ドロ団子を鉄にする
試練を超えてドロ団子達はかなり硬くなっている。ここから更に鍛えていく。
熟成を終えたドロ団子を次は鉄にする。鉄にすると言っても一般用語で言うと、磨く。だ。
方法は指の腹でひたすらこする。割れないように、硬くなるように加減しながらこすっていく。すると次第に面が整い、黒く光り出す。この部分は、もう、鉄だ。
鉄にすると、鉄なのでもちろん強度も上がる。力加減を間違えたり、熟成が足りないと割れる可能性があるが、危険を冒しても高みを目指す。幸いにも全て割れずに鉄に出来た。
仕上げはさら砂
鉄にする事が出来たら、後は仕上げにさら砂で磨く。さら砂とは、さらさらの砂の事でこれの質で完成の見た目が変わる。
さら砂はなかなか無く、みんなそれぞれに独自のさら砂ポイントを持っている。本当に仲の良い友人でも教えられないような重要な情報だ。だが、今の僕にはそれは無い。さてどうするか。
そこで用意した道具を取り出した。あく取りだ。目の細かい網で 砂を漉し、必然的にさらさらの砂だけを取り出す。そして、それ で磨く。
と、そうまでした砂だったが、あんまり質が良くなかった。 ざらざらしてた。だがしょうがない、これで再度熟成にかける。 明日再度さら砂で磨けば完成だ。
別れもあれば出会いもある
表面の輝きこそ無いが、かなり硬く仕上がってきたドロ団子達、光る方に傾倒した、ちゃらちゃらしたドロ団子をやっつけてやろうぜ!と、仕上げに向かう。
今日で完成だ、胸躍らせて公園に向かう。さぁ、ドロ団子達、 磨いてや…あれっ!?
ドロ団子達は姿を消していた。肉食獣にやられてしまったのだろうか、野生の世界は厳しい。って、あー、これ、しょうがないけど、きっついなぁ。
ここでくよくよしてもいられない、再度土を集めて同じ手順で ドロ団子を作り直す。
新しい物も熟成を行うのだが、一度やられた場所は再度やられる可能性が非常に高い。天気予報を確認し、屋根は無いが安全そうな所にドロ団子を置いた。頼む、無事であってくれ。
二代目もさら砂磨きまで完了
再度夜を明かし、熟成後のドロ団子を迎えに行く。昨日の失踪が尾を引いて、不安でしょうがない。あるかな、あるかな、ドロ団子。
見事生き残っていたドロ団子。土はそこら中にいっぱいあるのに自分で丸めた土があるだけで凄く嬉しい。丸いドロバンザイ。
前のさら砂は良くなかったので違うさら砂を求める。目についたのは違うブランコの下。ベースもさら砂もブランコの下。大阪でドロ団子を作る場合は、ブランコが聖地だ。
二代目は完成
さら砂磨きまで出来、残るは仕上げの熟成のみ。前回はここでやられてしまったため、慎重を期したい。
安全を求めつつも、熟成のためには公園から離れる事は出来ない。 幸いにも天気予報は晴れ。植物が生い茂るメギ科の木の下に保管する事にした。
再度迫る完成の時。完成したドロ団子はそこにあるのか。今回無かったら、もう無理。出来ませんでした。ってこの記事が終わる。あってくれ。と、祈りながらみると、硬そうなドロ団子がそこにあった。
色々あったが、見事完成。かなりの硬度のドロ団子が出来上がった。コイツらが光ってるような奴らに負けるわけあるめぇ。実際に光るドロ団子と硬さ対決してみよう。