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ロマンの木曜日
 
iPhoneで遊ぼう!地球宝探しゲーム!


このiPhoneが、地球の宝を指し示す。

「ジオキャッシング」を知っているだろうか。
GPSを使ったゲームで、いわば「地球宝探し」といったところだろうか。
本来なら1万円以上するGPS受信機が必要なのだが、iPhoneがあればタダで遊べる。他に必要なのは紙とエンピツ、おもちゃ箱のガラクタだけだ。
さあ、この大地に宝を探しに行こう。

加藤まさゆき



ゲームの仕組みを説明します

まず、誰かが宝をこの地球のどこかに隠す。
そしてそのありかの緯度と経度を「ジオキャッシング」の公式サイトに登録する。プレイヤーはその登録された緯度と経度を見て、GPS受信機を片手にその宝を探す。ごく単純なゲームだ。


 

以前から興味があったのだが、このためにGPS受信機買うのもなあ……、と参加をためらっていた。安くても1万円以上する機械、そう簡単には買えない。
しかし先日、iPhoneを買った僕は驚いた。GPS受信をしつつ、緯度経度を表示してくれるアプリが無料でいくらでもダウンロードできるのだ。

現在地の緯度・経度データがリアルタイムで見られる!

これで憧れのジオキャッシングできるじゃん!
好奇心の炎が一気に燃え上がり、僕はジオキャッシングに挑戦した。

公式サイトでは、動画での説明も見られます。

英語でアカウント登録&宝の場所を検索

現在、ジオキャッシングの公式日本語ページは存在しない。パソコンを立ち上げ、英語のページを見ながらアカウントを登録することになるが、特に難しいことはない。知ってる英語はI love youの僕でも登録できた。
続いて、登録された宝のありかを調べる。
探したい地点の緯度・経度を公式サイトの宝検索に打ち込むと、その近くにある宝のありかが、グーグルマップ上に緯度・経度データとともに表示される。


今回利用したアプリ「GPSロガー」。無料。

ここからiPhoneが登場。
GPS測定アプリは、アプリストアにいくらでもある。僕はとりあえず「GPSロガー」という名前の無料アプリを使った。これに現在地の緯度・経度が表示されるので、それを見ながら目的の場所へと向かう。

まずは自宅の近くから探すのが手軽だろう。僕の住んでいるつくば市は外国人が多いせいか、60個前後と地方都市にしてはかなりの密度で宝が隠されている。今回は手始めに4つの宝を探すことにした。


焼きそば王子でも使ったし、一刀彫もした公園。

1.反町の森公園

実は、ここは僕がデイリーの撮影でいつも利用する公園だ。
見ての通り、広さの割に人が少ないので、人目を気にせず、いろんなことができる。この慣れ親しんだ公園に、密かに宝が隠されていたのかと思うと、ちょっとびっくりする。

宝のありかの緯度と経度は、さっきPCの画面を見て紙にメモしてきた。そのメモとiPhone上の緯度・経度表示を見比べながら、宝の場所へと徐々に近づいていく。


緯度と経度を慎重に見比べてたどり着いた先は……
謎の草むら。けっこう探したが見つからず。

付近には万引きされたと思しきマンガのビニールカバーが散乱。

指定された地点に着くと、そこは草むらだった。
とりあえず探してみようと、ちょっと分け入って探して回ったが、それはもう、ものすごい量の蚊がいて、何も見つからないわ、手足を刺されまくってボコボコに痒くなるわで、わけがわからなくなったので5分ぐらいで退散した。
宝探し失敗である。


なぜ見つからなかったのだろう。
公式サイト上の発見報告を見ると、ここの宝は最後に報告されたのが半年以上前と、他の3つの宝に比較して格段に古かった。つまりしばらく誰にも発見されていないわけだ。もしかしたら半年ぐらい前に、偶然発見した人が撤去してしまったのかもしれない。

そう考えると、このゲームはずいぶん基盤の不安定なゲームだ。宝がいつまでもそこにある保障も無いし、本当にあるとも限らない。ファミコンのゲームみたいにはいかない。
けれどだからこそ、この「リアル宝探し」は面白いのだ。このくらいのことではへこたれている場合じゃない。目指すは次の宝! 海賊王に、俺はなる!! 
気を取り直して僕は、次の宝「Big T」に向かった。


これです、Big T。広すぎる筑波大にも一応正門はある。

2・Big T

つくば市にお住まいの方でこの名前を聞けば、「ああ、あれね」と分かる人も多いかもしれない。
筑波大学正門にある、巨大なTの石柱のことだ。
僕はiPhoneが指し示す緯度・経度を見ながら、看板の方へと向かった。
しかし近くまで来ると、iPhoneは看板自体を指し示さず、少し別の方向を指し始めた。お宝はBig Tそれ自体には隠されていないらしい。


iPhoneが教えた先にあったものは……
林。うっそうと茂る林。

裸足にサンダル、ハーフパンツ。やぶ歩きでは絶対NG。

おいおい、野生動物保護区かよという勢いの林である。さっきは草むら、今度は林。

うかつなことに、僕はこの日ハーフパンツにサンダルで来てしまい、林の探索は容易ではなかった。枯れ枝が足に刺さる。クモの巣が2メートルおきに顔にひっかかる。でも宝は見つからない。
そもそも、宝がどのような外見で、どのように隠されているかの情報も全くない。公式ページには、箱のおおまかな大きさが書かれているだけで、頼りはGPSのデータのみだ。捜索は難を極める。


頼りのGPSデータにも、誤差はある。
つーか、この原生林みたいなのの中にほんとにあるのか。

もしかしてこれが宝か。

ふと目を上げる。林の隙間からBigTが輝いて見える。

GPSは最小でも、5〜10メートルの誤差が出る。
おおまかな位置を把握したら、あとはうろうろして、怪しいところをくまなく探すしかない。それでも見つからないので、いろいろな疑問が心に湧いてくる。

もしかしたら、そこの空き缶が宝ってオチなんじゃないか。
いや、実は転がってる朽木がくりぬいてあって、その中に隠されてるんじゃないか。
いや、それどころか、宝なんて誰かに捨てられてもう無いんじゃないか。
それどころか、そもそもこのゲーム自体が巨大な茶番なんじゃないか。

ゆらゆらと動く心。流れる汗。林を踏み分けるガサガサガサという足音。僕は宝の存在を信じて、宝を探し続けた。
そして目に入って来たものは。


とうとう最初の宝発見! >
 

 
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