イリオモテヤマネコといえば、西表島にしか生息しない絶滅危惧種として世界的にも知られている。日本人ならまっさきに浮かぶ特別天然記念物と言ってもいいかもしれない。
西表島では、ヤマネコが車にひかれる事故が増えている。対策として設置された「とびだし注意」の看板を集めてみた。
(ほそいあや)
西表島には今、約100匹のヤマネコがいると推定されている。記録されてから今まで交通事故の犠牲となったのは49匹だそうだ。 ただでさえ稀少なのに車にひかれて死ぬケースが多いなんて…やるせない話だ。
島ではバリエーションに富んだ標識やポスターなどでドライバーに注意喚起している。
西表島は7割が山林で、県道は一本しかない。県道沿いでは多くの目撃情報がある。県道にはどの交通標識よりもヤマネコ注意の表示が多い。
まずこれらの標識の中から、ヤマネコと目が合うタイプのものを紹介したい。リアルなイラストが多く、実際遭遇したらこんな表情を浮かべるんだろうな、とわくわくする。
威嚇バージョンも実にいいですな。イリオモテヤマネコに遭遇する確率は低いけど、看板だけでもこんなに豊かな表情をみせてくれるなんてとても楽しい。
のぼりタイプのものは柔らかめのイラストだった。そんなに堅苦しく描かなくてもよいのだろう。
小学生の手づくりの看板が集中しているポイントがある。公民館の近くだったので、そこで作っているんだろう。
普通の注意看板は同じものが等間隔に現れるけど、このタイプは全部違う文句が書かれているのでじっくり見てしまう。いや、じっくり見たら危ないけど。
内容のわりにポップな印象。島の子供のヤマネコ愛を感じる。直筆のちからか。
雨の日が多かったので、ほとんどレンタカーで県道を走っていた。それなりにいろんな動物が見られて楽しかったけど、やっぱりヤマネコをこの目で見てみたい。
西表島には、絶滅危惧種の動物などを守るために設けられた「野生生物保護センター」がある。
「よん」は事故に遭って保護され、このセンターで人工飼育されている。このよんの姿をライブカメラで見ることができる。
今日は何してるだろう?と、滞在中数回よんを見に行った。もうすっかりヤマネコのとりこになってしまった。
絶滅危惧種だからというわけでなく、川に潜って上手に魚を捕ったり、カエルや蛇を頭からボリボリ食べちゃったり、名前の通りワイルドキャットなのに小さい体、丸っこい耳。ふらふらと車道に出てきていちいち危なっかしい。ギャップ萌えとも言いましょうか。
看板コレクションのつもりがヤマネコへの恋文になった
あえなかったけれど、次こそはあいたい。帰宅してから、飼い猫をヤマネコと思って今過ごしています(…なんていう事もなく、猫ならそれで充分なのだが)。 何はともあれ、西表島に行く際は「ヤマネコ飛び出し注意!」ですね。
同じく絶滅危惧種の特別天然記念物、カンムリワシは見ることができました。