グーグルマップは楽しい。 インターネットの楽しさランキングの中でも、いつも上位にランクインしている(自分調べ)。 特に僕が好きなのは「航空写真」だ。 鳥になった気分で世界中を見ることができる(が、見ているのは主に近所なのだけれど)。 その航空写真に、一部分だけ色味が変わっているところがある。 なぜだろうか、気になる。
(工藤 考浩)
グーグルマップの楽しさよ
子供の頃、宿題をサボってはいつも地図帳を見ていたが、大人になった現在は仕事をサボってグーグルマップを見ている。 航空写真モードにして眺めていると、いろいろと発見も多くて見あきることがない。
写真のつなぎ目
その航空写真には、たとえば下の地図のように、撮影した季節が突然分かれている場所などがある。 この場所はどんどん拡大してゆくと、画像の解像度が左右で違うので、何かの事情で撮影時期が違うんだろうなというのが想像できる。
光輝くパラダイス
ところが、どうも撮影時期の違いではなく、なぜかそこだけ光がさしたように、明るく輝いている場所があった。 まるでそこだけパラダイスのように。
江戸川区篠崎町
というわけで僕が向かったのは、江戸川区の篠崎町。 江戸川をはさんでその先は千葉県という、東京の東端だ。
その江戸川の土手付近を航空写真で見ると、線で引いたように、明らかに明るくなっているのが明白だ(この記事を書いた2010年8月現在)。 なぜこのようになっているのか、とても気になる。 たぶんきっと、画像処理か何かの関係で、ということだろうとは思う。 そうは思うが、それにしてもこれだけピカッと、まるで天使の梯子やレンブラント光線が差したかのように明るいと、ここにはなにかいいことがあるように、そこに行けばどんな夢も叶うというよ、なように思えてくる。
パラダイスへ
駅から地図をたよりに、光差すパラダイスへと向かった。 当然駅前付近は、とりたててなんの説明もないほどの、ごくごく日常だ。 この先に、なにかあるという感じは今のところしない。
いや、ちょっと非日常
しかし、駅前から数分歩いたところで、日常とは違う感覚の景色になりはじめた。 あちらこちらで、やたらと建物の新築工事をしているのだ。 一戸建てから低層のマンションまで、さっと視界にはいるだけでも十数カ所で工事をしている。 どうやらこの地域は、区画整理が完了したばかりのようだ。 なのでおなじタイミングで、新築ラッシュになっているようである。 新しい街というのはパラダイス色が強いが、しかし航空写真でここはまだ「日常」の地域である。
この先パラダイス
建築現場を通り抜けて、まさに「ここからパラダイス」というラインの上にやってきた。
特に何もない
やはり、この光の変わり目の場所に立ってみても、特に何も変わったことはなかった。 当然のことなのだが、それを確認して、ほっと安心した。 もしここになにかがあってしまったら、という心配をほんの少しだけしていたのも事実だ。
でも、いいところだ
ここ篠崎は、都心から数十分のところだが、江戸川ので手が広がり、高層ビルもないので空もひらけていて、散歩をするにはちょうどよい。 最近「パワースポット」なんていうのが流行っているが、そういう意味ではここも都会のオアシスで、パラダイスエリアといえるのかもしれない。
区民農園や大きな公園も
このすぐ近くには篠崎公園という大きな公園があり、また区民農園も点在していて、トマトの強い香りが暑かった。 航空写真で見たように光り輝いてはいなかったけれども、気分がリフレッシュして、来てみた甲斐があったな、と思う。
汗が拭けない
ということで、せっかく写真の色が変わっているところに行くのだから記念にと、顔の色もわけて取材していたのだが、その間、汗を拭くことができなくてつらかった。 流れた汗が目に入ると、しみて開けていられない。 舞台役者もベテランになると顔に汗をかかないようになると聞いたことがあるが、それはかなりすごいことであるよ。