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フェティッシュの火曜日
 
駅の数が一番少ない一日乗車券って?


 

「一日乗車券」、それは旅先でのキラーアイテム。いや旅先でなくてもかなりワクワクさんだ。「東北地域乗り放題!」みたいなキップだと、乗らなくても路線図見ながら「こんなコース行けるよなー。いやこっちも?」と妄想させてくれる。たとえ鉄オタでなくても。選択肢=駅数が多ければ多いほどニヤニヤさせられるもんで。

では逆に「駅数が少ない一日乗車券」って、どのくらい少ないんだろう?それってなんかもったいない気がしそうなんだけど…ということで東京近辺で探してみました。

大坪ケムタ



駅数ひとケタも意外とある

あらためて調べてみると、JRにしろ私鉄にしろ思った以上に一日乗車券というのはどこも発売してる。それが駅の数ヒトケタの路線であっても。


たとえばお台場方面を走るりんかい線。
自販機でさっくり買えます。

全8駅。国際展示場ついでにフジテレビとか行きたい人向け。

こちらは東急世田谷線。三軒茶屋と下高井戸を繋ぎます。
こちらはイラスト付き。

世田谷線は10駅。神社とかボロ市とか回る時に。

りんかい線ならお台場方面の観光、世田谷線も世田谷区内の文化財なんて見る人も少なくない。8駅、10駅と駅の数は決して多くはないけれどたしかに使えそう。

しかしもっと少ない駅数の一日乗車券もあった。そのひとつが千葉県佐倉市のユーカリが丘線。以前ヨシダプロさんも記事にしているので見覚えある人もいるかもしれない。


全線でわずか6駅。フライ返しみたいな路線。

でもちゃんと一日乗車券はある。

同線が走る「ユーカリが丘」は人口15000人余のいわゆるニュータウン。立案の時点で不動産会社により全体の開発・整備が行われていて、この電車も不動産会社の経営。まるで都市全体を一社が経営してるかのよう。都市全体をカラダとするならば、この電車は血液のような。

ニュータウンだけに特別著名な観光地があるわけでもなく、そう一日券も使われてるわけではないようで、窓口で頼んだら駅員さんにあわてて用意していただきました。


同線を走るこあら号。ネーミングは当然ユーカリからですね。

電線がないので光景も広々。
そして乗り物といえば顔ハメ。

駅前は映画館なんかもありますが、ちょっと走るとこんなローカルな雰囲気に。

そういう特殊な環境もあってか、使用してる乗客はあくまでこの街の中の市民がほとんどのよう。それだけに駅名はすこぶるシンプルです。

公園。たしかに目の前は公園でしたが。
女子大。これについてはのちほど。

中学校。これまたストレートな。
流れでいえば井野さん家がありそう。

ちなみに「女子大」駅は、降りてみたらあったのは「セミナーハウス」。あとグラウンド。となりに小学校があったので駅名は「小学校」でいいのでは?とも思うけど、駅名で小学校中学校て面倒だしなあ。そんな由来か?

逆に「井野」駅は、ほかにめぼしいランドマーク的なものが駅前にぜんぜん見あたらず、地名の「井野」をつけるしかなかったんだなあ、という感が。「住宅前」ってつけるのもねえ。


まあ女子大ではある。
こっちでもいい気がするけども。

こちら井野駅前。誰もいない住宅街はどこか怖い。

またニュータウンということで定期的に若い家族が加わるというユーカリが丘、マイホームでデイリーポータルといえばアレですよ、大山さんが毎年書いている「浮かれ電飾」。取材に行ったのが昼だったので電飾具合は見れませんでしたが「街ごと電飾」な匂いが電車・駅周辺からも感じ取れました。夜見たかったなあ…。

駅看板まわりに星やら照明やら。
駅前に電車型照明が。

電車のフロントもクリスマス気分。
これは一体?電車の外だけども…。

上右写真は、ユーカリが丘線で短いトンネルが途中あるんですが、そこに入るとこんな電飾がピカピカーッと!小技効いてます。やっぱ冬は電飾ですね!

 

ぐるぐる見てるだけでも結構面白い

そして電飾といえば…というわけではないけれど。おそらく最少駅数の一日乗車券を発売してる路線もピカピカでおなじみなところだった。


同じ千葉でも浦安市へ。まーゴージャス。

浦安の電車といえば京葉線、そしてディズニーリゾートライン。

ピカピカの総本家ともいうべきこちらにあるリゾートライン、駅がわずか4駅!しかし1日乗車券どころか4日乗車券まで売っている。アジア最大級のアトラクションだけに各国からのお客さんも多いし、長期滞在者も多いんでしょうが。しかし1乗車が区間問わず250円で1日乗車券が650円だから3回乗れば元は取れる計算。ちなみに4日乗車券は1400円。

シンプルかつ実用的な駅配置。
持って帰って嬉しい乗車カード。

ディズニー内はいろいろ諸事情あって写真撮れないので、普段行かない「ベイサイドステーション」で降りてみた。オフィシャルホテルが集まってる地域、その数6ホテル。

ベイサイドステーション駅。

駅の周りにはヒルトンやら
シェラトンやら一流ホテルがずらり。

関東近辺在住だとこれらホテル界隈は無縁だけども、リゾートラインだけでなくバスもランド・シーと細かく行き来してる。ホント幻想に浸りきれる街ですねえ。京葉線もワンダーなデザインにすればいいのに。

もう夕方で遊んで帰る時間はないので帰りますか…と思ったら、ホテルの合間に懐かしい施設が!まだ取り壊されてなかったんだなあ。


東京ベイNKホール!バブルの残り香ですねえ。

2005年に閉鎖され、敷地は立入禁止。
当然告知ボードには何もなし。

1988年にオープンした時のこけら落としが松任谷由実「Delight Slight Light KISS」ツアー。時代を感じさせます…。その後も多くのライブが行われた同ホール、自分も初上京の時に格闘技の試合見に行ったんだよなあ。

当時はリゾートラインもなく(01年開通)、バス代を浮かすために寒風吹きすさぶ中を駅まで歩いた覚えが…。


探したらポスターが出てきた。96年かー。

けっこう格闘技の興業が打たれていたので、ディズニーランドに行った回数の数倍はここには行ってるはず。ある意味、バブルの遺跡がこんなスキマに残っているとは…。今も健在なら一日乗車券を買って、ディズニー見て格闘技観戦とか出来たのに!…強引に繋げてますが。

駅の数が少ないと割高なんじゃ?という気もしてましたが、やっぱり値段調整しててだいたい3回乗ればお得!って感じですね。年末年始にかけて上京される方は、東京の山とある私鉄情報チェックするのも難儀ですが、一日乗車券の使い方によっちゃ数百円くらい徳するかも。

ユーカリが丘で見た看板。ごちそうって良いジャンル名だ。

ぶらぶら写真撮るのにはいい

今回ユーカリが丘線とリゾートラインは実際きっぷ買ってふらふらしてみたわけですが、なんとなく写真撮りたいなー、て時にはいいですね。どちらもクリスマスムードだったので夜だとライトアップ面白いんだろなー。


 
 

 

 
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