純粋タイムアタック
語の定義に立ち返ると、そもそもタイムアタックってタイムを計ってやるものである。
別の日に、通勤経路のどこを何分で通ったか細かく記録しておいた。今日はそれがそのままゴーストになる。
ツライ
この方法、やってみると結構つらかった。
タイムがはっきりわかることで、ゴーストに追いつくために走らなきゃいけないからだ。
音声ゴーストのときは、道路を歩いているときなどで「勝ってるか負けてるかよくわからない」状態がよくあった。そういうあいまいさがないのだ。
電車をおり、乗換え。有楽町のせまい階段を全速力
遅れれば遅れるほど、どんどん走らねば追いつかなくなり、体力を消耗していく。出勤時にこれでは後の仕事に影響が出そうな勢い。
やっと乗車。39秒おくれ。けっこうがんばったけど4秒しか取り戻せてない!
僕の場合、通勤経路は電車が中心で、歩く時間はあまりながくない。その短い距離で遅れを取り戻さねばならないので、ほんとに全速力で走ることになる。
かわりに、電車に乗ったときの安心感たるや。「ここは急げないからしょうがないよね!」という言い訳とともに、一気に気が抜ける。
駅−会社間でかなり走ったのだが、最初の駅での遅れがけっきょく最後まで取り戻しきれず、ゴーストより8秒遅れでの到着となった。
それでも途中で40秒とか遅れてたことを考えたら、相当がんばったと思う。
というわけで、この方法はあまりおもしろくなかった。
・走るのツライ
・時間に追われて焦る。楽しむどころかストレスがたまる
・音声ゴーストは、敵がそこにいる「気配」をずっと感じてたのだけど、タイムはただの数字以上の存在感がない。
なんかゲームというよりトレーニングという感じ、たいへんストイックなやり方であった。
GPS競争
もう一つ、最近話題のスマートフォンを使った方法もある。ゴースト対決に最適なアプリを見つけたのだ。
使ったのは Private trainer というAndroid用のアプリ。ジョギング用のアプリなんだけど、GPSを使って自分の走りを記録しておくと、次回走るときに前回の走りを再現して表示できる(つまりゴースト)。
この方式のおもしろいところは、ゴーストがワープ航法を習得しているところだ。どういうことかというと、ゴーストが屋内に入るとGPSの電波が届かなくなり、その場で止まってしまう。それが次に地上に出た瞬間に、ワープして現れるのだ。
たとえば家からマンションを出るまでは屋内なので、電波がない。マンションを出た瞬間にワープして登場。それまでどちらが先行してるかは、あいまいな状態になっているのだ。
あとGPSの精度の関係でゴーストがたまにちょっと脇道にそれたりするのだが、それも「僕のことを見失ったのかも」みたいな人間味があっておもしろい。そしてその後すぐ追いついてくる。
やっぱり、この、相手が生きてる感じ。これがゴースト対決の面白さのキモではないか。
地下鉄は長距離ワープ
今回はエレベーターが早く着いたため、マンション出る時点で少しリード。電車にもスムーズに乗れた。
最寄駅から乗り換えの有楽町までは地下鉄なのだけど、この間はGPSが一切きかないブラインドゾーンである。音声ゴーストの時みたいな駅のアナウンスもないので、完全に相手の位置は読めない。
地上を走る電車に乗ると、こんどは目に見えて移動スピードが速くなるので、急にエキサイティングになってくる。差を詰めたり離したりしながら高速移動するピンを見ていると、映画のカーチェイスを見てるような感じ。
ほんとずっと見てしまう
黄色(現在地)が停車中に赤(ゴースト)に迫られ、ギリギリのところで発車し、逃げ切るようすを動画で(5倍速)
半駅ほどの差を開けて大森に到着、あとは会社まで悠々と…、と歩いていたら、ゴーストが大森駅に着いた途端、ものすごいスピードでこっちに近づいてくる。
そうだ、このゴーストは昨日、時間を計ってタイムアタックしたときに記録したので、終盤ものすごい走っていたのだった。
あれよあれよというまに追いつかれ、会社のあるビルにはほぼ同時に到着。
ちなみにこれ以上はGPSが届かないため、今日はオフィスまで行かずにここで終了。GPSを使ったゴーストの間奏としては、
・相手が生きてる感じがしておもしろい
・地下に潜ると相手の動きがわからなくなり、スリルがある
・それ以外の場所では相手の位置が正確にわかるので、安心感
これはこれでなかなかおもしろかった。
目が覚めます
3つのやり方を試したけど、個人的には、録音>GPS>タイム計測の順番でおもしろかった。
ただどれをとっても言えることは、スリリングなレース展開ですっごく目が覚める。会社で眠くて午前中の仕事が手につかない方、いちどお試しください。