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フェティッシュの火曜日
 
あらためてスーパーの雑誌コーナーをよく見てみる


 

子供のころ、スーパーに母親に連れられていく機会が多かった。子供にとってはお菓子コーナーくらいしか楽しみがない…のだけど、本読むのが好きだっただけに雑誌コーナーもよく行ってたものだ。同じような環境の子が多いのか、立ち読みされまくって紙折れまくったりしてんだよな。

しかし、考えてみるとスーパーの雑誌コーナーってセレクトが特殊だよなあ。子供向けと主婦向けしかない、ような、そんな覚えが。あらためてそのラインナップ、あと地域別の違いを比べてみました。

大坪ケムタ



あらためてよく見ると4ジャンル+1

まずは自分が住んでいる埼玉県川口市を調べてみる。マンションが多いだけあってスーパーも多く、関東でも有数の安売激戦区とも呼ばれているこの街。本は安売りとは関係ないけれど、まあラインナップ充実アピールの一環として揃っていてもおかしくない。


鋳物の街として有名。マンションも全部鋳物製!(嘘)

まずはオーソドックスなところから攻めてみよう、ということで言うまでもなく日本を代表する大手スーパーの西友。それだけに雑誌コーナーも川口市周辺では最大クラス。でも普通のコンビニは少ない、というのがスーパーの本棚サイズ。

駅付近では一番でかいスーパーです。

大きかったといってもこれプラス右手にもう1棚。

さてスーパーの雑誌コーナーは独特…と繰り返し言ってますけどあらためてスーパー行かない人のために、どう独特か?を説明しましょう。ちょうどこの西友の本棚が分かりやすく4分割されていたことだし。

この後に行ったスーパーも基本的にはこの4ジャンルで占めているのが標準的なようです。


まずは生活情報誌系、特におかず本。
女性誌・テレビ情報誌を中心としたカルチャー系。

意外と幅が広いファッション誌系。
そして子供向け。こう見ると本のタイトルが分かりづらい。

コンビニに比べると、やはり「男性向け」というのが全くない。いわゆる実話誌、スポーツ、青年向け漫画、あと当然だけど18禁雑誌。ハッキリと女性向け、特に子供連れ主婦というターゲットが見えてきますね。

続いてこちらも駅の近くにある大手スーパー・マルエツの雑誌コーナーへ。こちらは同じビル内に本屋も図書館もあるので雑誌コーナーはあるのか?と思ったんですが…


駅から繋がってるので利用客に便利。
しっかりありました!ラインナップは…

西友よりファッション誌の幅がさらに広い。
この手の漫画も主婦向けジャンルですよねえ。

「女の仕返し」「ブス力検定」「ハズレ婚」…さっきの西友では気づかなかったけど、すごいパンチラインが並ぶこの手の漫画も主婦向けの1ジャンルですよねえ。ある意味女性向けの「実話ナックルズ」みたいなもんか。

そしてこのマルエツの雑誌コーナーで「そういえばスーパーの雑誌コーナーですごい割合である本」を思い出した。そういえばこの光景何百回と見てる気が。それが…


スーパーの雑誌コーナーといえば高島暦。

地元系スーパーのコモディイイダでも
やはり高島暦!平成23年版。

ちなみにこの高島暦って「暦」っていうだけに年末出ると思ってたら、8月とかに出てるんですね。高島暦もいろいろ種類があるんですが、置かれてあるのは「家庭暦」「運勢暦」といった占い的なもの。そう考えてあらためて本棚を見ると5番目のジャンルとして「占い系」というのがハッキリ浮かび上がってくる。

ファッション誌の下には細木先生の本。
運勢やまじない的な本は他にも。

西友にも細木先生。21世紀を占うのは私だ!
カラオケヒット曲のついでに風水も。

言うまでもなく定番の高島暦、しかしそれを凌駕する勢いで細木和子先生が肉薄!テレビに出なくなっても届くところには届いてるんですねえ。

高級住宅街+盛り場のスーパーはどうだ

さてこの5ジャンルがスーパー雑誌シーンの主軸なのはよくわかった。しかしこれは庶民の街・川口市でのお話。ではもっと高級な街ではどうだろう?


ということで成城学園前にやってきました。

駅前から漂う、そこはかとない高級住宅街のかほり。

田園調布と並ぶ高級住宅街である成城学園。芸能人や著名人が多く住むという…以上wikipedia調べ…。自分は東京生まれではないので理由まで知らなかったけど、10年も東京に住むと高級住宅街というイメージだけはぼんやり植え付けられてる。実際、この日あちこちの駅前で学生が募金活動してたのだけど、成城の学生はなんかセレブ感あったもんなあ。他が24時間テレビなら、ここだけアンジェリーナ・ジョリーのチャリティ的な。

そして同地にあるスーパーもやっぱり高級なかほり。チェーン系でもちょっと違うんだよなあ。デパートの地下っぽいというか。


高級食材で知られる成城石井。
駅ビルの中にある小田急。

俺の知ってるお総菜コーナーとは違う気がする…。

初めてのスーパーに行くと、ついついお総菜コーナーに足を向けてしまう揚げ物系男子の自分ですが、2店ともお総菜コーナーが豪華というか、「出来合い」という言葉より「完成品」て言葉が似合うような高級お総菜っぷり。そして何より…どちらも雑誌コーナーはナシ!

成城のマダームはスーパーでついでに雑誌買ったりはしないのかなあ?駅の上に本屋もあるし。でも、それを言えば川口駅のすぐ側に本屋も図書館もあったしなあ。

しかし成城の駅周辺をぶらついてるともうちょっと庶民的っぽいスーパーを発見。ここなら?


看板の「毎日が特売です!!」が信用できる。
フライの値段もこっち寄りだ!こっちってどこだ。

店の雰囲気や価格はかなり庶民寄りだったけども、ここでも雑誌コーナーはまたも見つからず…。川口市3打数3安打、成城学園3打数ノーヒット。雑誌コーナーの存在は何を暗示しているのだろうか…。

ではついでにもうひとつ!庶民の街、高級住宅街、そしてさらに「盛り場のスーパー」も覗いてみることに。それは新宿は歌舞伎町。昼だからそれほど盛ってはいませんが。


日曜昼だとこんなもんです。

居酒屋にホスト・キャバクラととにかく数えられないほどの飲食店がある歌舞伎町。それだけに店員が緊急時に買い出しに行けるような24時間スーパーもある。その中で有名なのが塩田屋というお店。

夜の歌舞伎町の重鎮。昼も開いてますというか24時間。

夜中でも酒が切れたらすぐ買える。
基本、夜のお店の業務用って感じの店です。

一般の人も入れますけど、ジュース一本買って帰るかって用途の店じゃない。行ったのが昼なのでお客さんぜんぜんいなかったけど、夜だとホストっぽい人が買い出しに来てたりして違う風景が見れます。それがまたいい風情で。

で、こちらにも雑誌コーナーがあるんですが、さすが歌舞伎町だけあってラインナップが違う。


パッと見ると女性誌系多くて普通のスーパーぽいんですが…。

実話ナックルズとかホスト向けファッション誌とか
あと夜のお店の求人雑誌も。

成城大学には雑誌コーナーすらなく、歌舞伎町にはこの手の雑誌が集まる…。そう考えるとスーパーの雑誌コーナーはその街の趣味や傾向をぼんやりと表してるのかもしれないなあ。そして高島暦から細木和子のように趣味の移り変わりなんかも。

大久保の韓国ストアは雑誌はないけど新聞は売ってました。

顧客特化型本屋、といいますか

歌舞伎町みたいな特殊な例はあるけど、スーパーは基本「主婦向け」。それだけに雑誌コーナーは「主婦に特化した本屋」とも言える。そういう「顧客特化型本屋」としては最大手だよなあ。東京ドームの近くに巨人の日は巨人本、プロレスの日はプロレス本ばかり前に出す本屋があるけれど、あれも似たようなもんか?


 
 

 

 
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