秋の行楽シーズンも終盤。知ってる人は知ってるが、知らない人はぜんぜん知らない。そんなメジャー昇格目前ともいえる盛岡市の2軍的観光スポットに出かけたら、そこは魅力的なキャラたちで満ち溢れていた。
(櫻田 智也)
盛岡天満宮
岩手県の県庁所在地、盛岡市。北東北の代表的な観光地のひとつでもあり、盛岡三大麺(冷麺・じゃじゃ麺・わんこそば)は全国にその名を知られる存在だ。 と、まずは盛岡を持ち上げておいて、今回訪れるのは観光名所としてはそれほど広く知られていない、ある神社だ。
ここの境内に置かれた狛犬が秘かな人気を集めている。
デイリーポータルZ内の『ちょっと見てきて』や『写真ヒルズ』のコーナーにも投稿があり、見た人の心をつかむ狛犬であることがうかがえる。
盛岡の市街地からやや離れた場所にあるこの神社。そのユニークな狛犬が目的で訪れてみたのだが、なかなかどうして他のキャラ(と呼んでいいものか)も実力派揃いなのだった。
狛犬の人気ぶり
さて、この狛犬が地元で人気という一例をあげると、
盛岡市内の産直ショップでみつけた狛犬シール。とことん気の抜けた感じでそもそもまったく狛犬にみえないが、こんなふうにグッズになるほど地元では愛されているのだ。
ホヤもシールになっていたので、少なくともホヤと同じくらいの人気があると言える。
狛犬とご対面
境内へ入ると、ひっそりとしていて心地よい。すぐに気持ちが落ちつくのを感じた。
そして目的の狛犬は、阿吽の顔で、やはりひっそりと境内を見守っていた。
おじさんだ。狛犬というよりおじさんだ。 呪いで身体を犬に変えられた浜松の叔父さんだ。
あ、こっちは叔母さんでしたか。 ちくしょう、なんにせよ親近感わくぜ。
また横から見た曲線具合もイイのだ。
失いたくない物のために、失わなくちゃいけない物がある。 あの時わからなかった言葉が、今は心に沁みる。
他人にも自分にも厳しい叔父さんだが、お酒が入ると陽気な人だった。
天満宮オールスターズのご紹介
酔うとしつこい叔父さん。いつものことだが困りものだ。
いきなり登場した牛。 なかなかに覇気がない。一浪中の年下のイトコといった感じだ。
他人任せではなく、もっと主体性をもって頑張ってほしい。
あ、なんか悪そうなヤツ来た。
あ、語尾かわいい。
あ、急に語尾つけた。しかもかわいくない。
悪い狐たち(実際は悪くありません)に簡単にそそのかされる叔父さん。 タカシ、ピンチ! 一発免停もあり得るぞ!
「た、立花兄弟!!」 (もう少しこのノリがつづきます)
双子の立花兄弟。まさかアレか、アレなのか!?
いいのか? 『キャプテン翼』知ってる前提でいいのか!
あっ、またなんか変なの増えた。
カエルの跳躍りょくー(棒読み)。
よかった。よくわからないけど、とにかくスカイラブハリケーンを止めるだなんて森崎くんすごい。ほんとスゴ……
拷問!!
ちょっと待って待って。スカイラブハリケーン待って。 たいへん、森崎くん大変。 すごいから、森崎くんの虐待されっぷりすごいから。
古池に飛び込んだカエルがなぜこんなハメに。 立て札には、「建立に至った動機は定かでない」の記述が。
「太陽がまぶしかったから」 カミュの『異邦人』の一節を思い起こしつつ、気がつけば森崎くんの写真ばかり撮っていた。
誰か布を! せめてお尻を隠す布を!
マジすかイイんすか森崎先輩! 見ます、俺、見ます。 穴がもう1個あくくらい見尽くしますよ!
いかがだったろう、盛岡天満宮の愉快な仲間たち。 もし訪れてみたいという方がいたら、車で行く場合には駐車場がわかりづらいので気をつけていただきたい。とくに目立った案内など無かったので、近所の人に訊ねるのが一番いいと思う。 神社は小高い丘の上にあり、途中にはブランコと滑り台がある。 市内には似た名前で「盛岡八幡宮」という大きな神社もあるので、遠方からの訪問客は合わせて注意されたい。