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フェティッシュの火曜日
 
ガラクタ組み立てキットを作る


Page.4 べたべたにする


グリスで金具をべたべた。その後ニベアで手もべたべた。
ニベアは手のグリスみたいなものだろう。両方導入。

べたべた地獄

工作キットでたまにあるグリスを塗れという指示も導入した。(もちろん塗る必要はない。)

金具がべたべたぬるぬるしてきたので、バランスをとるために、手の方もべたべたさせておきたい。

ということでニベアの導入だ。

プラモ?ううん、 そんなことよりあなたの肌荒れが心配。そんなメーカー(私)のやさしい気遣いを手に塗り込むのだ。


「グリスはまだよかったよ。錆止めとかさ、塗る意味はあるよね。」そう、そしてニベアだ!
「まあ乾燥した手でこういうのやるよりはね。…でも五人分くらいあるね」説明書には「ピンポン玉大を使え」というニベア使ったことのない人が書いた指示が

説明書ひとつめくるのにもこのザマである。そして今「ザマである」という言葉を用いたのはまちがいだった。


Page.5 石で打つ


水引きを石で打て、という人類未踏の作業
改良試行錯誤中。かりんとうを載せたらあわてる見た目になった。

原始の婚礼だ

さあ、旧おにぎりマシンまだまだ工作を追加しなければならない。

なぜかうちに水引が余っていたので、取り付けることにした。ねじも最初にやったので、次はなんだ?釘か。じゃあ、石で打とう。

こうして水引を石で打つという、石器時代の結婚式前夜みたいなことが工程に組み込まれた。

祝儀はどんぐり2つ?縁起悪いから黒曜石3つにしない?、みたいな前夜なんだろうな。


ニベアとグリスですべりながら、バックトゥ石器時代


Page.6 LANをつなぐ


電子工作の要素も取り入れよう、とLANにつなぐ。
序盤のリボンはここで役立つ。こういうのも伏線って感じで模型作りの楽しみだ。

IT風にかっこつけよう

ここらで工作にも次世代を、とLANケーブルを導入した。

おにぎりマシンの間にはさみこんで、もう片側はパソコンやモデムにつないでもらう。

パソコンとおにぎりマシン。ガラクタがギガビット単位で転送されていく。

そしてここで序盤のリボンが再登場。ゴミ袋にファンシーさという新たな基準をもちこんだ。


「会社のパソコンなんだけどな…」煙立てて暴走しはじめたらいいのに

ゴミ袋もリボンで飾られ、ちょっとした誕生日プレゼントのように


Page.7 隠して完成


布で覆って完成!所要時間は一時間でした。
パッケージの写真は完成品図だったんです

最後は覆ってしまえ

最後は布で覆って完成。裏地にこそいいもの使え、という江戸っ子気質を妄信し、あえて模様を裏にもってきた。

より地味な布をだらしなくかけて完成。

さあ、こんなものでもおもしろいのか!?というハードコア模型製作の結果がいよいよ出る。


布を裏返しにしてかけて完成です

完成おめでとうございます「う〜ん…(腑に落ちない声で)」

水洗いしてすぐ拭かされてた工藤さんの顔、暗かったもんな

「洗うまではすごい楽しかった」敗因はふざけすぎ

―ガラクタを再生するのはそんなにイヤなことではなかった。やるせなさみたいなのがもっとあるかと思ったけど、わりと楽しい。

あのガラクタっぷりでこの言葉を言わせたというのは、なかなか良い結果だ。模型はけっこうなんでも楽しい。

―何ができるんだろう?というワクワク感はよかった。何かができていく、何か作ってるって感じは楽しめた。

これから何ができるんだろう?そんなプラモ製作なんてなかなかできる体験ではない。模型化の試みはそんな副産物も与えてくれる。

また、もう一つの評価として、作業自体が楽しいかどうかもあるという。

―竹ひごやグリス塗るのも楽しかったんだけど、ニベアと水洗いするのは作業としても楽しめなかった。

なるほど、ニベアがプラモに入ってないわけである。

―そう、洗うまではすごい楽しかった。

工藤さんは洗ったことで「この作業は本当に意味がない」と実感したのだという。意味のない作業の指示。それは組み立て説明書というより、ただの嫌がらせ集だ。

洗うだけならもしかしたら何かあるのかと思ったけど、すぐ拭いてるよなあって。

お、だんだん出来上がってきたな〜って蓄積されてた思いが、裏切られて一気になくなった。非常にくやしい。

たしかに楽しませてくれるはずの説明書が、いやがらせしてくる裏切りといったらないだろう。悪夢だ。

とりあえず思ったのは、やはり模型は説明書が大事。安心や信用が組み立てにおいて大切なのだととりあえずは実感した。あとニベアはピンポン球くらい使わなくていいということも。

それとオリジナル模型を作るのはなかなか大変だったが、有意義だった。他人にお弁当を作ってあげるような感覚だろうか。

初めてデートする彼女が目を真っ赤にはらして「徹夜して作った」とオリジナル模型を持ってくる。そんなこともそのうちあるだろう。

いや、ないだろう。

いいかげんなことを言ってすいませんでした。


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