長野県飯田市の山中に、隕石がぶつかってできたクレーターがあるという。 隕石衝突があったのは数万年前のことだそうだが、今の日本に落ちてきたら大変なことになる。 万が一の時どのような状況になるのか、すこしでも被害を減らすための参考になればと、実際にそのクレーターを見学してきた。
(工藤 考浩)
御池山クレーター
隕石衝突でできたクレーターは長野県飯田市の御池山(おいけやま)にある。 日本国内には他にも隕石衝突によるクレーターではないかといわれている場所がいくつかあるが、国際的に隕石衝突の証拠だとされる衝撃石英(PDFs)−隕石衝突の強い圧力で特殊な結晶構造になっている石英−が見つかっているのは日本で唯一、この御池山クレーターだけである。
世界に176個
国際的な隕石衝突痕のデータベース(Earth Impact Database)に登録されてるクレーターの数は世界中で176個だ。 僕はもっとたくさんあるのかと思っていたが、地球の表面は浸食が激しくて、形として残っているものは少ないのだそうだ。 そんな希少な隕石クレーターが、特に地形の変化が大きい日本で見つかるというのは奇跡のような話だ。
小学校の先生が発見
この御池山クレーターが隕石衝突の痕だという証拠を見つけたのは小学校の先生(現在は飯田市美術博物館の研究員)だという。 その論文が学会誌に掲載され、先ほど紹介したデータベースへの登録準備中ということだ。 (なので現段階ではまだ正式に認められてはいない。) 航空写真で見る限りでは、僕の目にはいわゆる「クレーター」という形には見えないのだが、でもいわれてみるとそうかな、という気もする。
まさにディープインパクト
飛んできた隕石は直径40〜50だというからけっこうでかい。 ガスタンクの倍近い大きさの玉が落ちてきたんだから大変だ。 衝突でできたクレーターの直径は900メートルほどで、現在40%が残っているそうだ。
山奥にあります
冒頭の地図で示したとおり、御池山クレーターは山の中にある。 それは僕も理解していたのだが、その山の中っぷりがなかなかすごかった。