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はっけんの水曜日
 
ビーチ相撲大会はおもしろい

団体戦二回戦は海の家が相手

団体戦二回戦の相手は、海の家の店員さんで構成された地元チーム、「クイックシルバー海の家」である。参加が8チームなのでもう準決勝だ。


私は真ん中の市原隼人的な人と戦うのか。苦手なタイプではあるが、となりの安藤さんの対戦相手よりはいいか。

さすがは皆さん海の家で働いているだけあって、男性陣も女性陣も屈強そうだ。仕事があったためだろうか、個人戦には出ていなかったようだ。

二回戦の先鋒、次鋒、中堅戦

出場している選手をアスリートタイプかストリートタイプに分類するとすれば、間違いなく後者のタイプだろう。道であったら迷わず目をそらすところだが、これから各自が立ち会わないといけないのだ。

とりあえずは女性陣に頑張っていただこう。


うろたえる私と安藤さんを尻目に、先鋒戦は四方山さんが力強い取り組みで勝利。俺たちの土俵ガールだ。
次鋒の夏山さんは熱戦の末に惜しくも敗れる。これで一勝一敗。

一回戦と同じく一勝一敗の展開。ここで私が負けても安藤さんとがんじすさんが勝てば二回戦に進めるのだが、安藤さんの相手は明らかに厳しそう。

この中堅戦が大きなポイントとなりそうなのは誰の目にも明らか。そして私の方が弱そうなのも明らか。お互いが野生動物だったら狩る側と狩られる側だ。

しかし愛着の湧いてきたこのチームの一員としては負けられないこの試合、私の相撲人生においても、きっと大きな節目となることだろう。


相手が明らかに相撲慣れしていないようで、私と同じくカエル型立ち会いになっている。
今までの練習、そして試合で培ったすべてを出し切った渾身の立ち会い。

今度は足を滑らせないように慎重に相手を押し込む。
腰の浮いてきた相手に一気の寄り。まさかの勝利!

すごい、自分でもまさかの勝利である。

この勝敗を分けたのは相撲経験の差以外のなにものでもないだろう。たとえ三時間とはいえ、個人戦での経験、そして親方との練習があったからこその勝利だ。これが相撲以外のスポーツでの試合だったら、全部負ける自信がある。

たぶん彼はこのあと先輩に怒られるから、きっと来年は練習をしてくるだろう。よってもう対戦はしたくない。



安藤さんがつぶれた

二勝一敗で迎えた副将戦は、他の格闘技のように体重別でおこなわれる競技では絶対にありえない体格差の一戦となった。自分が副将じゃなくて本当によかった。


「とうちゃんの生きざま、しっかりみておけよ…」
あー、見ているだけで怖い。


体重差を超えた熱い抱擁からのスタート。カブトムシ対コクワガタ。
強烈な寄りに対して強引なうっちゃりを仕掛ける安藤さん。

しかしうまく体重をあずけられて、そのままドシーン。ド根性ガエルの誕生シーンを思い出す強烈なつぶされっぷり。
土俵の外は砂が固いのでかなり痛そう。その日の夜の安藤さんはこちら

うん、やっぱり相撲は格闘技である。

二回戦の大将戦

星を二勝二敗の五分に戻されたところで、我らががんじすの出番である。相手チームの副将が強烈過ぎて目立たなかったが、大将もかなりのムキムキっぷり。なんといってもあの安藤さんを文字通りぺしゃんこにした人を抑えての大将だ。

古き良き時代のおすもうさん体型をかたくなに守るがんじすさん、がんばってください。


チームの勝利を掛けて、お互い気合の入った表情での立ち会い。
またしても受けて立つ形のがんじす。どうも自主規制で自分から突っ込まないようにしているらしい。


相手のわきの下にあてた手で腰を浮かし、ホイホイと軽く押し出し。
やはり強かったがんじす親方。しかし日焼けで肌が真っ赤になってきているのが心配だ。安藤さんとは別の意味で明日つらそう。

相手を寄せ付けない盤石の横綱相撲。これで三勝二敗となり、即席チームのアメリカンドッグスがまさかの決勝戦進出。

ちなみに家に帰る途中、相手チームが働く海の家の前を通ったのだが、お互い気持ちよく挨拶ができたので仲良くなれたのだと思う。もう覚えていないと思うけど。



決勝の相手がやばすぎる

決勝戦の相手として我々の前に立ちはだかったのは、なんだか見覚えのあるムキムキした男達。左から個人戦三位、そして一位、さらに安藤さんを投げ飛ばした人じゃないか。彼らのチームメイトなのだから女性陣も只者ではないのだろう。

チーム名は「サザンオールスターズ☆」という神奈川っぽいネーミング。でも私は知っている。彼らのうち何人かは茨城からきていることを!


私は安藤さんを投げ飛ばした人と戦うのだな。なにあの大胸筋。

さっきから胸が痛いと唸っている安藤さんと「ここまでですね」「もう十分ですよね」とこっそり声を掛け合っているのが聞こえたのか、自分達が勝ってがんじすにつないでやるんだと気合満点の四方山さん夏山さんの山山コンビが見事な連勝。女性は男性が頼りないほど強くなる。


さりげなく団体戦全勝の四方山さん。僕は彼女のしこ名と相撲を取っている姿しか知らない。
初勝利をあげて雄たけびをあげる夏山さん。いいところで勝ってくれた。

予想通り負ける中堅と副将

女性陣のがんばりで早くも二勝。あと一勝で優勝が決まるとシチュエーションでまわってきた中堅戦。ここで勝ったらヒーローなのだが、相手としても後のない状況なので負けるわけにはいかない。

土俵の上に勝てる要素はまるでなかった。


彼は体脂肪率何パーセントなんだろ。しこ名は胸筋山だそうです。
立ち会うと同時にアマレスっぽい強烈な片足タックルを食らう。

そのまま担ぐように投げられて、見事すっ飛ぶ70キロ。安藤さんと同じ負け方だ。
君の瞳に完敗。

副将の安藤さんの相手は個人戦で優勝したムキムキさん。一瞬で勝負がつくかなと思ったら、これが予想外の熱戦になった。


個人戦優勝者と胸の痛みを訴えている二児の父親のガチンコ勝負。
組み合い、腕をとりあう体脂肪の少ない二人。

実力者を相手に大健闘の安藤さん。
最後は投げの打ち合い。


砂にまみれたのは安藤さん。まわしがないので下手の方が有利だったか。
「後は任せました」と男同志の握手。それにしてもがんじす親方の日焼けが心配だ。

惜しくも金星ならず。安藤さんはこの試合の後、「来年までに10キロ太ろうかな」といっていた。どうやら相当悔しかったらしい。僕は自分の写真を見て5キロ痩せたいと思った。

 

がんじすという大河が決壊した

この日の結びの一番、団体戦決勝の大将戦。お互い二勝二敗とこれに勝った方のチームが優勝という、誰にとってもわかりやすくドラマチックな展開だ。


大将戦の相手は個人戦三位。体格差はあるが油断はできない。
強烈な踏み込みを胸で受け止めたがんじす親方。がんばれがんちゃん!

押すと見せかけて廻り込んだ相手の大将。がんちゃーん!
そしてまそのまま強引に投げ飛ばされる。がんじすが土俵という名の防波堤から決壊。がんちゃん…

チームメイトからペチペチやられるがんちゃん。敗因は日焼けのしすぎか。
ありがとうございました。やっぱり近くで見ても筋肉がすごい。

ここまでチームを引っ張ってくれたがんじす親方が負けての敗戦に文句などある訳がない。惜しくも優勝とはならなかったが、準優勝だって十分すぎるほどの好成績だ。

もし来年も同じチームで出ることがあれば、がんじす親方に日焼け止めを塗ってあげようと思った。


準優勝!

ビーチ相撲っておもしろいですね

初体験のビーチ相撲、それはもうたっぷりと堪能させていただいた。相撲は一度やるともっととりたくなるというのは本当だった。一週間くらい強烈な筋肉痛が続いたけれど。

来年の団体戦は同じチームででるのもいいし、あえてチームを裏切って、各方面から集めた最強メンバーで挑むのもおもしろそうだ。もう出場する気まんまんなのである。

なので身勝手な話だが、競技レベルが上がらないことを切に祈る。

ハイ、ドスコーイ。

日本ビーチ相撲協会
2010年8月29日に猿島大会がおこなわれます。


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