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フェティッシュの火曜日
 
バッタはエビの味って本当?


揚げると赤くなる?

私は日本のバッタを食べたことがない。しかし以前、バッタを食べたことがあるという人に会った。どんな味か尋ねると、「エビですよあれは」と即答された。しかも「熱を加えると赤くなる」というのだ。 それ、エビそのものじゃないか。 秋空がぐんぐん高くなるこの季節、バッタを求めて河原に行ってきた。

ほそいあや



バッタを食べる国

バッタは昆虫食ではポピュラーな虫で、タイ、ラオス、メキシコなどで食べられている。この日本でもイナゴは一般的な食物なので、虫食に抵抗のある人でも比較的食べやすいと思う。虫食の入門編かもしれない。 これ以降の写真を見る事に抵抗ある人も、そんなに怖がらなくて大丈夫。多分。

 

河川敷に集合

都内の浅川の河川敷で、毎年「バッタ会」という会合が開かれている。主催は昆虫食でおなじみの内山昭一さん(注:リンク先に虫の写真があります)。


だだっぴろい河原にぴょんぴょんと何かが跳ねている。
捕獲に夢中になって川に落ちないようにしなければ。

 

網を持った集団、それが秘密結社「バッタ会」

いや、秘密結社でもなんでもなく、童心に帰って網を振り下ろす会である。狩人たちは各々のコンディションを整え、万全の体制で狩りに挑む。敵の俊足はなかなかあなどれないのだ。


荷物を置いたら狩猟スタート。

総勢30人が、ひとりふたりと原っぱの中に散らばっていく。

そこにいるのに近づくと逃げる。バッタのやつ・・・殺気を感じる能力が意外に高いな。

セミやその他の昆虫を捕るのにくらべて、駆けずり回る感じなので、わりと体力を使う。

動きがにぶくて捕りやすいけど、これはあまり食べないらしい。
これも食べられるらしいけれど、ハリガネムシが怖いので食べないでおこう。

バッタ、むずかしい

カマキリは素手でも捕りやすい。卵をはらんでいる時期はとってもクリーミーでおいしいとの情報もある。
カマキリやテントウムシはもとより、セミは木にとまって騒がしく鳴いているので見つけやすい。 一方バッタは一見どこにいるかわからず、そばを通ったときにパッと跳び上がる。しかも捕まえようとすると予想外の方向に羽を広げて飛んでいく。
「かわされた!」
その鮮やかな身のこなしが捕食者の闘争心に火をつける。 試行錯誤して駆けずり回ること20分。二,三人ではさみうちにして挑むのがよいという事がわかってきた。


とったぞー。

たしかに「童心に帰って網を振り下ろす」ことも楽しむ会なのだが、はさみうちをしておびき寄せたバッタを捕る役がやりたくて「やらせてやらせて!」と言ってしまうほどに子供になってしまった。思い返すとはずかしい。

よく見るとかわいい顔なので、あまり見てはいけない。見ちゃだめだ・・。

コツをつかんで順調に捕っていく。なんだかすごく楽しくなってきた。この調子で食材を確保していこう。

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