最近、石の上でアイスクリームを作ってくれるお店を見かける(→このお店)。 注文をすると、お店の人が陽気な歌を歌い踊りながら、冷たい石の上でアイスクリームとトッピングを混ぜ混ぜし、お客の目の前で作ってくれるのだ。 僕もあれを食べてみたいのだが、できあがるのを待っているあいだに歌を歌われるのは、周りの視線が恥ずかしい。 僕はそういうお年頃(37歳)なのだ。 なので、自分で作ってみよう。
(工藤 考浩)
魔法のようだ
ふつう石の上というと、つらいことの例えになるような環境だが、そこでアイスクリームを作るという発想がすごいと思う。 アメリカではじまったお店のようだが、人気なのもうなずける。 たまに焼肉屋さんで岩盤焼きみたいに、熱い石の上で肉を焼いてくれる店はあるが、アイスだもんな。 しかも店員さんが歌いながら(→動画検索の結果)なんて、魔法の国の出来事のようだ。 でも、冷たい石さえあれば、アイスを作るだけだったら自分でもできそうな気がする。 下のような図式でやればいいのではないだろうか。
まず石を
アイスクリーム制作用の石としてまず頭に浮かんだのが、先ほどもふれた「岩盤焼」とか「溶岩焼」などといって焼き肉店で鉄板の代わりに使われている石だ。 あれを買おうと思ったのだが、値段が1万円位してしまう。 さすがにそこまでの出費はしたくないので、なにか代替えの石はないかとホームセンターに行った。
まずはガーデニングコーナーをみたのだが、どの石も表面がでこぼこしていて、大理石のようななめらかなものはない。 建材コーナーの、外壁用人工石もデコボコのものばかりで、これもダメそうだ。 ひょっとして、と思いさまよった調理器具コーナーに、比較的値段の手頃な石焼き風の焼肉板があって買いそうになったが、肉の油を落とすために表面がドーム状になっている。 これではアイスが流れてしまう可能性がある。 ここでそれに気づいた自分に、このサイトをやっていた成長を感じた。
キャンプ用の鉄板
何でもそろうホームセンターにもちょうど良さそうなアイスクリームストーンはなかった。 この際、石にこだわらなくても、板の上でアイスが作れればいいやということで、バーベキューで焼きそばなんかを作る鉄板を購入した。
そしてドライアイス
つづいてアイスづくりには欠かせない熱源、ドライアイスの入手だ。 たぶん本物は石の下に冷媒が走っているかなんかなのだろうけど、そんなのは作れないのでドライアイスが必要だ。 これは調べたらすぐに見つかった。 自宅の近所に氷屋さんがあって、そこで1キロ400円のドライアイスを2キロ購入。
余談だが、この氷屋のおばちゃん、冷凍庫から素手でドライアイスを取り出した。 驚いて聞くと、「ばばあになると平気になるのよ」と、きもちのいい江戸弁で答えてくれた。 道を極めるというのはこういうことだ。 ドーム型焼肉板を選ばなかったくらいで自信を持ってはいかんな、と思った。