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はっけんの水曜日
 
山登りの第一歩は“日本一低い山”から始めたい

単独登頂に成功

さあ、1ページ目ではサンライズ瀬戸、2ページ目では怖げな肉屋の看板、3ページ目では露口茂まで引っ張り出して間をもたせてきたが、ついに御山の頂上である。

こんなに膝を伸ばして登れる山がかつてあっただろうか。
これまた唐突に現れる、石の道しるべ。

そのすぐ先に・・・あっ!もしかしてあれっ!

さっきの石碑ナメで、もしやもしやのあの柱を発見・・・4:3の画角に両者、収まりまくり!

頂上、こ、ここかー!高低差はついに体感せず。

「標高3.6m」は、いつどこで現れたのだろうか。裾の面積との兼ね合いで、3.6mという数字は雲散霧消したに違いなかった。天保山などのような、こんもりしたいわゆる「山」ではないが、明治の文献にはちゃんと自然の「山」として記録されているというからすごい。今風に言えば「山の自由度、ハンパない」だ。

とにかく、自身初の単独登頂に成功した。脈拍は正常、各数値もおおむね良好。登山歴の第一歩をここに印したのだった。


イヤッホウ!平たい!
そして証明書。こういう書類に弱い。30年前の「サウロロフスの皮膚触った証明@恐竜博」とかまだ持ってる。


10009人目の登頂者、惜しい!実に惜しい。

社務所で証明書をいただくが、ナンバリングの数字は「10009」。もう少し早く来ていれば・・・記念品がもらえたらしい。

山開きしてから5年3ヶ月で1万人。1年で約1900人、1日で5人、いや1ヶ月で160人ほどと考えれば、けっこう登山客が訪れているのではないか。証明書もらってない人もいるだろうし。

そうだ、500人超えたら国土地理院に申請という話はどうなったのかと思ったが、どうもまだ進んではないようだ。マスク姿で松原を激しくウォーキングするお婆ちゃんがいたので、この山知ってますか?と声をかけてみた。

「この山?しっとるヨ。台風のときねーここは水浸しになっとらんかったんで皆避難しに来よったんですわ。んでここ高いンちゃう?ってなって、山や!てことでね。あー、なんかそういう申請するって聞いたことあるわぁ。アンタどっから来たんねー?まーだいたい地元の人より市外や県外の人のほうがようしっとるしよう来よるわー。」

山として認定されてもビックリものだが、たとえ認定はまだ先でも、私みたいな旅行者に話す彼女の様子はすごく嬉しそうで、このきれいな松原とともに良き思い出となった。と、体力の余裕を残した登山だったのできれいに終わることとしたい。

「暴れて建物壊すから」ということでつながれちゃった神社の猫と、自由な黒猫が見送ってくれた。

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