきりゼリー。何回かじっても埋まらなかったそのギャップ。おにぎり化食品は、錯覚も味のうちなのかもしれない。


 
 

 

 
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