先日石見神楽の取材で(→こちらの記事)島根に行った。 このあたりは歴史があるせいか、僕の目からするととてもめずらしい食べものがたくさんある。 赤てん、ぼてぼて茶、うずめ飯と、名前を聞いてもどんなものか想像できないものが多い。 なんだ、ぼてぼて茶って。うずめ飯ってなにをうずめているんだ。 それらの不思議な名物が、いったいどんなものなのか食べてきた。
(工藤 考浩)
江木の赤てん
以前フィッシュカツというのを徳島で食べたが(→こちら)、島根県は浜田名物の「赤てん」というのはどうやらそれと同じように、魚のすり身を揚げた食べ物らしい。
道の駅にも赤てん
徳島でもそうだったが、赤てんもここ浜田では地元の人がごく普通に食べているもののようだ。 戦後すぐくらいから広まりはじめ、子供のおやつや酒のツマミ、ご飯のおかずとして親しまれているということだ。 途中立ち寄った「道の駅」にも赤てんせんべいなるものが売られていた。
赤てんといえば江木の赤てん
「赤てん」というのは特定のお店が売っている食べものではなく、同様の物をいくつかの会社が販売しているらしい。 そんな中でも、いちばん有名なのが「江木の赤てん」と呼ばれる、江木蒲鉾店の赤てんだときいたので、お店に行ってみた。
赤てんだらけ
お店にはいると、ショーケースには青と赤の目に付くパッケージの「赤てん」がずらりと並んでいた。 他のカマボコも脇の方に並んではいるが、完全にメインは赤てんである。 センチメンタルジャーニーのときの松本伊代ちゃんとバックコーラスの二人くらいの関係で、赤てんがセンターにきている。
なうなう
赤てんのパッケージを見ると「江木なうなう赤てん」と書かれていた。 「なうなう」とはなんだ。 お店の方に伺うと、むかし「なうNOWスタジオ」というテレビ番組で紹介され、その時に出演者から名付けてもらったそうだ。 「なう」というと最近ではツイッターでブームの言葉だが、時代が赤てんについてきたということだろうか。
赤いのはトウガラシ
赤てんの特徴はその名のとおり赤いことだ。 この赤はトウガラシで、魚のすり身に練り込んである。 ただ、真っ赤というわけではなく、ほんのりと桜色で、なんともうまそうな色合いだ。
ピリ辛でウマ辛
肝心の味であるが、このトウガラシがポイントになっていて、とてもうまかった。 そんなに辛すぎず、魚の味の向こう側からピリッとトウガラシがやってくる感じで、酒のツマミには最高だ。 お店で買って、自宅に帰ってから食べたのだが、おいしくて写真を撮るのをまったく忘れたまま全部食べてしまった。