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はっけんの水曜日
 
衣替え。揚げ物的な意味で


普通はサツマイモって言ったら天ぷらですよね。それを衣替え、と。

タイトルオチですが。こないだ遅くまで寝てたら、っていうか最近はもう毎日昼過ぎまで寝る生活をしておるのですが、僕が寝ている横でうちのカミさんが衣替えをしていましてね(コロンボ風)。

寝ぼけながら「ああ、衣替えかぁ」って思っていたんですよ。そしたら、「あっ!衣替えか!」って急に編集部の古賀さんみたいに思ったと(文章にあっ!ってよく出てくるんです)。

衣替えだ、衣替え!海老フライを衣替えして海老の天ぷら、ってそりゃ普通だわい、豚肉を天ぷらにしたらどうだ?おお、衣替えだ!と、ひとしきり興奮した後にネタメモにこう書いたんです。

「揚げ物で衣替え」

前説が内容の割に長くなりましたが、今日は揚げ物の衣替えについて考えていきたいと思います。

松本 圭司



色々材料を買ってきました。

すっかり説明してしまいましたが

はい、今日はサクサク進みますよ。揚げ物だけに。サクサクサク。

大体どういう話かはタイトルを見た時点で判っていただけたような気がするけど、万が一のために説明しておきますと、要は、あまりやらないフライとか天ぷらを作ってみようと。そういう話です。

ですから例えば、ハム天とか、サツマイモフライとか、トン天とかそういう感じのメニューを作って楽しみましょうと、そういう内容になります。

そこから、どうしてそれら衣替えメニューが広く作られないのかを考えたい、と。それが今回の狙いです。油で揚げれば大概美味いと思うでしょう?違うんだな、それが。


右、天ぷらの衣、左、パン粉。違いはパン粉を付けるか付けないか。
コロッケの中身を作ります。面倒ですな。

 

コロッケの衣替えは、コロッケ天

名詞+天って、神様の名前みたいですね。帝釈天とか弁財天とか。ええい、バチ当たりな。

コロッケの中身のフニャフニャしたそれに天ぷらの衣を付けるのも大変だったけど、揚げるのもちょっと難しかった。っていうか穴が開いた。穴から油が入ってきて中身を侵蝕してしまって気付いたら治療しないで放っておいた虫歯みたいになってしまった。


普通のコロッケもちょっといびつで、僕の料理スキルが実は低いことが露呈。

悲しきかな穴。

これはこれで美味いがパン粉の方がよい

コロッケ天のお味はというと、中身に味の素をたくさん入れたので中身は美味い。実家の近所に「黒川」って肉屋があってそこのコロッケが美味しいんだけど、かなり近い味になった。なんだ、味の素の味だったのか、あれ。

中身はともかく衣だ。衣はやっぱりパン粉の方がいい。なぜって、香ばしいしサクッとした食感もコロッケの中身と合っている。

また、パン粉コロッケでもコロッケ天でも、僕の脳が求めるのはソースでありソースにはやはりパン粉の衣が合う。

コロッケ天も絶対無理っていうほど不味くはないが、フライの味には負ける。ドラゴンボールで言ったら天津飯クラスの普通に美味レベル。

 

カキフライの衣替えは、カキ天

カキはカキフライで食べる事が多い。カキは絶対的に熱を加えた方が美味い。中でも牡蠣フライの味はただごとじゃない。この世で3番目に美味しい食べ物だと思う。ちなみに1位はWコンソメパンチ。2位は茹でウニ。

そんなカキをカキフライにせず天ぷらにしてみて食べて思ったのは、あ、食べたことあるわ、これ、だった。


食べたことあったカキ天。

これが美味いかどうかなんて愚問ですわ。

てんやで食べたことあった

なんでも片っ端から天ぷらにする事で定評のある「てんや」の冬天丼でカキの天ぷらが乗っていたことがあった。Webサイトを見たらちょうど今の秋天丼にカキの天ぷらが乗っている。

まぁいいか。てんやはてんやとして。

カキの天ぷらは塩で食べると最高。牡蠣本来の旨味と甘みを感じられる。海の香りも濃く感じてお得だ。牡蠣フライだとソース味になっちゃうけど、天ぷらの方は牡蠣の味がよくわかる。

カキ本来の味を感じたければカキ天ぷらを塩でいきたい。冷酒飲みたくなる味です。

 

トンカツの衣替えは、トン天

トン天だ。トンテン。擬音みたい。階段をトンテントンテンと登って受付氏にあいさつでおま、みたいな(わかんないか)。

普通、豚肉はあんまり天ぷらにしない。大分の鳥天を除けば肉類はあまり天ぷらにしない。けど衣替えと称して、ここは敢えてやってみた。


肉は薄めでござんす。厚いロースをカツにして食べると撮影に支障が出そうで。

熱い天つゆは天ぷらをアッサリさせる効果がありマース。

アリだけど胃にクル

ここでガッツリとトンカツを食べてしまうと、満腹になりすぎて撮影が出来なくなってしまうので(1日で撮ってますゆえ)、生姜焼き用の肉に衣を付けて揚げた。

肉が薄くてもカツはやはり美味い。ミラノ風カツレツって肉を叩いて薄くするので、大体雰囲気としてはそれに似ててお洒落な気さえしてくる。

一方の天ぷらは、これはこれで悪くないがやや油っぽさを強く感じてしまう。熱めの天つゆに付けて油を落として食べるといいが、やはり無理に天ぷらで食べる事も無いかな。

薬味も必要だなって思った。紅ショウガとかネギとか。


打ち合わせ後の居酒屋でいきなりの衣替え。

実はついこないだ店で食べた

さて、このトンテン。先日当サイトの打ち合わせに出た折り、「衣替えメニューをやりたい」なんつって発表してその後。居酒屋に飲みに行くことになりましてね。トンテントンテンと階段を登って入った居酒屋で頼んだメニューにあったんですよ。

テーブルに出てきて「あ、これ衣替えですね」なんつって。

甘辛いタレに甘めのマヨネーズソース、ネギのみじん切りが掛っていて和風で肉で濃いめの味付けがお酒に実によく合った。単に揚げただけじゃないのがプロの仕事ですよ。薬味とタレ、大事。

そういった工夫をすれば、トンテンもアリだと思いました。

 

ハムカツの衣替えは、ハム天

ハムカツが好きだ。気軽にサクっと食べられるハムカツが好きだ。ハムカツサンドが好きだ。パンとソース、ハムの香りがたまらない。厚い衣の下の薄いハムが好きだ。勢い余って歯がぶつかる。プレスハムの嘘くさい味が好きだ。安いハムほどうまい。ハムカツ!ハムカツ!ハムカツ!

よろしい、ならばハム天だ。なにがなんだか。


プレスハムが好きだ、なんて言っておいて普通のボンレスハムですが。

毎度お馴染みミルクパンで揚げております。フライと天ぷらを当時に揚げるというとんちきな状況。

全然アリですわ

こいつぁいいね。何が良いって、なんも付けずに食べると美味い。ハム自体に塩味が付いているので、なにも付けずに食べると味がちょうど良い。

そのままだと食べにくいので、ハムを小さく切ってあげるとか、かき揚げにするとか、そういった工夫をするとなおよい。

シンプルに油と衣と肉がうまいのでビールを飲みたくなったけど、前の晩っていうか朝まで飲んでてお酒は無理だったのでノンアルコールビールを飲んだ。

苦い炭酸とよく合うハム天でございました。

 

サツマイモ天の衣替えは、サツマイモフライ

これまではフライを衣替えして天ぷらに、というパターンだったけど今度は逆に、天ぷらをフライに衣替えのパターン。

結構なんでもフライになっちゃっててあんまり未開拓の衣替えが無かったんだけど、サツマイモの天ぷらはよくあるけどフライにはあまりしないなぁと思って揚げてみた。


そういえば無かった、サツマイモフライ。

悪くはない。だが、ソースとは合わない。

サツマイモとソースの相性をどう思うかだ

そのまま食べた感じではそう悪くはない。ほっこりしたサツマイモと油臭いパン粉の衣が食感的にも香り的にも味的にも新鮮で面白い。ただ、ソースを掛けてしまうと事情が変わる。サツマイモとソースが合わないのだ。ソースの香辛料とサツマイモの甘さがぶつかり合って喧嘩してしまうイメージ。天つゆで食べた方が良い。

サツマイモ天自体は悪くないのだが、掛けダレに工夫が必要だと思った。あと、同じ芋ならサツマイモよりも長イモの方がフライに合っていると思う。フライにする場合、中身の具は柔らかい方が良いようだ。サツマイモだと、衣も芋も固くて、全体的に固くなりすぎる。


フライと天ぷらの違いとは?

ここまで衣替えして思ったのだが、フライに合う食材と天ぷらに合う食材は一定の傾向がある。

フライに合う食材
・油っぽい(豚肉など)
・柔らかい(コロッケ、メンチなど)
・ソースに合う(サツマイモはソースに合わない)

天ぷらに合う食材
・淡泊な味(カキや白身魚など)
・衣が無くても形を保てるけど、柔らかめ(豆腐など)
・脂肪をあまり含まない(豚肉はNG)

フライでも天ぷらでもイケる食材の代表として海老を考えると、海老の天ぷらは芯が半生になるように揚げる。これは天ぷらの衣が淡い食感であるので、固く揚げてしまうと身が衣に勝ってしまうため。一方海老フライは芯まで揚げた方がうまい(個人的な嗜好かもしれんが)。

そこから新たな衣替えを考えてみる。豆腐のフライは・・・豆腐とソースの相性がいまいちか。チーズの天ぷらは・・・脂肪が多いな。野菜類はフライも天ぷらもやり尽くしてるし・・・。

と考えた末、こういうの作ってみました。

 

うずらの玉子フライの衣替えは、うずらの玉子天

淡泊で、適度に柔らかくて、脂肪が少なくて、フライでは普通にあるけど天ぷらでは未開拓。この条件に合う物をスーパーで探したらあった。うずらの玉子だ。

玉子は尖ってない方の底に軽く亀裂を入れて茹でると綺麗に殻が剥ける。こないだためしてガッテン!でやってた。その技を使って綺麗なうずらのゆで玉子が出来たので、串に刺して揚げてみた。


うずらの玉子はどう食べても美味しいんだけどね。

塩でも天つゆでもイケます。

バッチリです

うずらの玉子天を塩で食べてみる。アッサリして天ぷらの衣とぶつからない。黄身の柔らかい香りとコクがノンアルコールビールをぐいぐい飲ませる。天つゆでも美味い。

もちろんフライの方もよく知っている美味しさ。ソースとの相性もよい。この成功は衣替えがどうしたこうしたって話より、単にうずらの玉子が美味しくて、僕がうずらの玉子を大好きだって話のような気もする。

うずらの玉子、すごい。あと、ガッテンの技もすごいなぁ。

とんちきなものを作って食べるのは楽しい

今回は衣替えから天ぷらとフライについて考えてみました。色々衣替えしてみることで、なぜそれら衣替えメニューが無いのか、それぞれ定番のフライや天ぷらがあるのかが見えてきたと思います。よかったよかった。

撮影中、食べ物の匂いにつられてやってきた黒猫のなつめさん。長い。

料理は本とかクックパッドに載ってるのをその通りに作れば失敗しないけど、自分で適当に作ってみるのも面白い。面白い上に美味しかったら嬉しいので、実益もある。 みなさまにおかれましても、適当料理を頼んで作ってみてはいかがでしょうか。

余談ですが、僕は1年中Tシャツ+上着(パーカー、コート、ダウンジャケット、または無し)という格好なので衣類的には衣替えがありません。


 
 

 

 
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